FAQISO14001の改訂に関するよくある質問

  • ISO14001はいつ改訂されますか?

    ISO14001:2026の正式発行は、2026年4月となる見込みです。

    ISOプロ編集部

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  • ISO14001の改訂でどういったところが変わるの?

    今回のISO14001の改訂で注目するテーマは、気候変動への考慮が「必須の検討事項」になった点、環境方針に「天然資源の保護」の誓約を追加になる点、ライフサイクル思考・サプライチェーン管理を強化される点などが挙げられます。

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深刻化する地球環境問題において、組織は環境への負担を低減し、リスクを抑制することが社会的責任として求められるようになっています。世界中で持続可能な社会の実現に向けて取り組まれていますが、その際に活用できる仕組みにISO14001(環境マネジメントシステム)があります。

ISO14001は、世界情勢や社会的なニーズの変化、技術の進歩などによって改訂されます。最近では2015年に改訂され、2026年にも改訂予定であるという情報も出ています。

そこで、この記事では2026年1月現在のISO14001改訂における最新情報をわかりやすく解説します。

ISO14001は「2026年4月」に正式改訂!

環境マネジメントシステムの国際規格であるISO14001が、約10年ぶりに改訂されます。ISO14001:2026の正式発行は、2026年4月となる見込みです。

前回の改訂(2015年版)から時間が経過し、気候変動対策や循環型経済への対応など、企業を取り巻く環境は大きく変化しました。今回の改訂は、これらの最新動向をマネジメントシステムに反映させる重要な節目となります。

現在の進捗状況・改訂スケジュール

ISO9001改訂のステップ

ISO規格の改訂は、提案から発行まで6つのプロセスを経て行われます。2026年1月現在の最新状況は以下の通りです。

1提案段階(NP:新業務項目提案)完了
2作成段階(WD:作業原案)完了
3委員会段階(CD:委員会原案)完了
4照合段階(DIS:国際規格案/投票用委員会原案)完了
5承認段階(FDIS:最終国際規格案)現在進行中:2026年1月~3月予定
6発行段階(IS:国際規格)2026年4月予定

現在は、最終的な規格案(FDIS)のとりまとめが行われている段階です。順調に進めば、2026年の春には新しいISO14001が発行されることになります。ただし、国際会議の進行により予定が変更される可能性があるため、定期的な情報確認が欠かせません。

いつまでに新規格への移行が必要?

ISO14001の新規格への移行は、2029年4月頃までに移行を完了させる必要があります。通常、ISO規格の改訂時には「3年間の移行期間」が設けられており、期間内に移行審査の受審が必要です。

具体的なスケジュールは以下のとおりです。ただし、2026年1月現在の予想であるため、あくまで参考程度にご覧ください。

  • ISO 14001(国際規格)発行:2026年4月(予定)
  • JIS Q 14001(日本規格)発行:2026年後半 〜 2027年頭(予想)
  • 移行完了期限:2029年4月まで

日本国内の企業の多くは日本語版である「JIS Q 14001」に準拠していますが、JISの発行はISOより半年ほど遅れるのが通例です。そのため、JISの発行を待ってから動き出すと、準備期間がその分短くなるため、早めに移行準備を進めることが重要です。

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今回のISO14001改訂の背景

ISO14001が約10年ぶりに改訂される背景には、企業に求められる環境責任のあり方が大きく変化したことがあります。主な動機は以下の3点です。

  • 地球規模の課題への対応:気候変動や生物多様性の喪失など、2015年版の発行以降に深刻化した課題を規格に反映させるため。
  • 社会的な期待の拡大:自社内だけでなく、サプライチェーンや製品ライフサイクル全体を通じた環境管理が不可欠となったため。
  • 経営との一体化:環境への取り組みと、企業の経営戦略やリスクマネジメントとの連動性を高めるため。

今回の改訂は、こうした時代の変化に規格を適合させ、より実効性の高いマネジメントシステムへと進化させることを目的としています。

【重要】ISO14001改訂で何が変わる?主な変更点

今回の改訂は、現行の2015年版をベースに、近年の急激な環境変化に対応するための要素を付け加えたものです。

ここでは、ISO14001の改訂内容について解説します。

改訂の基本方針と全体像

今回の改訂は抜本的な構造変更ではなく、2015年版を現代の環境課題に合わせて「補完・強化」するものです。

具体的には、これまでの環境マネジメントシステムの枠組みは維持しつつ、気候変動や生物多様性、ライフサイクル思考といった要素をより明確に要求事項へ組み込みます。

参考:ISO/TC 207/SC 1(外部リンク)

【箇条4】組織の状況と適用範囲の明確化

組織の外部・内部課題に「気候変動」などの具体例が追加されるとともに、マネジメントシステムの適用範囲の決定には「ライフサイクル視点」を考慮する必要があります。

4.1:組織の状況理解における環境課題(気候変動等)の具体化
外部・内部の課題例として「汚染レベル、天然資源の利用可能性、気候変動、生物多様性又は生態系の健全性など」の例示が具体的に追加されました。
4.2:利害関係者のニーズ・期待における環境課題の明示
顧客や投資家、地域社会といった関係者が何を求めているかを整理する際にも、4.1と同様の環境テーマ(気候変動や資源保護など)を念頭に置くことが求められます。
4.3:適用範囲決定時のライフサイクル視点の追加
環境マネジメントシステム(EMS)を適用する範囲を定める際、今回から「ライフサイクルの視点」という条件が加わりました。
材料の調達から使い終わった後の処理まで、自社が影響を与える範囲をライフサイクルの各段階で把握し、適用範囲を確定させるプロセスが求められます。

【箇条5】リーダーシップと環境方針の強化

経営層の役割は「管理層」だけでなく「組織全体へのリーダーシップ」へと広がり、環境方針には「天然資源を守る」という姿勢を明確に打ち出す必要があります。

5.1:リーダーシップにおける組織全体の支援
トップマネジメントによる支援対象の定義から、これまでの「管理層」という限定的な言葉が削除されました。
これは、役職の有無にかかわらず、各現場の担当者がリーダーシップを発揮できるよう、組織全体をサポートする姿勢を経営層に求めた変更といえます。
5.2:環境方針における「天然資源の保護」の追加
環境保護への取り組み例として、新たに「天然資源の保護」が明示されました。
水や森林、化石燃料といった資源をどのように扱うか、自社の意思を方針の中に明確に組み込むことが期待されています。

【箇条6】計画(リスク及び機会)の見直し

リスク管理と変更管理のプロセスが独立し、環境側面・影響を評価する際には「ライフサイクル全体」の視点がより強く求められるようになりました。

6.1:リスク及び機会、変更管理の章構成の見直し
リスク及び機会に関する項番が整理され、新たに「変更の計画策定及びマネジメント(6.3)」が新設されました。
これにより、リスク及び機会、変更管理をより計画的に管理する仕組みづくりが求められます。
6.1.2:環境側面のライフサイクル視点の注記追加
環境側面を評価する際の注記に、ライフサイクルの各段階(原材料の取得、設計、製造、輸送、使用、廃棄)が具体的に示されました。
製品が生まれてから捨てられるまでの各工程で、どのような影響があるかを見極めたうえで、環境側面・環境影響の評価をすることが求められます。

【箇条8・9】運用の管理とパフォーマンス評価

緊急時の備えは「定期的な見直し」までが組織の責任となり、データは「分析」したうえで改善に活かすという考え方が鮮明になりました。

8.2:緊急事態対応の定期的なレビューの明確化
緊急時の対応計画は、一度策定して終わりではなく、定期的にその内容が妥当かどうかを検証(レビュー)し、必要に応じて改善することが義務付けられます。
訓練の結果や最新の法規制を反映させ、常に実効性のある状態を保つことが期待されています。
9.1.1:監視・測定への「分析」の追加
評価のプロセスに「分析」という言葉が加わった点が大きなポイントです。
数値を測定・収集するだけでなく、そこから傾向を読み解き、異常の早期発見や目標達成への改善につなげるための思考プロセスが求められます。
9.2.2:内部監査の「目的」の明確化
内部監査の実施にあたり、新たに「目的」の設定が明確化されました。
不備の指摘にとどまらず、「今年度は特にこのリスクを確認する」といった明確な狙いをもって監査を行うことで、システムの有効性をより高めることが狙いです。
9.3:マネジメントレビューのインプット要求(戦略との整合性等)の強化
経営層への報告(インプット)に関する表現が、「考慮する」から「含める」へと厳格化されました。
「検討すべき項目をすべてレビューの議題に含める→議論する→結果を記録に残す」という、透明性の高いプロセスが求められるようになります。

その他変更点と修正内容

その他にも、規格の実用性を高めるために全体を通して以下のような修正が行われています。

「文書化した情報」の表現の厳格化:「維持・保持」→「利用可能な状態」
規格解釈の誤解を避け、実態に即した運用を促すために、表現が変更されます。これは、記録を保管するだけでなく、「証拠として利用可能な状態にする」という表現に変わります。
これは、必要な時にいつでも情報が活用できる状態を保つことを重視した変更です。
附属書A(ガイダンス)の拡張
規格本文を補足する「附属書A」の内容がより詳細になります。
規格全体の文言修正と意味の明確化
各所で文言の追加や変更が行われました。

こうした変更によって要求事項の誤解を防ぎ、より正しく運用できる規格へとアップデートされる予定です。

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今回の改訂で特に注目すべき3つの重要テーマ

今回の改訂では、企業が向き合うべき環境問題の範囲が大きく広がり、より具体的かつ戦略的な対応が求められるようになります。

ここでは、今回の改訂で特に注目すべき3つの重要テーマについて解説します。

気候変動への考慮が「必須の検討事項」に

今回の改訂によって、気候変動は経営に直結する「リスクと機会」として、戦略的な管理が求められるようになります。

これまでは各企業の裁量に委ねられていた部分もありましたが、改訂後は気候変動の「緩和(温室効果ガスの削減)」と「適応(気候災害への備え)」の両面を、組織の状況やリスク評価のプロセスに組み込む必要があります。

環境方針に「天然資源の保護」の誓約を追加

環境保護の定義が「汚染の予防」から「自然資本・生物多様性の積極的な保全」へと拡大されます。

今回の改訂で最も象徴的な変化の一つが、自然資本(水・森林・鉱物など)や生物多様性への視点強化です。企業は、自社の活動が自然に与える排出・廃棄などのマイナスの影響を抑えるだけでなく、生態系の健全性や資源の枯渇といった「自然への依存関係」についても把握し、管理する体制が求められます。

ライフサイクル思考・サプライチェーン管理を強化

管理の対象が「自社の敷地内」から「バリューチェーン全体(調達から廃棄まで)」へと明確に拡張されます。

従来のライフサイクル思考が、要求事項において重視されるようになります。自社工場だけでなく、サプライヤー(調達)や製品の廃棄までを見越した環境管理が必須となります。アウトソーシングしている工程も含め、製品の一生に関わるすべてのステークホルダーと協力し、環境負荷を低減させる仕組みづくりがこれまで以上に重視されます。

改訂に向けて企業が準備すべき対応

ここでは、ISO14001改訂に向けて企業が準備すべき対応について解説します。

【今からできる】マニュアルの整理とスリム化

マニュアル・手順書などの文書と運用している内容を見直して、不要な部分や重複している記載を整理しておきましょう。例えば、長年使われていない手順や実務にそぐわない規定などを洗い出し、不要なものは削除したり、最新情報に更新したりします。

このように既存内容を整理し、スリム化することで、改訂後に修正すべき箇所が見つけやすくなり、スムーズな改訂対応につながります。また、見直し作業を通じて組織内の文書の一貫性が高まることで、内部監査や外部審査の際の準備がしやすくなります。

【発行後にやる】新規格での運用と実績づくり

新規格に合わせたマニュアル改訂を速やかに行い、移行審査までに新しいルールでの運用実績を積み上げます。

2026年に新規格が発行された後は、速やかにギャップ分析を行い、自社のマニュアルを新要求事項に適合させます。移行審査では「新しいルールで実際に運用されているか」が問われるため、審査の数ヶ月前には運用を開始し、運用記録を揃えておくことが不可欠です。

【審査前にやる】内部監査の実施

移行審査の「予行演習」として内部監査を実施し、新要求事項に対する適合性と運用の有効性を最終確認します。
外部審査を受ける前に、新規格に対応した内部監査を必ず実施します。

今回の改訂で追加された「内部監査の目的の明確化」に基づいて実施しましょう。例えば、「新しく定義したライフサイクル視点での環境側面評価が適切か」といったテーマを決めて監査を行う、といった具合です。

ここで見つかった不備をマネジメントレビューで報告し、是正処置を完了させておくことで、万全の状態で本番の移行審査に臨むことができます。

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ISO14001改訂に関するよくある質問

ここでは、ISO14001改訂に関して、多く寄せられる代表的な質問に回答します。

ISO14001改訂で具体的に何が変わりますか?

現在の環境マネジメントシステムの枠組みを維持しつつ、「気候変動への対応」と「ライフサイクル全体の管理」がより具体的に求められるようになります。
主な変更点は、環境リスクへの気候変動の組み込み、生物多様性への配慮、およびサプライチェーン全体でのライフサイクル思考での管理強化です。

すでにISO14001を取得している企業も対応が必要ですか?

はい。定められた「移行期間(通常3年)」内に新規格への対応と審査合格が必要です。期限内に移行審査に合格しなければ、認証が失効するため計画的なマニュアル改訂が必須となります。

ISO14001改訂対応で追加費用はかかりますか?

定期審査や更新審査と同時に行うのが一般的であるため、追加費用は発生しない場合もあれば、数十万円~かかる場合もあります。審査機関によって異なるため、確認しておきましょう。

まとめ

この記事では、ISO14001が発行された背景や2026年1月現在のISO14001改訂における最新情報を解説しました。

現在、ISO14001:2015が最新バージョンです。今回の改訂では大幅な修正ではなく、限定的な変更が行われる予定です。
ただし、改訂内容はまだ明確にはなっておらず、改訂時期も2026年1月ごろが予定されていますが、変更される可能性もあるため、定期的に最新情報を確認しましょう。

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