ISO9001を取得するために必要な書類
ISO 9001を取得するためには規格 が求める要求事項 を満たす必要がありますが、規格はいくつかの書類を文書化することを求めています。ーーでは、ISO9001 を取得するために必要となる書類にはどのようなものがあるのでしょうか?
今回は、QMSを確立するために必要な書類について一例ではありますがまとめていきたいと思います。
品質マネジメントシステムの適用範囲
適用範囲とは、QMSが有効に機能する範囲のことを指します。基本的には全社を適用範囲とする場合が多いですが、マネジメントシステム を運用する上で事業所単位や部署単位に適用範囲を限定することも可能です。ISO9001によって構築するQMSがどの範囲に渡って適用されるのかということは、文書化することを規格は求めています。
品質方針
品質 方針とは、QMSの土台となる企業や組織が品質に対する方向性を取りまとめたものです。この品質方針 はおトップマネジメントによって宣言されるものでありますが、文書としても記録し、保持することをISO9001は求めています。
品質目標
品質目標とは、品質方針に則ったさらに具体的な品質に関する目標のことです。この品質目標は具体的な行動とともに定量的な目標を持っていることが望ましいと考えられており、例えば「不良品率を20%削減する」といったものがこれに当てはまります。ーーもちろん、品質目標は一つではなく、複数の目標を掲げても問題ありません。
この品質目標に関しても、文書化しておく必要があります。ーーこれは、マネジメントレビューや内部監査 時にも利用する文書であるため、文書化が必要である理由は比較的理解しやすいかもしれません。
組織図
組織図は、QMSの運用に必要な情報を伝達するため、あるいはその他の運用に必要な計画を策定するために文書化しておくことが望ましいとされています。
プロセスマップ
プロセスマップとは、業務フローを見える化したプロセスの全体構成とそれらの関係性を示した図のことです。品質を維持改善するためには全体を俯瞰することはとても重要なことです。規格は具体的にプロセスマップを文書化することを要求していませんが、QMSを構築・運用する上で非常に重要な役割を果たすものであるため、文書化をすることが望ましいです。
手順書
手順書とは、マニュアルとほぼ同じものですが、さらに細かい作業の手順について記したものです。手順書は従業員教育や業務の円滑な引き継ぎに有効的であるため、QMSの構築とともに作成されることが多い文書です。
仕様書
仕様書とは、製品やサービスの仕様をまとめたものです。その製品はどのように製造され、誰によって消費されるのかということまでまとめておくことで、リスク管理を行うことができます。品質の改善は、顧客からの要求があってから改善するものではなく、先回りして顧客満足を目指すために行うものでありますから、製品の仕様書を文書化し、マネジメントレビューや計画の策定に用いることは非常に有効なQMS活動であるといえます。
その他文書化すべき書類
品質マネジメントシステムを効率的に運用していくためには、製品やサービス、企業の体制によって上記でご紹介したような文書以外にも文書化しておくほうが望ましいものが様々あります。
例えば、
- 生産スケジュール
- 製品の試験や検査の計画
- 品質マニュアル
このような文書をまとめておくことは、規格は明確に求めてはいませんが、品質を改善する上では必須であるといえるでしょう。
また、製品やサービスがISO9001の要求事項を満たしていることを証明する文書も必要になります。
- プロセスが計画どおりに実施されたと確信するために必要な程度の文書化した情報
- QMS のパフォーマンス及び有効性に影響を与える業務を組織の管理下で行う人(又は 人々)の力量の証拠
- レビューの結果及び製品及びサービスに関する新たな要求事項
- 設計・開発の要求事項を満たしていることを実証するために必要な記録
- QMS のパフォーマンス及び有効性の評価の結果
- マネジメントレビューの結果の証拠
- 是正処置の結果
こういった書類はQMSを運用するために作成するというよりは、審査のために必要になる書類であるため、他にもどのような書類があったほうが良いかということは、コンサルタントなどに相談してみると良いかもしれません。
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