【HACCP対応施設 第2講座】ユーティリティ、廃棄物、製造装置からの製品汚染リスク

投稿日:

ISOプロ担当者

最終更新日: 2019年08月02日

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ユーティリティ – 空気・水・エネルギーの製品汚染リスク

ユーティリティ – 空気・水・エネルギーは、製品汚染リスクを最小になるように、監視をします。水の供給については、飲用水は十分な量であり、備蓄・供給・温度調整の設備は水質条件を満たすものとします。公共の水道水を用いるか、井水の場合は飲用に適することを確認して使い、製品汚染リスクを最小にします。

氷・蒸気を含む材料として使われる水、または製品に接触して使われる水、及び清掃・洗浄用または間接的に接触リスクのある水は、水の品質・微生物学的な要求事項を満たしていることが必要です。井水など塩素処理をする水は、残留塩素レベルが仕様書の基準内であるように管理し、その点検を毎日します。つまり製品に使う、または製品に接触する水、さらに清掃・洗浄などにより間接的な接触のリスクのある水は、製品特性による品質・微生物学的な要求事項を明確にして、これを満たすように管理して、製品汚染リスクを最小にするということです。

ボイラー用化学薬剤については、ボイラーに化学薬品を使う場合、仕様を満たす許可された食品添加物か、安全であると規制当局が許可した添加物を使うようにします。
空気の質及び換気ですが、まず製造施設内の空気の、濾過・湿度・微生物学の要求事項を製品に応じて自ら確立し、重要であればシステム管理をし、監視します。つまり製造区域に取り入れる空気について製品特性により清澄度の厳しさを明らかにして、厳しいレベルであればクリーンルームシステムなどのような管理をする、あるいはそれほど厳しくはない製品でもフィルターや網戸の網の精度レベルとチェック及び交換の頻度を明確にして管理をして、製品汚染リスクを最小にするということです。

供給する空気は、空中微生物汚染を最小にするための管理とモニターの手順を製品に相応しいレベルで確立し、微生物が発育・生残し易い製品が空中浮遊菌もしくは落下菌に暴露する区域を明確にします。落下菌検査や拭き取り検査、環境試験により製造区域中の空中または潜在的な微生物汚染の状況を把握して、これを最小にするために取り入れる空気の管理だけでなく、空中微生物汚染を低減する方策を講じます。そして製品が空中微生物に暴露しやすい区域を明確にし、暴露を低減する方策を講じて、製品汚染リスクを最小にします。

そして換気は、過剰なまたは不要な蒸気・埃・臭いを除去するため、また湿式洗浄後には乾燥させるために設置します。換気システムは、空気を汚染したり、原材料区域の汚染区域から製造区域の清浄区域に空気を流れたりしないように設計をし、必要なら気圧差を維持します。製造区域の空気を外に排出する換気は、区域内を陰圧にしますので、陽圧を維持する必要がある場合の換気は排気する換気装置をその区域には設置せず、陽圧により室内の空気が出入口から排出され、フィルターを通して取り入れた空気に交換されるような換気の設計にします。ただ、不要な蒸気・埃・臭いを除去したい箇所がその区域内にある場合は、スポット換気の工夫をして陽圧を維持します。

空気取り入れ口のフィルターの清掃・洗浄・交換を行い、フィルター交換のアクセスはし易い造りにします。外気の取り込み口は、物理的に完全であることを定期的に調べます。フィルターの取り付け位置や外気の取り込み口は、ほとんどが清掃・洗浄・交換のしにくい位置や目の届きにくい場所にあるので、メンテナンスは頻度を決めて確実に行います。

コンプレッサーなどによる圧縮空気及び他のガス類の使用は、濾過・湿度・微生物学的要件を製品に応じて特定し、空気濾過は使用箇所の近くでするようにします。圧縮空気に使用する空気そのものの吸い込み口は、清浄な空気を取り入れられるように管理し、コンプレッサーに用いられる機械油は食品グレードとします。

照明は衛生的作業ができる照度と色相で、その製品の性質に相応しいものとし、また破損時の汚染を防止するために飛散防止型の照明器具とします。

廃棄物処理

廃棄物処理は、製品・製造区域の汚染を予防する方法で、識別・収集・除去・処分を実施します。廃棄物及び食用に適さない、又は危険な物質の容器は、廃棄物・食用不適・危険物質の各容器を識別し、指定場所に配置し、清浄化・衛生化できる不浸透性材質で、密閉ができ、必要なら施錠ができるものとします。

廃棄物管理及び撤去では、廃棄物の隔離、保管、撤去の対策を講じます。また、食品を扱うまたは保管する区域に廃棄物を堆積しないようにし、廃棄物の撤去頻度は堆積を防ぐため、最小限毎日管理します。廃棄表示をした原材料・製品・印刷済み容器包装は、変形するか、または商標の再利用をできなくするため破壊します。この処分は承認された契約者によって行われ、破壊の記録を保持します。

排水管及び排水についてですが、排水管は材料・製品の汚染リスクを避けられるように設計して造り配置し、予想される流量を処理できるに十分な能力があり、加工ラインの上を通過しない構造にします。排水は、汚染区域から清浄区域の方向に流しません。

製造装置の適切性、清掃・洗浄及び保守

製造装置の適切性、清掃・洗浄及び保守では、食品に接触する製造装置は、清掃・洗浄・消毒・保守が容易にできるように設計して造り、繰り返される清掃・洗浄に耐えられる耐久性のある材質と構造にします。

装置の衛生的な設計は、滑らかで、アクセスし易く、表面は清掃・洗浄ができ、ウェット加工区域では自然に流れ、製品の特性、清掃・洗浄の方法、洗浄水の流路の洗浄剤と両立する材料を使い、穴はなくボルト・ナットでの貫通がない骨組みにします。配管は清掃・洗浄が可能で、排水ができ、盲管はなく、また装置の操作者の手と製品との接触は最小になるようにします。

製品と接触する表面は食品に使用できる不浸透性の材質で、錆・腐食が出ないものにします。

加熱工程に使用する温度管理及びモニタリング装置は、製品仕様の温度勾配と保持条件に適している規格にします。清掃・洗浄プラント、器具及び装置の、清掃・洗浄プログラムは、全ての機械装置・器具・装置を、定めた頻度で確実に清浄するために、何を、誰の責任で、どの方法(CIP/COP)で、どんな道具を使い、除去・分解の条件、プログラムの有効性検証方法、以上を文書化します。

装置の予防保守プログラムは、監視・管理の全ての機器を含みます。(注記:例=スクリーンメッシュ、フィルター、マグネット、金属探知器、X線検知器)修繕などの是正保守は、製造中の隣接するラインや装置への汚染リスクがある場合は行いません。

この記事の著者
清水正敏(ISO マネジメントシステム構築運用コンサルタント /ISO 品質システム&食品安全システム審査員)
平成15年ISO品質システム審査員登録、平成20年からQMS 審査員としていくつかの審査機関の審査に従事。システム論と問題解決技法とを統合したマネジメント手法によるマネジメントシステム構築と運用の支援を標榜し、コンサルタント及び研修講師、審査員を勤める傍ら、取材・文筆など多方面で活躍。主な著書は『竹輪の頭はどっち?!』(メタブレーン)『ISO 審査革命』(オンブック)など。

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