ISO14001には組織を管理するために必要な要素が書かれている
ISO14001はEnvironmental Management System、すなわち環境マネジメントシステムのことです。組織を管理するために必要な要素がすべて書かれているISO14001ですが、具体的にどのようなものなのかをご存じの方は少ないでしょう。ここではISOのなかでも、組織管理を適切に行うための14001について詳しく見ていきたいと思います。
14001の内容について
冒頭でもご説明したように、ISO14001とは環境マネジメントシステムのことを指しています。その企業を取り巻く地域住民や利害を受ける関係者、水や空気といった自然に存在するものなどすべてに対し企業が与えている影響を明確にし、仮に悪影響を与えているのなら改善を行い問題解決に向けて行動するためのシステムを構築する、ということです。なお、ISOというのは国際標準化機構のことで、国際的な基準となる国際規格を策定している非政府組織となりますが、国際標準化機構が出版した規格などについてもISOと呼ぶことが多いです。
企業が環境に大きな影響を与えるわけにはいきませんし、現代において工場排水をそのまま河川などにたれ流したり、建設現場で発生した産業廃棄物を自然界にそのまま放置するようなことは絶対に許されていません。数十年前までは多少大目に見られていたことなども現在では大目に見てはもらえなくなりましたし、それだけ地球環境のことを考える世の中に変化しています。これは日本だけでなく世界に目を向けてもそのような動きが活発化していますし、今後はその動きがより顕著になることが考えられます。
この認証を取得することによって、環境保全に貢献している企業とみなされるようになります。先ほども少しお話したようにISO14001は地球に対する環境影響を考え、環境に配慮するためのシステムを作ることですから、認証を受けている企業ということは地球環境のことをしっかり考えている会社、環境保全に貢献している会社として認識されるようになるのです。これは企業として大きなメリットですし、このメリットのために認証を取得する企業も少なくありません。
運用のプロセス
ISO14001が具体的にどのように運用されているかということですが、まずは環境方針の設定を行います。自社における企業活動が現状において環境にどのような影響を与えているかということをリサーチしなくてはなりませんし、将来与えるかもしれないと考えられる影響を洗い出していきます。環境事故が起きる可能性についても吟味し、どのくらいの頻度で起きるか、事故が起きたときどのような影響が予想されるかといった部分にも踏み込んで調査を行います。
その後組織運用における管理方法の決定を行い、特定したリスクに対するルールを決めていきます。運用が実際に始まったあとには何度も見直しを図り、ルール通り行われているかどうかのチェック、もしルールに則って行われていない場合には改善するというプロセスを繰り返します。環境方針の設定とリスクアセスメント、運用、見直しというサイクルを繰り返すのが基本ですから覚えておきましょう。
その本質について
ISO14001について説明をしてきましたが、ここまで目を通していただいた方の中には「なるほど、14001というのは組織による環境活動のことなんだな!」と思われた方もいるかもしれません。しかし、それは厳密には正しくありません。ISO14001では環境活動そのものを推奨したり、それだけを評価するようなことはしていないのです。目に見える環境活動は確かに大切ですが、目に見える環境活動のみを行うのが14001というわけではないのです。ここはきちんと理解しておきましょう。
結果に注目するのではなくプロセスが重要なのです。発生してしまったものを環境に影響を与えることなく処分することではなく、環境に悪い影響を与えるような物質を出さないようにする仕組みを作ること、これがISOの考え方と言えるでしょう。そのためのシステム作りを進めていくのです。使い終わった紙などをリサイクルするのも地球環境のことを考えた行動ですが、そもそも用紙の使用が少なくなるようなシステムを構築できていればさらなる環境への貢献に繋がることは想像できるでしょう。このように、企業活動の中でいかに環境に悪影響を及ぼさない仕組みを創り上げていくか、ということを考えていくのが本質と言えるでしょう。
まとめ
ISO14001についてご説明しましたが、ただ環境のことだけを考えればそれで良いというわけではありません。いくら環境のことを考えてもそれで企業としての十分な利益を得られなくなったり、企業活動が難しくなるようであれば本末転倒です。このあたりのバランスについてもきちんと考える必要がありますし、環境に優しくても経営が厳しい企業にならないために気をつけなくてはなりません。
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