環境マネジメントシステム構築に必須!環境目標とは
- 環境目標とは、企業が環境に取り組むための具体策を定めること
- 環境目標は環境方針と整合性がとれてなければならない
- 達成率や有効性を評価するため環境目標は定量的である必要がある
ISO
14001に沿って環境
マネジメントシステム
を構築するには「環境目標
」の設定が不可欠です。
環境目標とは、企業が環境に取り組むための“具体策”を定めることで、環境マネジメントシステムを構築するにあたって最初に設定する必要がある「
環境方針
」と整合性がとれた目標のことを指します。
環境方針という大きな設定を達成するための環境目標を定量的に細かく決定することでPDCAサイクルうまく回すことができるのです。
この記事は環境目標の役割と目標設定の例をわかりやすく解説していきます。
環境目標とは
環境目標とは、組織が環境マネジメントシステムを構築するにあたって最初に設定する必要がある「環境方針」と整合性がとれた目標のことを指します。環境方針とは、組織が環境に対してどのような方向性で取り組んでいくかということを位置づけるもので、トップマネジメントによって宣言されるものです。その環境方針と整合性のとれた目標というのは、つまり環境方針を達成するためにある小目標のようなものです。
環境目標と環境方針の関係
この環境目標は環境方針よりも具体的な「達成すべきゴール」です。環境方針は具体的には以下のような宣言が当てはまります。
製品の開発から原材料などの調達、製造、流通、販売、お客様の使用・廃棄までのすべての過程で「地球温暖化防止のための低炭素社会の実現」、「資源の循環的・有効活用による循環型社会の実現」、「人々の健康や自然生態系、生物多様性を保全するための自然との共生」に配慮し、地球環境への影響を可能な限り減少させるよう、自主的・積極的に行動します。また、環境に対する良い影響を増大させることなども含まれます。
LION – 環境方針/環境マネジメント
上記を見ていただいてわかる通り、環境方針とは、非常に抽象的なものであり、「具体的にどのような行動を行うか」についてはそれほど明確に規定したものではありません。――しかし、環境マネジメントシステムの持続的な改善のためには、「その行動が良い結果を生んだのかどうか」を検証する必要があります。つまり、PDCAサイクルを回すために具体的な目標がなければならないのです。
身近な例に置き換えてみよう
少しイメージしにくいかもしれませんので、個人単位の話に置き換えてみましょう。あるプロ野球選手になりたいと夢見る少年にとって、「方針」とは「野球の練習をしてプロ野球選手になる」ということになります。そして、「目標」とは「1日バットの素振り50回」や「坂道ダッシュ10回」といったものです。この目標を達成していくことで、「プロ野球選手になる」という大目的、つまり方針を達成することができるのです。
このような目標を掲げることで、「1日バットの素振りを50回やり続けたけど、まだまだスイングのスピードが足りない」という改善点が見えてきます。この課題に対して、「バットの素振りの回数を200回に増やす」という改善を加えていくことで、より「方針」の達成に近づくことができるようになっていくのです。
環境目標は定量的である必要がある
さて、それでは環境目標に話を戻しましょう。環境目標とは、具体的には下記のようなものが掲げられます。
- 電気使用量の13%削減
- 四半期に一回環境セミナーの開催
- メールの積極利用による紙の使用量の20%削減
- 環境配慮型製品の拡販による売上10%向上
- 残業時間の10時間削減
これらの環境目標は、どれも数値とともに掲げられます。なぜなら、定量的な目標でなければその達成率や有効性を評価することができないからです。マネジメントシステムにおいては、この評価というものが非常に重要であり、評価することができなければPDCAサイクルを効率的に回すことができなくなります。
ISO14001の要求事項にも、明確に以下のような記載があります。
環境目標は,次の事項を満たさなければならない。
a)環境方針と整合している。
b)(実行可能な場合)測定可能である。
c)監視する。
d)伝達する。
e)必要に応じて,更新する。
このため、環境目標は定量的なものであることが望ましいとされています。
まとめ
今回は、ISO14001の要求事項の中に出てくるキーワードの中でも特に重要な「環境目標」について解説してきました。環境目標は環境マネジメントシステムの中でも特に重要な要素となりますので、どのように環境目標を設定するのかという枠組みを構築しておくことが求められます。
適切な環境目標を掲げて、効果的なマネジメントシステムを構築していきましょう。
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