HACCPシステム構築の手順 第3講座 フローダイアグラムの作成

投稿日:

ISOプロ担当者

最終更新日: 2019年08月02日

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フローダイアグラムの作成

食品安全チームは、食品安全マネジメントシステムが適用される製品または工程の種類に対して、フローダイアグラムの作成をします。このフローダイアグラムは、予測される食品安全ハザードの発生、増大または混入の評価の基礎を提供するものです。
したがってフローダイアグラムの作成は、明確で、正確で、十分に詳しいものであり、作業における全ての段階の、作業の順序及び相互関係、アウトソースした製造プロセス及び外注作業、原料、材料及び中間製品、再利用端品がフローに入る箇所、 再加工及び再利用が行われる箇所、最終製品、中間製品、副産物及び廃棄物をリリースまたは除去する箇所、以上を記述するものでなければなりません。
つまりフローダイアグラムの作成は原材料等の受け入れ検証から、最終製品のリリースまでの間の全ての作業の連なる姿をフロー、すなわち流れとして描くということです。一次プロセスの繋がりだけでなく、二次プロセスが連なる相互関係、その中で連なる基本作業や製造機器、保管移動、一時的保留などの入力出力まで、工程の中のフードチェーンを漏らさず全て描きます。

そして検証プランに従って、食品安全チームは、現場確認によりプロセス解析表及びフローダイアグラムの正確さを検証し、修正されたプロセス解析表及びフローダイアグラムは記録として維持します。

現存のフローダイアグラムの作成は手順の簡略化にも重要な意味を持ちます。一製品アイテムもしくは一製品分類ごとに、二次プロセスそれぞれの基本作業の主な手順を確認し、下記のようなパターンの現存のダイアグラムを組みます。

③現存のフローダイアグラム

機能展開の手法

それぞれの組織で一次と二次のプロセスを上記の方法で確定して記述します。ダイアグラム作成の方法はいろいろありますが、この書き方はプロセスアプローチの考え方をベースに、機能展開の手法を用いてダイアグラムの形で作成する方法です。

機能展開の手法での一次機能を一次プロセスと置き換えれば、それは工程を例えば部屋単位で大きく分けた範囲で、二次機能つまり二次プロセスとは一人で直接的に管理できる範囲で、それぞれ分割した作業の領域のことです。二次プロセスの中には基本単位作業があり、この最小の単位の繋がりが工程のフローを構成するのです。
インプットには原材料、包材、水、作業指示などの文書化した情報、を記述します。アウトプットには廃棄物、リユース材料、記録、伝票など、を記述します。このリユース材料はどこに戻すのかの戻しのフローを矢線で記入します。

フローチャート、フィッシュボーン、工程図、いろいろな描き方がありますが、私のこの描き方はプロセスアプローチの考え方と機能展開の手法をダイアグラムと合致させた描き方で、オリジナルの手法です。

プロセスアプローチ

ここでプロセスアプローチについて説明しておきます。
プロセスには、工程、処理する、という意味があります。何かを処理する活動の工程、と考えてください。処理するためには、その対象となる何かがあるはずです。その何かを処理する活動の工程にインプット=入力します。
処理することには、処理することで実現したい目的があるはずです。その目的を実現させて、処理する活動の工程から成果をアウトプット=出力します。
あらゆる活動をこの形で考えて組み立てることを、プロセスアプローチと言います。
一つの基本的な単位作業もプロセスであり、多くの作業が順番に連なる工程も、またそうした工程をいくつも組み合わせて構築したラインや工場も、どれもプロセスです。

そのプロセスの連ね方、組み合わせ方には論理的な順列と相互関係があるはずです。小さなプロセスの論理的な順列、連なり、組み合わせにより、大きなシステムを構築することをシステムアプローチと言います。このような順列と組み合わせを、論理的にかつ合理的に構築することで、スリムで低コストの工程の設計も可能になります。

例えばこの講座も、プロセスの連なる形で考えられるということです。
インプットにはこの講座で学ぶ読者が相当します。目的はHACCPシステムの構築手順を知ることです。従ってアウトプットはHACCPシステム構築手順を知った読者、処理する工程は各講座の講義の文書を読んで理解することです。第一講座から第十講座までのそれぞれのプロセスがあり、順序はHACCPシステム7原則12手順に沿って論理的に構成されています。

HACCPシステムの構築においても、現存の製造工程、調理工程はこうしたプロセスの連なりで構成されていると考え、現存工程のフローダイアグラムをプロセスアプローチで描くのです。特にISO22000:2018では、2005年版以上にプロセスアプローチを重視する規格になりましたので、この考え方を中心とした構築が望まれています。

この記事の著者
清水正敏(ISO マネジメントシステム構築運用コンサルタント /ISO 品質システム&食品安全システム審査員)
平成15年ISO品質システム審査員登録、平成20年からQMS 審査員としていくつかの審査機関の審査に従事。システム論と問題解決技法とを統合したマネジメント手法によるマネジメントシステム構築と運用の支援を標榜し、コンサルタント及び研修講師、審査員を勤める傍ら、取材・文筆など多方面で活躍。主な著書は『竹輪の頭はどっち?!』(メタブレーン)『ISO 審査革命』(オンブック)など。

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