• 「ISO45001」は労働安全衛生において世界的に採用されている「OHSAS 18001」の代わりとなる規格
  • ISO45001とOHSAS18001はほとんど同じだが、ISO45001のほうが詳細化されている

ISO45001の発行について

ISO 45001は、労働安全衛生に関する世界初の国際規格 です。これまで労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格や業界独自のガイドライン等は、下記【ISO45001発行以前に採用されていた規格等】に示すようにいくつもありましたが、「ISO45001」は労働安全衛生において世界的に採用されている「OHSAS
18001」の代わりとなる規格です。2018年3月12日にISO45001:2018が発行され、2018年9月28日には労働安全衛生マネジメントシステムに関する日本工業規格「JIS Q45001」が厚生労働省より公示されました。
ISO 45001の発行に伴い、OHSAS18001はISO 45001の発行日から3年後の2021年3月で廃止となります。
また、現在各団体では、ISO45001(JIS Q 45001)の普及促進に向け、働く人の安全と健康、疲労やストレスの少ない快適な職場の形成を推進しています。

【ISO45001発行以前に採用されていた規格等】

  • 国際標準化機構(ILO)指針:ILO-OSH-2001
  • 厚生労働省指針:2006年厚生労働省告示第113号
  • 中央労働災害防止協会(JISHA中災防)方式適格OSHMS基準
  • OHSAS18001(Occupational Health and Safety Assessment Series):2007
累計ダウンロード5,000件突破!ISO45001丸わかり説明資料

OHSAS 18001とISO45001の違いについて

ISO45001:2018は、OHSAS 18001認証取得の流れとほぼ一緒ですが、規格内容はOHSAS 18001より詳細化された項目もあり、以下の点【相違点-概要】で違いが見られます。
※巻末に、規格要求の違いについてまとめた「規格要求対比表」を掲載しました。

【相違点-概要】

EMS・QMS・ISMS等規格との整合化/附属書SL採用

ISOマネジメントシステム規格が整合化され、Annex
SL(附属書SL)の採用により、規格の箇条構造や用語定義などが共通化されています。これにより、組織がISO9001/ISO14001/ISO27001など他のマネジメントシステムも運用している場合、労働安全衛生を含む統合マネジメントシステムとして容易に取り組むことができます。

労働安全衛生マネジメントシステムの目的および意図

ISO 45001:2018の序文において、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS
の狙い/成功の為の要因、PDCAサイクルなど明確に記載されています。

【OHSMS の狙い及び意図】

  • 働安全衛生パフォーマンスを継続的改善(働く人の負傷・疾病の防止および安全で健康的な職場の提供)
  • コンプライアンス
  • 労働安全衛生の目標達成

組織の状況や、働く人とその他の利害関係者に対しても考慮

経営的観点から組織の状況を理解し、働く人とその他の利害関係者のニーズや期待も考慮しつつ、適切な適用範囲を決定します。

リーダーシップの強化

附属書SLにはない「働く人の協議及び参加」があり、トップマネジメントのリーダーシップを強化し、責任の所在を明確にします。経営者と働く人が一体となってOHSMSに取り組む必要があります。また、「働く人」という表記になったことで、従業者のみではなく経営者も含む全員の労働安全衛生に配慮した取り組みが要求されるようになりました。

労働安全衛生パフォーマンスの向上

労働災害防止において、労働安全衛生パフォーマンス(成果)が向上するようリスク
及び機会への取り組みを実施します。

例)労働安全衛生パフォーマンス関連とOHSMSに関連して、それぞれリスクと
機会(好機)について洗い出し、取り組みを実施します。

組織内外のコミュニケーションについて重視

組織内部、組織と請負業者・来訪者および外部の利害関係者間において、双方向のコミ
ュニケーションが図れるようプロセスを構築・運用します。

変更管理プロセスの構築

計画的に組織が保有する機械設備、人、資材、作業手順など新規導入・変更した場合、および組織が意図せずに発生(故障・事故・災害)した事象への対応処置などについて管理するための運用方法(変更管理プロセス)を策定します。

規格要求対比表
■ISO 45001:2018■OHSAS 18001:2007
箇条内容箇条内容
まえがきまえがき
0.1背景
0.2労働安全衛生マネジメントシステムの狙い
0.3成功の為の要因
0.4Plan-Do-Check- Actサイクル
0.5この規格の内容
1適用範囲1適用範囲
2引用規格2引用規格
3用語及び定義3用語及び定義
4組織の状況
4.1組織及びその状況の理解
4.2働く人及びその他の利害関係者のニーズ及び期待の理解
4.3労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定4.1一般要求事項
4.4労働安全衛生マネジメントシステム4.1一般要求事項
5リーダーシップ及び働く人の参加
5.1リーダーシップ及びコミットメント
5.2労働安全衛生方針4.2労働安全衛生方針
5.3組織の役割、責任及び権限4.4.1資源、役割、責任説明責任、権限
5.4働く人の協議及び参加4.4.3.2参加と協議
6計画4.3計画
6.1リスク及び機会への取り組み
6.1.1一般
6.1.2危険源の特定並びリスク及び機会の評価4.3.1危険源の特定・リスクアセスメント及び管理策の決定
6.1.2.1危険源の特定4.3.1危険源の特定・リスクアセスメント及び管理策の決定
6.1.2.2労働安全衛生リスク及び労働安全衛生マネジメントシステムに対するその他のリスクの評価
6.1.2.3労働安全衛生機会及び労働安全衛生マネジメントシステムに対するその他の機会の評価
6.1.3法的要求事項及びその他の要求事項の決定4.3.2法令及びその他の要求事項
6.1.4取り組みの計画策定
6.2労働安全衛生目標及びそれを達成するための計画策定4.3.3目標と実施計画
6.2.1労働安全衛生目標4.3.3目標と実施計画
6.2.2労働安全衛生目標を達成するための計画策定4.3.3目標と実施計画
7支援4.4実施及び運用
7.1資源4.4.1資源、役割、責任及び権限
7.2力量4.4.2力量、教育訓練及び自覚
7.3認識4.4.2力量、教育訓練及び自覚
7.4コミュニケーション4.4.3.1コミュニケーション
7.4.1一般
7.4.2内部コミュニケーション
7.4.3外部コミュニケーション
7.5文書化した情報4.4.4文書類
7.5.1一般4.4.4文書類
7.5.2作成及び更新4.4.5/4.5.4文書管理/記録の管理
7.5.3文書化した情報の管理4.4.5/4.5.4文書管理/記録の管理
8運用4.4実施及び運用
8.1運用の計画及び管理4.4実施及び運用
8.1.1一般4.4.6運用管理
8.1.2危険源の除去と労働安全衛生リスクの低減4.3.1危険源の特定・リスクアセスメント及び管理策の決定
8.1.3変更の管理
8.1.4購買(調達)4.4.6運用管理
8.1.4.1一般4.4.6運用管理
8.1.4.2請負業者4.4.6運用管理
8.1.4.3外部委託4.4.6運用管理
8.2緊急事態への準備及び対応4.4.7緊急事態への準備及び対応
9パフォーマンス評価4.5点検
9.1モニタリング、測定、分析及びパフォーマンス評価4.5.1監視及び測定
9.1.1一般4.5.1監視及び測定
9.1.2順守評価4.5.2順守評価
9.2内部監査4.5.5内部監査
9.2.1一般4.5.5内部監査
9.2.2内部監査プログラム4.5.5内部監査
9.3マネジメントレビュー4.6マネジメントレビュー
10改善
10.1一般
10.2インシデント不適合及び是正処置4.5.3発生事象の調査、不適合、是正及び予防措置
10.3継続的改善
累計ダウンロード5,000件突破!ISO45001丸わかり説明資料
  • 無料資料 | ISO45001導入 徹底解説
  • 『ISO45001を網羅的に分かりやすく』をコンセプトに、ISOコンサルタント監修のもとISO45001について図解などを交え詳細に解説しています。分かりやすいというお声も多くいただいていますので、ぜひ御社でご活用ください。
  • 必須ご担当者様名
  • 必須電話番号
  • 任意会社名
  • 任意メールアドレス
  • 必須個人情報の取り扱い
    (個人情報保護方針を読む)

ISOプロでは月額4万円から御社に合わせたISO運用を実施中

ISOプロではISO各種の認証取得から運用まで幅広くサポートしております。

また、マニュアル作成など御社に合わせたムダのない運用を心がけており、既に認証を取得しているお客様においてもご提案しております。

サポート料金においても新プランを用意し、業界最安級の月額4万円からご利用いただけます。

ISO45001、40,000円/月から作業工数ほぼ0実現!ISO新規取得・運用完全サポートならISOプロ