ISO9001で登場する品質保証体系図とは
- 品質保証体系図とは、組織の品質保証活動における一連のプロセスを見える化したもの
- 品質保証体系図は内部監査やマネジメントレビューで活用することができる
ISO 9001規格 のQMS を構築する際に、効率的にマネジメントレビューや内部監査 を行うために様々なツールを用いると思います。今回ご紹介する 品質 保証体系図もその一つです。今回は、 品質保証 体系図とは一体何なのか?なんのためにあるものなのか?ということについて解説していきたいと思います。
品質保証体系図とは?
品質保証体系図とは、製品やサービスの設計・開発・製造・アフターサービスに至るまでの一連の流れの中で各部門がどのようなプロセスを果たすべきなのかということを明確にし、品質保証活動を確実に実行するために作成される図のことです。
基本的には横軸には各部門の名称、縦軸には品質保証活動をすすめるための業務の流れを書き記します。この図を用いることで各部門のプロセスの連携や分担状況が明確になり、組織の品質保証を見える化することが可能になります。
品質保証体系図の見方
品質保証体系図を活用するときに注意しておきたいことは、以下のような点です。
- ・縦の流れの各ステップに進むためには、どのようなことが必要なのかに着目する
- ・プロセスが複数の部門に渡って実行される場合は、その責任の所在を明確にする
- ・縦の流れを見たときに、PDCAサイクルが回っているかどうかを確認する
- ・この体系図がどのような目的で用いられており、その役割を果たせているかどうかを確認する
どのような図を作成する時でもそうですが、テンプレート通りの図を作成してそのまま運用していては意味がありません。品質保証のやり方というのは、自社独自のものがあると思いますので、その独自の方法に合致しているかどうかという点については作成後もチェックするようにしておきましょう。
品質保証体系図はなぜ必要なのか?
品質保証体系図は、各部門の果たす役割を文書化することでプロセスの推進、支援を行ったり、品質保証に関わる重大な課題やリスクを発見したりするために作成されます。具体的には、以下のような活用方法を想定することができます。
- ・トップマネジメントへの品質状況の報告を行う
- ・品質保証体制の確立や整備を行うために活用する
- ・各部門の負担状況や全体のシステムとしての課題を発見するために活用する
- ・是正処置や予防処理、あるいはクレーム処理を円滑に行うために活用する
- ・品質目標の起案や品質計画の策定のために活用する
- ・各部門に全体的な流れと、部門が担当する役割を理解させる
品質マネジメントシステムに取り組んで間もない企業は、「文書化は煩わしい」と感じるかもしれませんが、文書化することで上記のように品質保証を円滑に推進することができるようになるため、文書化も非常に重要なプロセスなのです。
まとめ
今回は、品質保証体系図について解説してきました。品質保証体系図はISO9001では「作成する必要がある」と明記されているわけではありませんが、品質に関わるプロセスに関して、「プロセスの順序及び相互作用を明確にする」ことを要求しています。品質保証体系図を作成することは、このプロセス順序及び相互作用を明確にすることにも繋がるのです。
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