【図解】パレード図の使い方について
品質 管理では、様々な図表やグラフを用いて分析を行いますが、パレート図 もその中の一つです。今回は、QC7つ道具の一つでもあるパレート図の活用方法について解説していきたいと思います。
パレート図とは
パレート図とは、降順にプロットされた要因を表す棒グラフと累積構成比を表す折れ線グラフを組み合わせた複合グラフのことです。品質管理においては対策すべき要因の優先順位出しに用いられることが多いです。
品質管理においてパレート図は、x軸に不良の原因などが並べられます。例えば、以下のような要因が並ぶことになるでしょう。
- 実装不良
- 印刷ズレ
- 異物混入
- セットミス
- システムエラー
このX軸には、要因の中でも頻発順(不良の原因となった件数順)に並べられることになります。Y軸はその要因の件数、そして累積比率が並べられます。累積比率とは、全体の不調の中で、これまで登場した要因がどれくらいの割合を占めるのかということを表したものです。
つまり、パレート図を見ることで、以下のようなことがわかります。
- 大きな要因順につぶしていけば、どの程度まで不良品率を低減できるか
- どの要因から先に対策を行うべきか(優先順位付け)
- 少ない対策でどの程度の大きな効果が見込めるか
ISO9001におけるパレート図の活用方法
品質マネジメントシステム 規格 である ISO 9001の要求事項の中では、「パレート図を用いなければならない」ということが明確に規定されているわけではありません。つまり、パレート図を用いることは要求されていないのです。
しかし、以下のような場合にはパレート図を用いることで適切にマネジメントシステムを運用することができるようになるでしょう。
品質目標を決定する
品質目標とは、品質方針 と整合した定量的な目標のことです。品質マネジメントシステムにおいては、「全てのリスクを洗い出し、そのリスクに対応しなければならない」ということを規定しているわけではありませんので、そのリスクに対策を講じるのか、あるいはリスクを受け入れて保有するのかということは、事業者の判断に委ねられます。
ISO9001は、ある意味でこのような合理的な意思決定の枠組みを提供しているといっても過言ではありません。――そんなISO9001によるマネジメントシステムを効率的に運用するためには、やはりリスクを把握した上で優先順位を決定し、合理的な品質目標を設定することが求められるでしょう。
活動レビューを行う
ISO9001では、品質目標に基づいて計画された活動がどのように品質に対して影響を与えたかをレビューする必要があります。このレビューは、信頼できるデータによって行われる必要があります。
「いやぁ、品質活動をやって、何かわからないけど良くなった気がするよ!」なんてレビューは何の意味も持ちません。「前年のパレート図を見比べると、どの部分の数値が改善しており、逆にこの数値が上昇したから…」という建設的なレビューを行ってこそPDCAサイクルを回し継続的改善を実行することができるようになります。
パレート図やその他のグラフを文書化しておき、過去のデータと現在のデータを比較することは、レビューに大いに役立つことになるでしょう。
リスク対応の意思決定
ISO9001では、現在ある問題だけでなく予防措置という考えのもと、起こりうる可能性のあるリスクにも対応していくことが求められます。そのリスクがどの程度の大きさで、どれくらいの頻度で発生するのかということは、パレート図を見ながら合理的な判断を行うことができます。
まとめ
今回は、ISO9001におけるパレート図の活用方法について解説してきました。データを可視化し、顕在化しているリスクや潜在的なリスクに対応することは、日本企業が長年囚われ続けてきた「経験と勘による経営」からの脱却にも繋がります。
パレート図を有効活用して、品質活動に活かしていきましょう。
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