製造業でのISO9001認証制度が普及した背景
現在では製造業に関わる多くの企業がISO9001(品質マネジメントシステム)の認証取得を検討していますし、既に認証を取得している企業も数多く存在し、更新審査を受け継続しています。
どうしてここまで製造界で国際規格 ISO 9001の認証を取得する企業が増えたかについては諸説ありますが、ここではISO9001 についての基礎的な知識をはじめ認証制度が普及した背景についてお話しましょう。
ISOについて知る
製造の世界でどうしてISO9001(品質 マネジメントシステム)の認証制度が普及したのか、その背景が気になるという方もいるでしょうが、まずはISO規格要求について知っておきましょう。
ISOは企業としてのルールを明確に文書化 し、定められたルールに則って製造プロセスや製品、サービスが管理されていることを第三者に証明してもらうという第三者審査認証 です。第三者とはISO審査機関のことを指しますが、この審査機関から審査を受けて「この企業なら安心」という証明をもらうということ、国際基準に基づいた要求に適合した組織であるということです。そして社会や顧客から信頼を得られるというでもあります。
ISO規格(品質や環境など)はルールや基準を作ってそれを守り、しっかりとルールが守られているかの確認、改善を繰り返します。
ルールを作るplan、実施のdo、検証のcheck、改善のactionという四つのシンプルなサイクル環境になっていることが特徴の一つと言えるでしょう。ただ、ISO規格では企業に具体的な行動を要求したりはしておらず、「これをしなさい」「あれをやりなさい」という内容は一切ありません。
あくまで各会社組織で決めた目標を実現するためのシステムを構築しなさい、という要求を行っているだけです。
このような性質があるため同じ製品製造関連の企業でも会社組織単位で取り組み方は大きく異なります。まったく同じ製品を製造している企業がISO9001(品質マネジメントシステム)の審査認証を受けたとしても、まったく異なるシステムが構築されるということも珍しくありません。
認証を受けようとする理由
ここまでISO9001(品質マネジメントシステム)の認証取得が普及した背景はいろいろと考えられますが、一つにはメリットが多いからということが挙げられます。品質マネジメントシステムを構築していることを審査機関に適合監査、認証してもらうことで企業として社会から信頼を得ることができますし、それを対外的にアピールすることが可能となります。これは企業にとって大きなメリットと言えるでしょう。
消費者としては、不良製品などにより信頼できない企業よりも、少しでも信頼のおける企業からモノやサービスを購入したいと考えるはずです。
実際、ISO9001の認証を受けることによるマーケティング上の恩恵を期待して、認証審査を検討するような企業も少なくありません。品質マネジメントシステムを構築している企業である、ISOの認証を受けているというのは一つのセールスポイントとなりますし、その事実をマーケティングに応用することは十分可能です。
製造の世界で活躍している企業の建物にでかでかとISOの認証を取得している旨を記載しているところもありますが、こうした理由があるからです。
また、認証を受けることによって製品不良率の減少やコスト削減、返品率の低下といった効果も期待できます。製造関連の事業を展開している企業にとって不良率の減少やコスト削減、返品率を低下させることは重要なことですし、こうしたオペレーションの成績に対する効果を期待して認証を検討する企業も多いです。
第三者、つまり審査機関に監査してもらうことにより、顧客要求に適合していないことなど、自社では気付かないことを教えてくれます。定期的な監査を行い、組織として定期的に改善していく環境が整います。
品質に対する消費者のこだわり
ISO9001(品質マネジメントシステム)を取得しようとする企業組織が増えた理由の一つとして消費者が品質に強いこだわりを持ち始めた、ということも挙げられるのではないでしょうか。もちろん、これまでもモノやサービスの品質にこだわる方はたくさんいたかもしれませんが、通信技術の発達によってインターネットが広く普及し、現在ではあらゆる情報を簡単に手に入れることができるようになりました。
インターネットの利用率が高まり誰もが簡単にリサーチができるようになりましたし、品質に関する情報なども容易に手に入るようになったのです。
いろいろな情報を簡単に手に入れることができるようになり、モノやサービスの品質という部分に注目し始めた方が増えたのもISO9001の認証を取得しようとする企業が増えた理由の一つであると考えられます。
また、ISOは国際標準化機構による国際基準ですから、海外への事業展開を考える企業にとっても必要不可欠なものと言えます。ますますグローバル化が進む日本においてはこれからもたくさんの企業が海外に進出しようとするでしょうし、世界を相手にビジネスを展開しようとする企業もたくさん出てくるでしょう。
世界の土俵で戦うためや新規顧客を開拓するため、社会から信頼を得られるため、国際標基準となるISO規格認証が必要になるということです。
まとめ
ISO9001(品質マネジメントシステム)が製造の世界で広がった理由などについてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。もちろん、ここに記述したこと以外にもさまざまな理由が考えられますが、概ねここに記載した内容で間違いはないでしょう。
今後はさらに認証取得を検討する企業が増えるでしょうし、モノやサービスの品質に気を配る企業が増加すると予想できます。
ISOプロでは月額4万円から御社に合わせたISO運用を実施中
ISOプロではISO各種の認証取得から運用まで幅広くサポートしております。
また、マニュアル作成など御社に合わせたムダのない運用を心がけており、既に認証を取得しているお客様においてもご提案しております。
サポート料金においても新プランを用意し、業界最安級の月額4万円からご利用いただけます。
こんな方に読んでほしい