【2026年3月最新】ISO9001改訂の変更点は?移行スケジュール・今すべき準備を徹底解説

FAQISO9001の改訂に関するよくある質問
ISO9001は2015年版に改訂されて以降、約10年間にわたり改訂されませんでした。しかし2023年に改訂が確定し、2026年3月現在では改訂作業が進められています。
ISO9001を取得している企業はもちろん、今後取得を検討している企業にとっても、改訂時期や改訂内容について把握しておくことが大切です。新しいバージョンが発行されたのち、スムーズな対応につなげるために、定期的に最新情報をチェックしましょう。
そこで、この記事ではISO9001:2015の改訂における最新情報をまとめています。早期に対応できるよう、定期的に最新情報を確認することがおすすめです。
目次
ISO9001改訂の最新情報(2026年3月時点)

ISO9001は現在、2026年の改訂発行に向けて最終段階に進んでおり、「ISO9001:2026」として公表される見込みです。
ISO9001の改訂は、国際標準化機構(ISO)の技術委員会であるTC176/SC2を中心に進められており、2023年の投票により正式に改訂が決定しました。その後、各国の専門家による議論と検討を経て、現在は新規格発行に向けた最終プロセスへと移行しています。
ここでは、ISO9001が改訂されるまでの過程や現在の最新情報を解説します。
ISO9001の改訂日はいつ?
ISO9001は、2026年9月頃に改訂版が発行される予定です。
現時点では正式確定ではないものの、スケジュール通りに進めば「ISO9001:2026」として国際規格が発行され、日本国内では「JIS Q 9001:2026」として制定される見込みです。
現在の改訂進捗

- 提案段階(NP:新業務項目提案)
- 作成段階(WD:作業原案)
- 委員会段階(CD:委員会原案)
- 照合段階(DIS:国際規格案/投票用委員会原案)
- 承認段階(FDIS:最終国際規格案)
- 発行段階(IS:国際規格)
2026年3月現在、「4.照合段階(DIS:国際規格案)」が発行され、DIS段階の投票・コメント受付が行われている段階です。次の「5.承認段階(FDIS:最終国際規格案)」への移行準備が進められています。
今後のISO9001の移行スケジュールの予定を整理しました。ただし、時期については見込みであるため、変動する可能性があります。
| フェーズ | 時期 |
|---|---|
| 国際規格案(DIS) | 2025年8月発行 |
| 最終国際規格案(FDIS) | 2026年半ばに発行される見込み |
| 新版の国際規格の発行 | 2026年9月頃に発行される見込み |
| 新版への移行期限 | 未定 ※通常は3年間(2029年半ばまで) |
ISO9001が改訂される背景・理由

品質マネジメントシステムの国際規格であるISO9001が改訂される背景・理由として、一度制定されたら終わりではなく、社会や技術の変化に合わせて定期的に見直される仕組みとなっている点が挙げられます。今回の改訂も、現代の企業活動に合った規格へとアップデートすることが目的です。
ここでは、ISO9001が改訂される主な背景・理由を3つの観点から解説します。
2015年版から10年が経過しビジネス環境が変化
ISO9001改訂の大きな理由は、2015年版の発行から約10年が経過し、ビジネス環境が大きく変化したことです。
この10年で、企業を取り巻く環境は大きく変わりました。
グローバル化やサプライチェーンの複雑化、働き方の多様化などにより、品質マネジメントに求められる役割も高度化しています。
そのため、従来の枠組みでは対応しきれない課題が増えており、現代の実務に合った規格へと見直す必要が生じたためにISO9001改訂へとつながりました。
デジタル化・気候変動・AI規制への対応
近年では、DXの推進により、クラウドやAIなどの技術活用が進んでいます。一方で、それに伴うリスクや品質管理の在り方も変化しています。
また、気候変動への対応やサステナビリティの観点も重視されるようになっており、企業には環境・社会への配慮を含めた経営が求められています。
こうした流れを踏まえ、ISO9001でもデジタル技術や環境リスクなど、新たな要素を考慮した規格へのアップデートが検討されることとなりました。
ISO9001ユーザー調査で明らかになった課題への対応
ISO9001改訂は、実際の利用企業からのフィードバックをもとに進められています。
ISOでは規格の見直しにあたり、世界中のユーザーを対象とした調査を実施しており、今回は「規格の解釈が難しい」「実務とのギャップがある」といった課題が指摘されてきました。
これらの課題を解消するため、今回の改訂では、よりわかりやすく実務に適用しやすい規格へと改善される方向で検討が進められることとなりました。
【箇条別一覧】ISO9001:2026の主な変更点
ISO9001:2026では、気候変動・品質文化・リスク管理の明確化などが主な変更点として検討されていますが、現時点では最終確定ではなく、今後変更される可能性があります。
現在はDIS(国際規格案)段階をもとに議論が進められており、最終版(FDIS)で内容が調整される見込みです。
そのため、ここでは現時点で有力とされている変更点を箇条ごとに整理して解説します。
箇条4:気候変動対応の正式統合
箇条4では、気候変動に関する外部課題の考慮が明確に求められる方向で検討されています。
これまでISOは追補改正により「気候変動の考慮」を求めていましたが、ISO9001:2026ではこれが正式に規格本文へ統合される見込みです。
企業は、自社の事業活動において気候変動が与える影響やリスクを把握したうえで、品質マネジメントシステムに反映することが求められます。
箇条5:品質文化・倫理的行動の追加
箇条5では、トップマネジメントの役割として「品質文化」と「倫理的行動」の推進が明確化される見込みです。
品質方針を掲げるだけでなく、組織全体に品質を重視する文化を根付かせることや、不正防止・コンプライアンスの観点も含めたマネジメントが求められる方向です。
箇条6:リスクと機会の取り組みの分離・変更計画の要素追加
箇条6では、「リスク」と「機会」の取り扱いがより明確に区分される見込みです。
従来は一体的に扱われていた要素が整理され、それぞれに対する取り組みが明確化されることで、より実務に即した運用がしやすくなります。
また、変更管理に関する計画要素も追加され、組織変更やプロセス変更時の管理強化が求められる可能性があります。
箇条7:品質文化と倫理的行動への認識追加
箇条7では、従業員の認識として「品質文化」や「倫理的行動」が追加される方向です。
これにより、従業員一人ひとりが品質への責任を理解し、不正や不適切な行動を防ぐ意識を持つことが重視されます。教育・訓練の内容にも影響するポイントといえるでしょう。
箇条10:継続的改善の項番統合
箇条10では、「改善」に関する構成の整理・統合が検討されています。
これまで分かれていた改善関連の項目が整理され、よりシンプルでわかりやすい構成へと見直される見込みです。改善活動の位置づけが明確になり、実務への落とし込みがしやすくなることが期待されます。
2015年版との変更点の全体像【比較表】
ISO9001:2015とISO9001:2026(案)の主な違いを以下にまとめました。
| 項目 | ISO9001:2015 | ISO9001:2026(案) |
|---|---|---|
| 気候変動 | 明記なし(追補で対応) | 規格本文に正式統合 |
| 品質文化 | 明確な要求なし | 明示的に追加 |
| 倫理的行動 | 明確な記載なし | 要求事項として追加 |
| リスクと機会 | 一体的に扱う | 分離・明確化 |
| 変更管理 | 一部記載あり | 計画要素の強化 |
| 従業員の認識 | 品質方針・目標中心 | 品質文化・倫理意識も追加 |
| 改善 | 複数項目で構成 | 統合・簡素化の方向 |
このように、ISO9001:2026ではより実効性・組織文化を重視する方向性が見られます。
附属書Aにおいても大幅に拡充され、要求事項の第4~10章に沿う形で修正される見込みです。
ただし、繰り返しになりますが、現時点では最終確定ではないため、今後のFDISおよび正式発行の内容を確認しながら対応を進めることが重要です。
ISO9001改訂の移行スケジュール

ISO9001改訂後は、発行から約3年間の移行期間が設けられ、その間に新規格へ対応する必要があります。
2026年に予定されているISO9001:2026の発行後も、すぐに切り替えが必要になるわけではありません。一定の移行期間が設けられるため、その期間内に計画的に対応を進めることが重要です。
ここでは、予想される移行期限と対応イメージをモデルケースとして解説します。
予想される移行期限
ISO9001:2026の移行期限は、2029年頃まで(約3年間)になる見込みです。
ISO規格は改訂後、通常2~3年程度の移行期間が設けられるため、今回も同様に約3年間となる可能性が高いとされています。
現時点のスケジュールを整理すると、以下のとおりです。
| 項目 | 時期(目安) |
|---|---|
| 新規格発行(ISO) | 2026年9月頃 |
| JIS規格発行 | 2026年末〜2027年前半(見込み) |
| 移行開始 | JIS発行後に本格化するケースが多い |
| 移行期限 | 2029年頃(約3年間) |
この期間内に新規格へ移行しない場合、旧規格(ISO9001:2015)の認証は失効する可能性があります。
特に日本企業の場合、実務上はISO原文ではなくJIS(JIS Q 9001)を基準に運用しているケースが多いため、JIS版の発行を待ってから対応を開始する企業が一般的です。
そのため、JIS版が発行されるまでは情報収集や影響分析を進めておき、JIS発行後にスムーズに移行できる体制を整えておくことが重要です。
改訂移行のモデルケース
ISO9001改訂への対応は、一般的に以下の流れで進めるとスムーズです。
| フェーズ | 内容 | 時期イメージ |
|---|---|---|
| 情報収集 | 改訂内容の把握(ISO段階) | 2026年9月〜 |
| 分析・計画 | ギャップ分析・対応方針の策定(JIS発行後) | 2027年前半 |
| 構築・見直し | 文書・運用ルールの修正 | 2027年後半 |
| 運用 | 新ルールでの運用(最低3か月以上) | 2027年〜2028年 |
| 審査 | 移行審査の受審 | 2028年〜2029年 |
特に重要なのは、「いきなり審査を受けるのではなく、一定期間運用してから移行審査を受けること」です。これは、実効性のあるマネジメントシステムとして評価されるために不可欠なプロセスです。
ISO9001改訂前に取るべき3つの対応とは?

ISO9001改訂前に取るべき対応は、最新情報を取り入れること、現行マニュアルを見直すこと、文書やプロセスのスリム化を図ること、の3つです。
ISO9001が改訂されてから移行準備を始めると、組織全体が混乱してしまう可能性があります。スムーズに新規格への適合を進めるには、事前の準備が大切です。
ここでは、ISO9001が改訂される前に、特にやっておきたい3つのポイントについて、具体的な対策方法とともに解説します。
最新情報を取り入れる
ISO9001の改訂内容は、多くのWebサイトで公表されています。そのため、最新情報を常に確認しておくことが重要です。
事前に変更内容を把握しておくことで、改訂後に必要な対応や教育計画を事前に検討できます。
情報収集の手段としては、ISO公式サイトや国内の認証機関、ISOコンサルティング会社のWebサイトがおすすめです。
現行マニュアルの見直し
改訂に向けて、現行の品質マニュアルや手順書の内容を整理しておきましょう。
特に、長年にわたってISO運用を継続している場合、形骸化していたり、現状に合っていなかったりする可能性もあります。
現状のマニュアルと現業務とのギャップを把握し、現状の業務に適した内容かどうかを見直します。事前に確認することで、改訂後の修正作業を効率化できます。
文書・プロセスのスリム化
改訂前の段階で文書やプロセスのスリム化を進めておくと、移行後の運用がスムーズになります。冗長な手順や古い文書を整理することで、改訂後の作業や業務への移行を効率的に実施できます。
自社だけでのスリム化が難しい場合、「文書・帳票などのスリム化」をサポートしているコンサルティング会社への相談がおすすめです。
ISO9001改訂後に企業が対応すべきこととは?

仮に2026年9月にISO9001が改訂された場合、組織はどのように対応すべきなのでしょうか。これまでのISO9001改訂時の対応を目安にして、改訂後に組織が対応すべき内容をまとめました。
1.改訂内容の把握と影響範囲の特定
改訂後は、まず最新のISO9001規格(正式版)を入手し、変更点を正確に把握することが重要です。
どの条文が追加・変更されたのか、既存のマニュアルやプロセスにどの程度影響するのかを明確にします。特にリーダーシップやリスク・機会管理、資源管理といった項目についての改訂内容が明示されているため、影響範囲を詳細に特定しておくことが効率的な対応につながります。
2.現行のマネジメントシステムとのギャップ分析の実施
改訂内容を把握したら、現行のマネジメントシステムとのギャップ分析を行います。
項目ごとに「対応済みか」「追加対応が必要か」を整理し、必要な改善や変更の優先度を明確化します。
3.文書・手順書・記録類の改訂
ギャップ分析の結果に基づき、マニュアルや手順書、作業指示書、記録類などを改訂します。
その際、条文や注記の変更に合わせて文書を更新することで、移行審査時に改訂内容に適合していることを証明できます。
4.改訂版への移行申請と審査対応
文書改訂と社内運用の準備が整ったら、認証機関に対して改訂版への移行申請を行います。
その後、移行審査を受け、新規格に沿ったマネジメントシステムで運用されていることを認証してもらいます。
こうした対応を取る必要性を考えると、審査を受ける1年程度前から改訂の対応を始めることで、余裕をもって新バージョンに移行できるでしょう。
まとめ
この記事ではISO9001:2015の改訂における最新情報をまとめました。
まだ改訂内容や改訂時期は明確ではないものの、2026年9月を目安にISO9001が発行される見込みです。
改訂後にスムーズな対応を実施するために、最新情報を定期的に確認したり、現状の課題について見直したりすることが大切です。
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