OHSASとは?概要を分かりやすく解説
近年の日本では、働き方改革関連法の施行など、政府の動向も後押しして労働問題が顕在化し始めました。2019年からは有給休暇消化の義務化などが全事業者を対象として義務付けられるなど、企業の負担が増すばかりですが、それでも「労働安全」は企業の義務であり、今後も無視することはできない問題です。
そのような時流の中で、労働安全衛生マネジメントシステムというものに関心が集まっています。——今回は、労働安全衛生マネジメントシステムの規格 であるOHSASについて解説していきたいと思います。
OHSASとは
OHSASとは、Occupational Health and Safety Assessment Seriesの略称で、労働安全衛生マネジメントシステムに対する規格のことです。正式にはOHSAS 18001と呼ばれます。
OHSASは、企業で働く人 々の身体的・精神的健康を守るためのマネジメントシステムを構築する基準のような役割を持っており、企業OHSAS 18001が求める要求事項に従ってマネジメントシステムを構築することで組織の労働安全衛生水準を継続的に改善していくことが可能になります。
——もちろん、OHSASを用いてマネジメントシステムを構築しなければ、労働安全衛生水準が改善されないわけではありませんし、OHSASを用いたからといって、必ず最適な労働安全衛生マネジメントシステムを構築することができるというわけではありませんが、企業が円滑にマネジメントシステムを構築する上で一助となります。
マネジメントシステム規格って?
——さて、ここまで読んでいただいて、「労働安全衛生マネジメントシステムに対する規格って何?」と思っている方もいらっしゃるかもしれませんので、簡単にマネジメントシステム規格というものについて解説しておきましょう。
——そもそもですが、マネジメントシステムとはどのようなものでしょうか?それは、「会社のルールや業務マニュアル、部署の決めごとのような会社を経営していく上で、ある目標を達成するためにある仕組み」のことを言います。
また、規格とは、「標準化されたもの」のことを言います。——つまり、マネジメントシステム規格とは、「標準化された会社の仕組みやルール」ということになります。——簡単に言えば、枠組みやフレームワークのようなものです。
OHSAS 18001に当てはめれば、OHSAS 18001とは、「労働者、従業員の労働安全衛生水準の向上」という目標を達成するための「組織の仕組み」を作り上げる「枠組み」なのです。
なぜ規格があるのか?
OHSASだけでなく、他のマネジメントシステムにも規格というものが存在します。例えば、顧客満足を向上させるための「品質 マネジメントシステム」や、食品関連事業者のための「食品安全マネジメントシステム」は代表的なものです。
こういった規格には、どのような企業にも当てはまるような「要求事項」というものがあり、これはマネジメントシステムを構築する上でとても便利なマネジメントツールになります。
ただし、「従業員が高所から落下すると危ないから丈夫なハーネスをつけなさい」といったように、具体的な管理策が記載されているわけではありません。こういったマネジメントシステムの規格には、もっと上位のレイヤー(例えば、どのように安全衛生水準を改善していくか)といったことが記載されており、そういったことが要求事項に記載されているのです。
ですから、マネジメントシステム規格は多くの企業にとって有効なマネジメントツールとなるのです。
OHSAS 18001はISO45001に取り替わった
さて、そんなOHSAS 18001ですが、2018年の3月12日に発行されたISO45001に取り替わることが決定しました。現在OHSAS 18001を取得している企業も、2021年の3月までにISO45001に移行する必要があるのです。
ISO45001とは、OHSASと同じ労働安全衛生マネジメントシステムに関する規格のことで、国際標準化機構(ISO)によって発行された規格です。ISOといえば、品質マネジメントシステム(ISO9001 )や情報セキュリティマネジメントシステム( ISO27001 )、 環境 マネジメントシステム(ISO14001)など様々なマネジメントシステム 認証 を発行している非営利団体です。
つまり、今後OHSASの認証を受けることはできなくなってしまいますので、労働安全衛生マネジメントシステムの認証を取得しようと検討中の場合はISO45001の取得を目指すのが良いでしょう。
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