【最新】2026年改訂へ!ISO9001の今後の改訂予定を解説

- ISO9001は2015年版が最新
- ISO9001は2025年~2026年ごろに改訂予定という説が有力
ISO9001は2015年版に改訂がされて以降、9年間にわたり改訂されませんでした。しかし2023年に改訂が確定し、2024年6月現在では改訂作業が進められています。
ISO9001を取得している企業はもちろん、今後取得を検討している企業にとっても、改訂時期や改訂内容について把握しておくことが大切です。新しいバージョンが発行されたのち、スムーズな対応につなげるために、定期的に最新情報をチェックしましょう。
そこで、この記事ではISO9001:2015の改訂における最新情報をまとめています。また現バージョンであるISO9001:2015のポイントも解説していますので、現バージョンの復習に活用してください。
目次
【2025年1月現在】ISO9001改訂の進捗
ISO規格の改訂は、各国加盟機関、専門委員会(TC)、分科委員会(SC)の幹事により決定します。ISO9001は、2023年8月3日に技術委員会176、第2分科委員会(TC176/SC2)を構成する国家規格機関によって行われた投票の結果、改訂が確定しました。
それ以降、ISO9001は改訂に向けて準備が進行しています。ここでは、ISO9001が改訂するまでの過程や現在の最新情報を解説します。
改訂までの過程
ISO9001が改訂されて世界的に発行されるまでには、予備段階(PWI:予備業務項目)と以下の6つのプロセスを経ることが必要です。
- 提案段階(NP:新業務項目提案)
- 作成段階(WD:作業原案)
- 委員会段階(CD:委員会原案)
- 照合段階(DIS:国際規格案/投票用委員会原案)
- 承認段階(FDIS:最終国際規格案)
- 発行段階(IS:国際規格)
現在の最新情報
2025年1月17日に、以下のように最新情報が発表されました。
ISO9001の2番目のCD(第2委員会草案)に関する作業が完了し、CD協議の投票が2025年1月17日に開始されました。投票は2025年3月14日に終了予定です。つまり、現在は改訂までの過程のうち、「3.委員会段階(CD:委員会原案)」です。
投票終了後は、投票で受け取ったコメントを処理します。さらに国際規格草案の準備を開始するために、2025年3月31日~4月4日の間にパリでWG29(作業グループ)の会議を開催する見込みです。
こうした動きから、最終的にISO9001が改訂される時期は、2026年であることが予測されています。

ISO9001の改訂内容
2025年1月現在、ISO9001の改訂内容は未定です。ただし、改訂作業のインプットとして挙げられている項目を以下にまとめました。
- 「附属書SL‐MSSのための調和させる構造」の改訂
- グローバルに関連するビジネスと社会の変化
- リスク及び機会の要求事項に関する改善
- 文書化した情報に関する要求事項の見直し
- サプライチェーンに関する課題
- 可監査性(auditability)を考慮した改善
こうした項目への対応が改訂内容に含まれる可能性があります。
ISO9001が改訂後に対応すべき内容とは
仮に2026年中にISO9001が改訂された場合、組織はどのように対応すべきなのでしょうか。これまでのISO9001改訂時の対応を目安にして、改訂後に組織が対応すべき内容をまとめました。
すでにISO9001を取得している企業は、改訂後3年が経過する前に審査を受けて、新しいISO9001のバージョンに認証される必要があるでしょう。
その場合、以下のような対応が求められます。
- 改訂内容を確認し、運用している品質マネジメントシステムとの間にギャップがないか確認し、見直しを行うこと。
- 改訂後の品質マネジメントシステムで3か月程度運用すること。
- 改訂後の品質マネジメントシステムの内部監査・マネジメントレビューを実施すること。
こうした対応を取る必要性を考えると、審査を受ける1年程度前から改訂の対応を始めることで、余裕をもって新バージョンに移行できるでしょう。

【復習】ISO9001:2015の改訂内容
ここでは、ISO9001:2008からISO9001:2015に改訂された際の改訂のポイントや変更になった項目を復習として解説します。
すでに移行は完了していますが、まずは現規格への適合において、問題点がないかどうか確認する際に参考にしてください。
改訂のポイント
2015年バージョンになって大きく変化した部分の一つに、「文書化要求が少なくなったこと」が挙げられます。
2008年バージョンで明確な要求があった項目には、品質マニュアルや予防処置 手順、是正処置手順、不適合製品管理手順、内部監査手順、記録管理手順、文書管理手順などが挙げられます。
しかし、2015年バージョンでは、これらの文書化対象は明確な要求がなくなっています。
変更になった項目
2015年バージョンで新しく追加した項目を解説します。
5.1 リーダーシップ及びコミットメント | トップマネジメントが実行すべき事項が追加 |
---|---|
5.2 品質目標及びそれを達成するための計画策定 | 品質目標と達成計画において満たさなくてはならない項目が追加 |
7.2 力量 | 力量を示す証拠として文書化した情報を要求するという内容が追加 |
8.3 製品及びサービスの設計開発 | 設計や開発に計画にあたって考慮するべき事項が追加 |
8.4 外部から提供されるプロセス、製品及びサービス管理 | 外部提供者に伝えるべき事項が追加 |
また、この他にも「製造及びサービス提供」「監視、測定、分析及び評価」「マネジメントレビュー」「一般」などの要求において満たすべき項目が追加されました。
今後の改訂に備える意味でも、現状における品質マネジメントシステムの問題点をきちんとすべて洗い出すことも重要です。以下の部分において、今のうちに対応しておくと良いでしょう。
- 作業やあらゆるプロセスに無理や無駄がないかをチェックする
- 経営と現場の実態が離れすぎていないか
- 会社で決めたことがきちんと実行に移せているか
- 組織として掲げている目標を達成できているか
- 品質マネジメントシステム目標を達成できているか
まとめ
この記事ではISO9001:2015の改訂における最新情報をまとめました。
まだ改訂内容や改訂時期は明確ではないものの、あと2~3年で新しいISO9001が発行されます。
改訂後にスムーズな対応を実施するために、最新情報を定期的に確認したり、現状の課題について見直したりすることが大切です。

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