HACCPシステム構築の手順 第1講座 食品安全の基準HACCPへの取組

投稿日:

ISOプロ担当者

最終更新日: 2019年08月02日

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食品安全の基準HACCP

食品安全の基準HACCPへの最初の取り組みは、宇宙開発において宇宙飛行士をバクテリアや化学物質、物理的危害から守る、宇宙飛行士の安全確保のために1960年代にNASAによって食品安全の基準HACCPの原形が開発されたことに始まりました。

1989年、米国食品微生物基準諮問委員会がこの食品安全の基準HACCPの原形を7原則に体系化しましたが、さらに1997年に、FAO/WHO 合同コーデックス委員会がHACCPシステム7原則を12手順に統合しました。

その後2003年、ISOはこのHACCPシステム7原則12手順とISO9001:2000とを統合するための指針をISO15161として策定して規格化を進め、食品安全システムの規格ISO22000が2005年9月に国際規格として発行して、食品安全の基準HACCPは国際規格になっています。

HACCPシステム7原則12手順

HACCPシステム7原則12手順は、システムを企画し、実行し、継続的に更新し、評価することを要求しました。このシステムは食品危害を最終検査よりも早い時点で、予防活動によって除去するものです。つまり、HACCPシステムは食品安全のための予防システムなのです。

HACCP システムは体系的に構築する必要があります。
そのためにコーデックス委員会は 7 原則のための12手順のステップを示しているのです。

7原則

  1. ハザード分析
  2. 重要管理点=CCP の設定
  3. 管理基準=許容限界の設定
  4. CCP に対するモニタリング方法の設定
  5. 是正処置の設定
  6. 文書化及び記録の維持
  7. 検証方法の設定

12手順

  1. 食品安全チーム
  2. 製品の特性
  3. 意図した用途
  4. フローダイアグラム
  5. 工程の段階及び管理手段の記述
  6. ハザードの明確化及び許容水準の決定
  7. ハザード評価、管理手段の選択評価
  8. オペレーションPRPの確立
  9. HACCPプラン
  10. 管理手段の組合せの妥当性確認
  11. 検証プラン
  12. 文書化、事前情報及び文書の更新

この手順に沿って、以下のようなコンテンツでISO22000:2005の要求事項に従って、HACCPシステム構築について説明します。

  1. 製品の特性、意図した用途の記述
  2. フローダイアグラムの作成
  3. 工程の段階及び管理手段の記述
  4. ハザードの明確化及び許容水準の決定
  5. ハザード評価、管理手段の選択評価
  6. OPRP、HACCP各プランの作成、管理手段の組合せの妥当性確認
  7. 検証プランの実施
  8. 文書化、事前情報及び文書の更新
  9. 是正処置の実施と有効性の確認
  10. まとめ

前提条件プログラム=PRP

HACCPシステム構築の前提として、一般衛生管理の前提条件プログラム=PRPがあります。
PRPを確立する時は、作業環境からの、製品への食品安全ハザード混入の起こりやすさ、製品間の交差汚染を含む、製品の微生物的、化学的及び物理的な潜在的汚染、そして製品及び製品加工環境における食品安全ハザードの水準、それらを管理するプログラムを作成します。それは食品安全に関する自社の必要性に対して、また自社の作業の規模及び種類、製造するまたは取り扱う製品の性質にとって適切であり、かつ適用するプログラムとして生産システム全体で実施するものでなければなりません。

基本は作業場の建物及び構内、ガラスと木、輸送、害虫駆除、公衆衛生、個人衛生の基本6項目の管理です。

1) 基盤構造/作業場構内

浸水性がなく、拭き掃除ができ、ひび割れのない工場。交差汚染を防ぐための移動径路。充分な換気。適切な照明。防虫対策。

2) ガラスと木

ガラスと木は生産区域内で使わない。鋭い金属片は除去する。

3) 輸送

温度と湿度管理。到着時の製品及び輸送記録検査。輸送中の製品の取扱いに関する適切な手続き。

4) 害虫駆除プログラム

微生物学的危害を与える害虫を除去するために必要。一般的には、害虫が構内に入るのを防止するために扉と窓は閉められ、指定場所に駆虫剤を置く。

5) 公衆衛生

適切な公衆衛生施設。生産施設から離れている、完備されたトイレ。洗面台などの適切な設置。充分な換気。

6) 個人衛生

微生物学的汚染を防ぐための、全職員に対する個人衛生教育の実施。個人衛生記録の維持。食品の汚染を起こす潜在的な病気の事例の情報提供。従業員の誰かがが感染した傷、皮膚感染、下痢などの症状のあった場合の、生産区域からの隔離処置及び報告。

PRPを選定し確立するためには、コーデックス委員会の原則類及び実施規範類、並びにセクター規格、ISO/TS22002等の適切な情報を得てそれらを考慮し、利用します。製品特性により清浄度など管理の厳しさに程度が異なります。
このプログラムを確立するにあたっては下記の事項の安全性を考慮します。

  • a) 建物並びに関連設備の構造及び配置について。
  • b) 作業空間及び従業員施設を含む構内の配置について。
  • c) 空気、水、エネルギー及びその他のユーティリティの供給源について。
  • d) 廃棄物及び廃水処理を含めた支援業務について。
  • e) 設備の適切性、清掃・洗浄、保守及び予防保全のしやすさについて。
  • f) 購入した資材、供給品、廃棄及び製品の取扱いの管理について。
  • g) 交差汚染の予防手段について。
  • h) 清掃・洗浄及び殺菌・消毒について。
  • i) そ族及び昆虫の防除について。
  • j) 社員の衛生について。
  • k) その他の側面について。

PRPの検証を計画し、PRPを必要に応じて修正し改善します。検証及び修正の記録は維持し、確立したPRPの維持に必要とする例えば入室手順書などの文書は作成します。
こうした一般衛生管理はすでに食品衛生法に則ってある程度は整備され、履行されていることと思います。しかしギャップ分析により不充分な部分は修正する改善の計画を作成して、順次改善を進めなければなりません。

HACCPシステムを構築

そして食品安全HACCPシステムを構築するにあたっては、ハザード分析の準備段階に作成しなければならない調査文書があります。
ISO22000:2005規格の7.7で必要な場合には更新を要求している文書を含む各文書で、①現存PRPの検証(チェックシートで実施)の記録、②ハザード分析に必要なプロセスに関する全ての関連情報(プロセス解析)、③製品の原料、材料及び製品に接触する材料の特性分析、④最終製品の特性分析と意図した用途・使用者グループ、⑤現存のフローダイアグラム、⑥現存工程の各段階及び管理手段の記述(プロセス解析)、です。これらの調査結果に基づいて⑦全てのハザードを洗い出し可能性を検討、⑧ハザードを抽出、それぞれのハザードのリスクを評価、管理手段を評価判定します。
この作業が食品安全のハザード分析になります。
この作業は食品安全チームのワークショップでの共同作業で実施します。作成された調査結果と分析結果の「成果物」は社員への説明や社員の食品安全教育にも使用できます。

この記事の著者
清水正敏(ISO マネジメントシステム構築運用コンサルタント /ISO 品質システム&食品安全システム審査員)
平成15年ISO品質システム審査員登録、平成20年からQMS 審査員としていくつかの審査機関の審査に従事。システム論と問題解決技法とを統合したマネジメント手法によるマネジメントシステム構築と運用の支援を標榜し、コンサルタント及び研修講師、審査員を勤める傍ら、取材・文筆など多方面で活躍。主な著書は『竹輪の頭はどっち?!』(メタブレーン)『ISO 審査革命』(オンブック)など。

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