今回は「ISO 内部監査員 は何が大変なのか」です。
内部監査は、一般的には自組織の一員である社員が監査員として監査を実施することが多く、内部監査員の代理人(例えば、コンサルタント)に比べ、会社の仕組みや社内ルールなど理解されていることから、各プロセスにおいて詳細な部分での「気づき」に期待ができます。

その反面、大手企業でもなければ内部監査員はISO業務を兼任しているのが殆どで、一人の内部監査員がいくつも担当業務を抱えているというケースも珍しくありません。本来なら内部監査は業務に精通した社員が行いISO運用の実効性を確保したいところですが、人材確保の難しい中小起業では兼任という方法を取らざるを得ません。

そんな中、内部監査員は内部監査の準備を効率よく、漏れなく進めていかなければならず、内部監査の成果に組織の期待感が高まるほど内部監査員の負担は大きくなります。
本稿では、内部監査員にとってどのようなことが大変なのか、具体的に内部監査員の負荷について一緒に考えていきましょう。

【内部監査員の負荷とは】

監査対象となる多種多様な業務を理解しなければならない

組織によってISO認証 取得の目的は様々ですが、マネジメントシステム は各々の組織目的に応じた運用が可能で、「経営計画・部署ごとに年度計画を立て、事業(業務)をPDCAサイクルで回し課題や問題点を検出・改善(継続的)する」この考え方は各プロセスにおいて共通の概念です。

内部監査の対象業務は、経営~総務(人事)・経理、営業、製造(品質 管理含む)というように多種多様。監査という制限時間のある中で、業務状況を確認し、社内ルールに対する適合性やマネジメントシステムが有効に機能しているか、効率よく運用されているかなど不適合や改善点を見つけ出さなければなりません。

内部監査では、監査チェックシートを用いて確認しますが、ある程度業務の知識があり、業務を理解していなければ不適合や問題点に気がつかず、監査で改善提案を提言することができません。被監査者や被監査部門からの信頼を得ることが難しくなります。

監査の全体像を捉える目を養う

各事業の業務プロセスは単体で成立していないため、内部監査員は事業全体・業務のつながりを理解する必要があります。監査の全体像を見る目を養い、各プロセス間のインプット およびアウトプットでは製品・文書(情報)など前後の工程あるいは関連業務とどのようなやりとりがあるのか把握することが大切です。

「あら捜し」「嫌われ役」に

内部監査結果の区分には、「適合」、「不適合」(重大な不適合/軽微な不適合)、「観察事項」などありますが、監査の結果「不適合なし」だった場合、被監査部門では社内ルールやマネジメントシステム運用上で問題が出なかったためクローズされます。改善措置不要、是正対応に時間が取られなくて済みますので、監査もにこやかに終了することでしょう。

内部監査では不適合が検出され、よりマネジメントシステムの有効性や運用の効率性が向上することこそ望ましい結果であり、組織が内部監査の成果として期待している点です。
不適合の検出は内部監査が有効に機能している証明にもなります。

しかし、内部監査で毎回不適合が検出され、是正措置に多くの手間と時間を取られることは業務担当者にとっては業務負荷が増えることになりますので、「あら捜し」されているように受け止められるかもしれません。社内で、内部監査員はあら捜し、嫌われ役になる、疎ましがられてしまうこともあります。

被監査者の立場や年齢、経験などによって内部監査員に対する感じ方は様々です。監査における立場の違いから人間関係がストレスにならないよう、日頃から被監査部門とコミュニケーションをとり、良好な関係づくりを築いておくことも大切です。

常に勉強する姿勢が必要

監査員に限ったことではありませんが、監査対象となる各業務について常に勉強する姿勢は勿論のこと、監査では被監査部門とのコミュニケーションが必要になります。日頃からコミュニケーション能力(ヒアリングスキル)や報告書作成力(ライティングスキル)などの向上を心がける、そのような点も監査員として大変なところかもしれません。

内部監査の準備作業

内部監査員が多種多様な業務知識や監査業務の経験を積み上げるには年数がかかります。監査当日効率良く、効果的に実施できるよう事前準備が欠かせません。

≪ポイント≫

  • ①事前にISO規格要求事項や各業務の規定や作業手順など読み返して監査基準について確認しておきます。
  • ②ISO規格要求を転記したような監査チェックリストを使用することが多いですが、その中でも特に重点項目など確認ポイントを洗い出しておきます。内部監査のマンネリ化を防止するためにも、確認ポイント・確認方法を一工夫しましょう。
  • ③監査の範囲に関わらず、漏れなく、効率良く監査を実施ために当日のフローを用意しておきます。
  • ④内部監査の報告書を漏れなく、効率良く作成するために、監査実施中にメモした気づき事項など後から簡単に確認できるようにしておくと良いでしょう。
  • ⑤前回は勿論のこと、過去の内部監査結果も確認しておきます。不適合だけでなく観察事項や、予防対策・再発防止取り組み内容なども確認します。

内部監査業務の標準化作業

内部監査員は他の業務と兼務されていることが多いため、監査業務についても手順などを標準化しておくことで作業効率が向上します。内部監査で得た気づきや確認事項など、次回監査に活かせるよう標準マニュアル等に落とし込むようにしましょう。

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