環境アセスメントとは?ISO14001との関係性もわかりやすく解説
ISO 14001の認証 を取得するにあたっては、環境 マネジメントシステムの構築が必要になります。この環境マネジメントシステムを語る上で絶対に外せないのが環境アセスメントです。——では、環境アセスメントとは具体的にどのようなものなのでしょうか。
今回は、環境アセスメントとISO14001の関係についてわかりやすく解説していきたいと思います。
目次
環境アセスメントとは?
環境アセスメント(環境影響評価)とは、大規模な開発事業を実施する際に、事業者が環境に与える影響を調査・予測・評価し、事業の実施において深刻な公害や自然破壊を防ぐために適正な環境配慮がなされるようにする一連の手続きをいいます。
事業者は、環境アセスメントの内容について住民や関係自治体などの意見を聴くとともに専門的立場からその内容を審査することで、よりよい事業設計を創り上げていきます。
道路や空港、ダムなど生活に必要な開発事業であっても環境に悪影響を与えないために、環境保全についてあらかじめ考えておくことが重要なのです。
2種類の環境アセスメント
環境アセスメントには、“国の法律に基づく制度”と“地方公共団体独自で設けている制度”があります。地方公共団体の環境アセスメントはすべての都道府県・政令指定都市に条例による環境アセスメント制度が存在します。
国の法律に基づく環境アセスメントは、道路、ダム、鉄道、発電所などの13種類の事業が対象になっており、このうち規模が大きく、環境に大きな影響を及ぼす恐れがある事業を「第1種事業」として環境アセスメントの手続きを必ず行います。
一方で地方公共団体の環境アセスメントは、対象事業の種類を多くする、小規模事業を対象にするなど地域の実情に応じた特徴のある内容になっています。
法律と条例による環境アセスメントの関係性
一つの事業において、法律と地方公共団体の条例による環境アセスメントの手続きが重複することは事業者にとって大きな負担となってしまいます。
そこで、環境アセスメントでは、地方公共団体の環境アセスメントとの関係について規定を設けており、手続きが重複したり、法の手続きの進行が妨げられることがないように配慮されています。
ISO14001と環境アセスメント
ここでは、環境マネジメントシステムに関する規格14001と環境アセスメントの関係について解説していきます。
ISO14001の法的要求事項
ISO14001の要求事項の中には、“順守義務 ”という項目があります。順守義務にはマネジメントシステムを構築する上で必要な要求事項の他に、法令で遵守すべき内容が含まれており、これを 法的要求事項 と言います。
例えば、工場であればボイラーから排ガスや有害大気汚染物質などが大気汚染防止法に触れる項目なので、運用にあたって排ガスや大気汚染物質の処理に関して適正な環境配慮がなされるようにルールを決める必要があるのです。
ISO14001と環境影響評価
ISO14001の要求事項では、環境影響に対して、適正な環境配慮がなされるように環境アセスメントを行っていきます。
環境影響とは、組織活動の中で生じる環境に対するあらゆる影響のことを指します。
そもそも環境とは組織を取り巻くあらゆるモノゴト(取引先、株主、顧客、大気や大地のような自然環境など)のことで、この挙げたらキリがないほどある環境に対して、組織が活動することで与える影響は数え切れません。そのため、ISO14001では、環境側面を抽出して環境影響評価を行っていくのです。
ISO14001の環境アセスメント
環境側面とは、組織を取り巻く環境に影響を与える可能性がある側面のことを指します。
ISO14001では、一定の基準を超え、特に影響が大きいと判断される「著しい環境側面」を決定し、低減措置を行っていきます。
規格が求めている環境影響評価とは、企業が取り巻く全ての環境影響を洗い出して、低減措置を行うのではなく、そのリスクの発生頻度や重要度を評価し、対策を考えていくのです。
まとめ
今回は、環境アセスメントとISO14001の関係性について解説していきました。大規模事業を実施する際に行われる環境アセスメントですが、ISO14001にも環境アセスメントの考えが取り入れられています。
規模に関係なく、組織で活動する以上、環境になにかしら影響を与えているのです。そこで、ISO14001の要求事項に沿って、著しい環境側面を抽出し、どのように低減措置を行っていくか決定していきましょう。
ISOプロでは月額4万円から御社に合わせたISO運用を実施中
ISOプロではISO各種の認証取得から運用まで幅広くサポートしております。
また、マニュアル作成など御社に合わせたムダのない運用を心がけており、既に認証を取得しているお客様においてもご提案しております。
サポート料金においても新プランを用意し、業界最安級の月額4万円からご利用いただけます。
こんな方に読んでほしい