新型コロナウイルスの影響で、テイクアウトやデリバリー……いわゆる中食の需要が大きく高まりました。アフターコロナ後も大きく減少した売上を回収するためにテイクアウトサービスを継続することを検討している企業も多いのではないでしょうか?

そんな中、2020年の6月からはHACCPの義務化が開始しました。このHACCPの義務化は2018年の6月に閣議決定した改正食品衛生法によるものです。

ということで、今回はテイクアウトサービスやデリバリーサービスにおけるHACCPの運用時の注意点について解説していきたいと思います。

HACCPとは

HACCPとは、7原則12手順と呼ばれる12の手順に従って構築する食品安全に関する衛生管理 手法のことで、アメリカや西欧諸国では1990年代から義務化されているものです。そんなHACCPは2000年代から日本でも推進されてきましたが、その普及率は未だ低いままです。

そこで今回の改正食品衛生法によってすべての食品関連事業者に対してHACCPが義務化されることになりました。そんなHACCPは、危害要因分析重要管理点を主軸においた衛生管理手法です。

危害要因分析とは、原材料が入荷してから製品を出荷、提供するまでの間に存在する可能性のある食の安全を脅かす「ハザード」を発見し、分析することです。また、重要管理点とはその危害要因を取り除くために必須の工程のことです。例えば「加熱」という工程が重要管理点に設定されることが多いです。HACCPでは、この重要管理点を科学的根拠に基づいて設定された管理基準 によって管理します。

管理基準とは、「○度」や「○分」といった、その場で確認が可能な数値に基づく指標のことで、この管理基準が満たされているかどうかをモニタリングし、それが満たされていない場合はHACCPプランの見直しを行うことで継続的に衛生水準を改善していくというアプローチを行います。

そんなHACCPは、テイクアウトサービス、デリバリーサービスではどのように運用することが正しいのでしょうか?

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テイクアウトサービスの場合

テイクアウトサービスの場合は、通常の飲食店や食品製造工場と比べて異なる点が一点あります。――それは、お客様が食品を購入した後に家あるいはその他の場所まで運送することになるからです。

HACCPでは、出荷や提供までの工程を整理しますが、食品安全という観点から見れば持ち運び時間に関しても考慮すべきでしょう。このあたりに関しては、食品衛生法による規制があるため、法律に準拠していればある程度の安全性を確保することもできますが、以下のようなことには気をつけて重要管理点や管理基準を設定する必要があります。

  • 商品提供時の細菌やウイルスの基準だけでなく、数分間放置した場合のことを考慮する
  • 季節によっては細菌が繁殖しやすくなることを考慮する

デリバリーサービスの場合

デリバリーサービスの場合もテイクアウトサービスと同様に商品持ち運び時のリスクについても考慮する必要があります。特にデリバリーサービスの場合は持ち運び時まで事業者の責任があるため、注意が必要です。

  • デリバリーの方法も工程として認識する
  • 商品の受け渡し方法についても考慮して危害要因分析を行う

上記2点について考慮しておくと良いでしょう。

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HACCPはトドメとして考える

HACCPはどのようなサービス形態であっても、CCPをトドメとして考えることが理想的です。――どういうことかというと、「できるだけ細菌が付着しないようにする」「そもそもウイルスが付着しないように手洗いをしっかりする」といったアプローチは、一般衛生管理(PRP)であり、これはHACCPの前提条件となるものです。HACCPでは、「どんなに汚染されても、ここさえ守れば大丈夫」というアプローチ方法です。これが、CCPは衛生管理の中でも「トドメ」と称される所以なのです。

デリバリーサービスでもテイクアウトサービスでも、CCPはトドメであることに変わりはありません。ただし、CCP実行後にもリスクが多いことは認識しておきましょう。

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