• 認証機関は、ISO取得や更新に必要な審査を行っている機関のこと
  • 認証機関によって対応規格や審査費用、審査で重視している点が異なるため、選定が大切

競争が激化している現代のビジネスにおいて、サービスの品質や安全性を証明するためにISO認証を取得する企業が増えています。特に、BtoB取引や海外進出を検討している企業にとって、ISO認証取得は取引条件であることも珍しくありません。
こうしたISO認証の「信頼性」を支えている機関の一つに、認証機関が挙げられます。ISO認証の取得を検討している企業にとって、認証機関は切っても切れない存在です。

そこで、この記事ではISO認証機関の概要や役割、選び方をわかりやすく解説します。

ISO認証機関(審査機関)とは

ISO認証制度

ISO認証機関(審査機関)とは、「組織がISO認証を取得する際に、ISO認証の要求事項に適合しているかどうかを審査する機関」のことです。
組織がISO認証の基準を満たしていれば、組織にISO認証証明書(登録証)を発行します。

ISO認証機関は日本国内に約50社存在しており、組織はその中から自由にISO認証機関を選定したうえで、審査を受けることが可能です。

認定機関との違い

ISO認証機関とよく似た名称の機関に、認定機関があります。
認定機関とは、「ISO認証機関がISOの基準に則った審査を行っているかどうかを審査する機関」のことです。つまり、認定機関に認定された機関だけがISO認証機関として活動できるのです。

認定機関は、ISO認証機関とは異なり、原則各国に1つだけ存在しています。ただし、日本の場合には「日本適合性認定協会(JAB)」、情報セキュリティに関連する規格は「一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS -AC)」の2つが挙げられます。

認定機関は、各国に多く存在しているISO認証機関の審査の質を一貫させるために存在しており、不正や間違いを防ぎ、中立的な立場で統一された審査基準の維持に貢献しています。

関連記事:ISO認定機関とは?認証機関との違いや役割を解説

ISO認証の仕組み

ISO認証は、「国際的な基準」としての役割を果たすために、厳正な認証制度を構築しています。認証機関もこの認証制度を運用するために欠かせない存在であることから、ISO認証の仕組みについても理解しておきましょう。

ISO認証制度は、「第三者認証」によって成立しています。第三者認証とは、ISO認証を取得したい組織とまったく関係がない機関のことを指します。
この第三者認証制度を採用することで、審査の公平性や客観性が保たれ、審査の信頼性を確保できます。

そして、各国の審査の質を一貫するために、各国の認定機関は国際認定機関フォーラム(IAF)に加盟しています。IAFでは、国際相互認証協定(MLA)を締結しているため、各国の認定機関は相互に評価し合い、同等の認定プロセスであることを認証しています。

そのため、どの国の認定機関の認証を受けたとしても、国際的に有効と判断されるのです。

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ISO認証機関を選ぶポイント

ここでは、ISO認証機関を選ぶポイントを解説します。これからISO認証機関を選定するという場合には、以下のポイントを比較検討の参考にしてください。

対応している規格

ISO認証と一言でいっても、ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)、ISO14001(環境マネジメントシステム)、ISO45001(労働安全衛生マネジメントシステム)などのさまざまな種類が存在しています。

すべてに対応しているISO認証機関は多くはありません。そのため、自社が取得する規格の審査を実施しているかどうかは必ず確認しましょう。

また現在取得する規格だけでなく、将来的に取得する可能性がある規格についても視野に入れてISO認証機関を選ぶことで、追加認証もスムーズに行いやすくなります。

審査費用

審査費用には、登録審査費用だけでなく、毎年行われる維持審査費用、3年に一度の更新審査費用などが挙げられます。
審査費用は安さだけで選ぶのではなく、審査の質や内容などを含めて費用対効果の観点から比較検討することがおすすめです。複数のISO認証機関に見積もりを依頼して確認しましょう。

対応スピード

問い合わせから審査が完了するまでのスケジューリングや見積もりの依頼などをした際の対応スピードも確認しておきましょう。

対応スピードが重要になるのは、たとえば「顧客からの要望がある場合」や「入札条件を満たす必要がある場合」などです。したがって、特別に急ぐ理由がない場合は、他の項目を優先し、この点は後回しにして検討しても問題ないでしょう。

審査方針

ISO認証機関の審査の質は一貫性が保たれているものの、実は機関によって審査方針は異なります。
例えば、ISOマネジメントシステムの改善・提案を積極的に行うスタイルの機関の場合には、ISOを認証取得のためだけでなく経営改善の一環として活用したい企業に適しています。一方、認証取得を重視したい場合には、標準化された手順で審査を行うスタイルの機関が適しているでしょう。

関連記事:ISO審査機関(認証機関)の選び方と押さえるべき3つのポイント

ISO認証機関は変更できる?

ISO認証機関の変更は、「認証機関移転」と呼ばれており、いつでも可能です。
ただし、移転の際は現在のISO認証機関に申し込み、手続きを行い、新たなISO認証機関から受け入れ可能か移転審査を受ける必要があります。

そのため、維持審査や更新審査の直前を避けて移転することがおすすめです。
特に更新審査の際には、ISO認証の有効期限までに再登録が間に合わなければ認証が失効してしまう可能性があります。できれば、更新審査の6か月前ごろには移転の準備を進めましょう。

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ISO認証機関の検索方法

基本的には「日本適合性認定協会(JAB)」から確認できますが、ISO27001のISO認証機関であれば「一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)」からも確認できます。

各ホームページには、ISO認証機関の住所や連絡先、URL、認定日、更新日、認定証イメージが掲載されています。

参考サイト:日本適合性認定協会(JAB)(外部リンク)
参考サイト:一般社団法人情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)(外部リンク)

コンサルに依頼する方法

ISO認証機関は日本に約50社存在していることから、「自社に適したISO認証機関がどこかわからない」とお悩みの企業も多いでしょう。
実際、ISO9001であれば2025年5月現在、33社のISO認証機関が存在しており、それぞれの違いを自力で確認することは困難です。さらにいうと、海外の認定機関(ANAB、UKASなど)から認定を受け、日本で活動している認証機関もあるため、審査機関の数は更に増えます。

そのため、多くの企業がISO認証の取得サポートを実施しているコンサルティング会社に依頼して、自社に適したISO認証機関の提案を受けています。
ただし、すべてのコンサルタントがISO認証機関の提案を行っているわけではないため、事前にサポート内容を確認しましょう。

ISOコンサルに取得サポートを依頼すると、その他にもISO取得にかかる作業の代行支援、ISO認証審査の対応支援などが受けられます。そのため、多くの企業がISOコンサルを利用しています。

関連記事:ISO取得の流れを「自社取得」と「コンサル取得」を徹底比較

まとめ

この記事では、ISO認証機関の概要や役割、選び方について解説しました。

ISO認証機関は、ISO認証制度の仕組みにおいて欠かせない機関の一つです。認定機関からの認定を受けているため、公平性や客観性を保ち、中立的な立場からの審査を受けられます。ただし、ISO認証機関によって対応規格や審査費用、審査方針などが異なるため、比較検討することが大切です。

自社に適したISO認証機関を選びたいという場合には、コンサルティング会社に相談することを検討してみてください。

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