夏に起こりやすい食中毒の対策とHACCP

投稿日:

ISOプロ担当者

最終更新日: 2019年10月02日

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食中毒といえば、ノロウイルスを始めとするウイルス性のものが有名ですが、夏場にも食中毒のリスクはあります。今回は、夏に食中毒を引き起こす原因となるものがどのようなもので、HACCPではどのようにそのリスクを低減していくことができるのかということについてご紹介していきます。

夏の食中毒の原因

ノロウイルスに代表される食中毒を引き起こすウイルスは、一般的に冬場に活発になります。このため、12月〜1月にかけては食中毒の発生件数は多いといわれています。

しかし、夏場にも食中毒のリスクは潜んでいます。それは、「細菌」です。

夏場には、以下のような細菌が発生しやすくなります。

  • O157
  • カンピロバクター
  • リステリア
  • サルモネラ
  • 黄色ブドウ球菌
  • 腸炎ビブリオ
  • ウェルシュ菌
  • ボツリヌス菌

どれも一度は耳にしたことがある名称なのではないでしょうか? 「夏は高温多湿であるため、食品の保管には注意が必要」という意識は多くの人の共通認識としてあると思いますが、それでも毎年これらの菌を原因とする食中毒が発生しているのです。

細菌はどこで食品に付着するのか

上記で紹介した細菌は、ある程度生息場所が限られています。以下では代表的な細菌についてご紹介していきますので、まずは知識を深めてみましょう。

サルモネラ菌

サルモネラ菌は、卵や鶏肉、ウナギなどに多く付着していることが多い細菌です。また、ネズミやペットなどの腸管にも生息しており、これらを介して食品が汚染されることもあります。

サルモネラ菌によって食品が汚染される原因は、以下のようなものが代表的です。

  • 賞味期限切れの卵を使う
  • 卵を割りおきして長時間放置する
  • 食肉を低温保存しない
  • 生肉や生卵を取り扱った調理器具や手指で他の食材に触れる
  • 十分な加熱を行わない

カンピロバクター

カンピロバクターは牛や豚が保菌している細菌で、様々な動物に分布しています。熱や乾燥に弱く、十分に加熱することで細菌は低減することが可能ですが、潜伏期間が1日〜7日と長く、100個程度の細菌が体内に入っただけで食中毒を引き起こすため、危険な細菌です。

カンピロバクターによって食品が汚染される原因には、以下のようなものがあります。

  • 食肉を切った包丁やまな板の上でサラダのような熱を通さない食品の調理をする
  • 食肉を取り扱った手指を十分に洗浄しない
  • 食肉の生食

腸炎ビブリオ

腸炎ビブリオは、海水中や海泥中に分布する細菌で、海鮮食品に多く含まれる細菌です。腸炎ビブリオは他の食中毒菌に比べて速く増殖することが知られており、流通過程・調理中の不適切な取扱によって増殖します。このため、飲食店での食中毒の原因にもなりやすい食中毒菌です。

腸炎ビブリオによって食品が汚染される原因には、以下のようなものがあります。

  • 魚介類を調理前に真水(水道水)で洗わない
  • 魚介類と野菜でまな板を分けていない
  • 特に夏場に魚介類を冷蔵庫外で保管する
  • 冷凍された魚介類を冷蔵庫外で解答する

HACCPによってどのように食中毒菌を低減するのか

HACCPによる衛生管理では、これらの細菌の特徴をしっかりと理解した上で衛生管理計画を構築する必要があります。例えば上記でご紹介したような細菌のほとんどは加熱処理によって低減することができます。

このため、適切な温度で適切な時間加熱処理を行うことでその食品に関するリスクは低減することができます。製造する食品が加熱処理を要するものであるなら、この加熱処理を重要管理点(CCP)として設定し、細菌を取り除くために必要な温度と時間を管理基準(CL)にします。

HACCPでは、こういったCCPとCLを製造する食品ごとに設け、細菌(※本来は、細菌だけでなくあらゆるハザードを考慮した上でCCPを設定します)を低減する衛生管理計画を立て、それが適切に実行されているかということを確認していくのです。また、実行された結果を記録し、継続的な改善を図っていくことができます。

ただし、実際の現場でHACCPに取り組む場合は、保管方法や二次汚染についても考慮する必要があります。なぜなら加熱しすぎると品質を担保した食品を提供できなくなったり、他の食品を同時進行で製造したりすることもあるからです。

上記でもご紹介したように、食品に汚染した細菌によって調理器具や手指に付着し、全く関係のない他の食品にこれらの細菌が付着してしまうこともあるのです。

特に気をつけておきたいのが、火を通さないサラダの調理です。食肉や魚介類の調理で利用した調理器具をそのままサラダの調理に使った場合、サラダが細菌によって汚染される可能性がありますし、加熱後に生の状態の食肉を使った調理器具を再利用してしまうと、再度細菌が付着してしまう可能性もあるのです。

HACCPは「生肉に触れた調理器具で他の食品を触らない」「食品の他の方法について気をつける」といった一般衛生管理が実行されることが前提条件となるため、一般衛生管理に加えてHACCPによる衛生管理システムに取り組むというイメージを持っておくようにしましょう。

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