「OHSAS 18001とISO45001の違いとは?」

監修残田康平
著者:ISOプロ担当者
投稿日:
更新日:2020年05月18日

1.ISO45001の発行について

ISO45001は、労働安全衛生に関する世界初の国際規格です。これまで労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格や業界独自のガイドライン等は、下記【ISO45001発行以前に採用されていた規格等】に示すようにいくつもありましたが、「ISO45001」は労働安全衛生において世界的に採用されている「OHSAS
18001」の代わりとなる規格です。2018年3月12日にISO45001:2018が発行され、2018年9月28日には労働安全衛生マネジメントシステムに関する日本工業規格「JIS Q45001」が厚生労働省より公示されました。
ISO 45001の発行に伴い、 OHSAS18001 はISO 45001の発行日から3年後の2021年3月で廃止となります。
また、現在各団体では、ISO45001(JIS Q 45001)の普及促進に向け、 働く人 の安全と健康、疲労やストレスの少ない快適な 職場 の形成を推進しています。

【ISO45001発行以前に採用されていた規格等】

  • 国際標準化機構(ILO)指針:ILO-OSH-2001
  • 厚生労働省指針:2006年厚生労働省告示第113号
  • 中央労働災害防止協会(JISHA中災防)方式適格OSHMS基準
  • OHSAS18001(Occupational Health and Safety Assessment Series):2007

2. OHSAS 18001とISO45001の違いについて

ISO45001:2018は、OHSAS 18001認証取得の流れとほぼ一緒ですが、規格内容はOHSAS 18001より詳細化された項目もあり、以下の点【相違点-概要】で違いが見られます。
※巻末に、規格要求の違いについてまとめた「規格要求対比表」を掲載しました。

【相違点-概要】

1)EMS・QMS・ISMS等規格との整合化/附属書SL採用

ISOマネジメントシステム規格が整合化され、Annex
SL(附属書SL)の採用により、規格の箇条構造や用語定義などが共通化されています。これにより、組織がISO9001/ISO14001/ISO27001など他のマネジメントシステムも運用している場合、労働安全衛生を含む統合マネジメントシステムとして容易に取り組むことができます。

2)労働安全衛生マネジメントシステムの目的および意図

ISO 45001:2018の序文において、労働安全衛生マネジメントシステム(OHSMS
の狙い/成功の為の要因、PDCAサイクルなど明確に記載されています。

【OHSMS の狙い及び意図】

  • 働安全衛生パフォーマンスを継続的改善(働く人の負傷・疾病の防止および安全で健康的な職場の提供)
  • コンプライアンス
  • 労働安全衛生の目標達成

3)組織の状況や、働く人とその他の利害関係者に対しても考慮

経営的観点から組織の状況を理解し、働く人とその他の利害関係者 のニーズや期待も考慮しつつ、適切な適用範囲を決定します。

4)リーダーシップの強化

附属書SLにはない「働く人の協議及び参加」があり、トップマネジメントのリーダーシップを強化し、責任の所在を明確にします。経営者と働く人が一体となってOHSMSに取り組む必要があります。また、「働く人」という表記になったことで、従業者のみではなく経営者も含む全員の労働安全衛生に配慮した取り組みが要求されるようになりました。

5)労働安全衛生パフォーマンスの向上

労働災害防止において、労働安全衛生パフォーマンス(成果)が向上するようリスク
及び機会への取り組みを実施します。

例)労働安全衛生パフォーマンス関連とOHSMSに関連して、それぞれリスクと
機会(好機)について洗い出し、取り組みを実施します。

6)組織内外のコミュニケーションについて重視

組織内部、組織と請負業者・来訪者および外部の利害関係者間において、双方向のコミ
ュニケーションが図れるようプロセスを構築・運用します。

7) 変更管理プロセスの構築

計画的に組織が保有する機械設備、人、資材、作業手順など新規導入・変更した場合、および組織が意図せずに発生(故障・事故・災害)した事象への対応処置などについて管理するための運用方法(変更管理プロセス)を策定します。

規格要求対比表
■ISO 45001:2018 ■OHSAS 18001:2007
箇条 内容 箇条 内容
まえがき まえがき
0.1 背景
0.2 労働安全衛生マネジメントシステムの狙い
0.3 成功の為の要因
0.4 Plan-Do-Check- Actサイクル
0.5 この規格の内容
1 適用範囲 1 適用範囲
2 引用規格 2 引用規格
3 用語及び定義 3 用語及び定義
4 組織の状況
4.1 組織及びその状況の理解
4.2 働く人及びその他の利害関係者のニーズ及び期待の理解
4.3 労働安全衛生マネジメントシステムの適用範囲の決定 4.1 一般要求事項
4.4 労働安全衛生マネジメントシステム 4.1 一般要求事項
5 リーダーシップ及び働く人の参加
5.1 リーダーシップ及びコミットメント
5.2 労働安全衛生方針 4.2 労働安全衛生方針
5.3 組織の役割、責任及び権限 4.4.1 資源、役割、責任説明責任、権限
5.4 働く人の協議及び参加 4.4.3.2 参加と協議
6 計画 4.3 計画
6.1 リスク及び機会への取り組み
6.1.1 一般
6.1.2 危険源の特定並びリスク及び機会の評価 4.3.1 危険源の特定・リスクアセスメント及び管理策の決定
6.1.2.1 危険源の特定 4.3.1 危険源の特定・リスクアセスメント及び管理策の決定
6.1.2.2 労働安全衛生リスク及び労働安全衛生マネジメントシステムに対するその他のリスクの評価
6.1.2.3 労働安全衛生機会及び労働安全衛生マネジメントシステムに対するその他の機会の評価
6.1.3 法的要求事項及びその他の要求事項の決定 4.3.2 法令及びその他の要求事項
6.1.4 取り組みの計画策定
6.2 労働安全衛生目標及びそれを達成するための計画策定 4.3.3 目標と実施計画
6.2.1 労働安全衛生目標 4.3.3 目標と実施計画
6.2.2 労働安全衛生目標を達成するための計画策定 4.3.3 目標と実施計画
7 支援 4.4 実施及び運用
7.1 資源 4.4.1 資源、役割、責任及び権限
7.2 力量 4.4.2 力量、教育訓練及び自覚
7.3 認識 4.4.2 力量、教育訓練及び自覚
7.4 コミュニケーション 4.4.3.1 コミュニケーション
7.4.1 一般
7.4.2 内部コミュニケーション
7.4.3 外部コミュニケーション
7.5 文書化した情報 4.4.4 文書類
7.5.1 一般 4.4.4 文書類
7.5.2 作成及び更新 4.4.5/4.5.4 文書管理/記録の管理
7.5.3 文書化した情報の管理 4.4.5/4.5.4 文書管理/記録の管理
8 運用 4.4 実施及び運用
8.1 運用の計画及び管理 4.4 実施及び運用
8.1.1 一般 4.4.6 運用管理
8.1.2 危険源の除去と労働安全衛生リスクの低減 4.3.1 危険源の特定・リスクアセスメント及び管理策の決定
8.1.3 変更の管理
8.1.4 購買(調達) 4.4.6 運用管理
8.1.4.1 一般 4.4.6 運用管理
8.1.4.2 請負業者 4.4.6 運用管理
8.1.4.3 外部委託 4.4.6 運用管理
8.2 緊急事態への準備及び対応 4.4.7 緊急事態への準備及び対応
9 パフォーマンス評価 4.5 点検
9.1 モニタリング、測定、分析及びパフォーマンス評価 4.5.1 監視及び測定
9.1.1 一般 4.5.1 監視及び測定
9.1.2 順守評価 4.5.2 順守評価
9.2 内部監査 4.5.5 内部監査
9.2.1 一般 4.5.5 内部監査
9.2.2 内部監査プログラム 4.5.5 内部監査
9.3 マネジメントレビュー 4.6 マネジメントレビュー
10 改善
10.1 一般
10.2 インシデント不適合及び是正処置 4.5.3 発生事象の調査、不適合、是正及び予防措置
10.3 継続的改善

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この記事の監修者情報
残田康平 (ISOコンサルタント)
約5年間ISOコンサルティング会社で累計200社以上のISO構築に携わってきました。現在はISOプロのISOコンサルタントとして活動中。企業の得意・不得意を引き出しつつ、自社にピッタリなISOを構築することが得意です。これからISOに携わる人々にわかりやすい言葉で情報発信をしています。
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