ISO14001制定の背景と改定
ISO の中でも有名なのがISO9001 であり、そして環境に関する規格 としてISO14001も誕生しました。実際に環境に関して改善や向上を目指して取り入れるような企業もあるでしょう。そんなISO14001はどのような背景で誕生したのでしょうか?
ISO14001の発行
地球環境問題に対しては、昔から国際的な解決策を模索しており、1992年の地球サミットで持続的発展のための産業界会議(BCSD)が創設されます。このBCSDの中で、環境マネジメントシステム の国際規格が考えられます。そうしてISOに対して、環境に関する国際標準化に取り組むように依頼しました。ISOはこれによって、環境に関する標準化の課題を検討し、国際電気標準会議(IEC)と共同でアドホックグループの環境に関する戦略諮問グループを1991年に設立します。そうしてこのグループから報告を受けて、1993年に環境マネジメント専門委員会(TC207)の新設を決定します。
TC207では6つの分科会が置かれます。そのうちSC1という部分が環境マネジメントシステムの標準化を担当します。そして1994年に発刊されたのがISO14001です。マネジメントシステムの規格ということであり、ISO9001との両立性を考えて規格作りは行なわれます。その後はしかしISO14002などは作られていませんが、ガイドラインとしてISO14004は制定されます。
そうした背景で出来たISO14001ですが、時代の流れとともに何度か改訂が行なわれ、その時代に適した内容に修正が行なわれてます。
要求事項のあらすじ
ISO14001は、企業活動、製品やサービスなどの環境負荷の低減を含む環境リスク低減を目指し、環境パフォーマンス の改善を継続的に実施していくマネジメントシステムを構築するための規格です。まずは組織の最高責任者が環境方針を立てて、実現のための計画を作り、実施し運用し、その結果を点検して不適合部分があれば是正し、または見直し再計画するなどして、システムを構築していきます。このシステムを継続的に運用していくことで、環境負荷を低減し、事故を未然に防ぐことも出来るようになります。
ただISO14001の背景には環境マネジメントシステムという部分がありますが、どのような環境に対してシステムを構築するかとは名言をしておらず、自社の中でどのような環境に影響を与えているか、パフォーマンスがどうなっているかを分析し、システムを作っていかなければなりません。
ただ取得するとなると、システムを構築し、第三者機関による審査を受けなければなりません。組織が認証を得ることは、自ら環境に配慮し自主的に、そして積極的に取り組んでいることを示します。審査では、適切にマネジメントが行なわれているかが評価され、審査されます。
2009年の継続確認と2015年の改正
ISO14001は何度か改定が行なわれ、最初に2004年に行なわれます。ISOの5年ごとに見直すという規定に従い見直しが行なわれましたが、大まかな内容変更はされませんでした。そうして次には2009年に見直しが行なわれます。見直しするときは、そのまま継続するか廃止するかという点も検討され、このときは継続になります。そして次に各マネジメントシステムの整合化のための共通指針が附属書SLとして2011年にまとまります。関係者の理解を期待し結果を生むことが出来る規格に改定するために、NWIPが提出されます。これが2011年のことであり、TC207のSC11で改定作業が行なわれます。
3回のWD作成と2回のCD公開を経て、2014年7月からDISが公開されます。TC207のSC1は寄せられた多数のコメントを評価の上FDISを作成し、2015年に改正されたISO14001:2015を公開しました。2015年に改正されたISO14001では、組織の状況を理解する要求事項を新設し、組織と環境の利益になる機会を選別して利用することを目指しています。
文書化された情報という言葉も要求事項の中に組み込み、効果的なプロセス管理を確実にするために必要となる部分は、文書化すべきという風にもなっています。しかし、ISO14001のためだけに明文化されていたルールなどは、組織に定着している場合、必ずしも文書化する必要がないようにも改訂されています。このようにして2015年の改訂では、より環境に配慮した規格となり、より明確にシステムを実現できるようにと改善されています。
ISO14001は企業が環境に与える負荷を、少しでも低減していけるようにと制定されたマネジメントシステムです。もちろんそのためには、企業がどのような部分で環境に負荷を与えており、どのようにすれば低減できるかを考えていかなければなりません。ただISO14001も一度制定すればそれで良いということではなく、規格内容に不備があったり、不明瞭な部分などがあったりすれば、その都度見直しが行なわれ、改訂がされてきたのです。そして最近は2015年に改訂が行なわれました。
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