危険源のリスクの評価って具体的にどのようなことをすればいい?
危険源 のリスクの評価は、その危険源の洗い出しが前提です。プロセス解析表とフローダイアグラムをもとにして、プロセスごとに物・状態・行動を見極めて、想像力を働かせて洗い出しをします。
危険源のリスクの評価は、洗い出した危険源の発生する可能性の評価から始めます。つまり危険源リスクの評価の入口は、その危険源=ハザードが、リスクとなる可能性の評価からということです。そのため危険源は物のどのような不安全状態なのか?人のどのような不安全行動なのか?の記述をします。
危険源リスクの評価の入口、可能性の評価とはその危険源がリスクとなる必然性が、その危険源の成立ちや構造にあるかどうか、逆に言うと偶然に発生するものかどうかという評価です。つまりその危険源がもたらすかもしれない結果と危険源の間の因果関係に、必要性があるかということです。必然性が高い危険源は可能性が高くて、偶然に発生する危険源は可能性が低いということです。
例えば、高所での作業中に作業者が落ちることには引力の法則による必然があります。しかしながら同じ高所での作業中に、スズメバチに刺されることは偶然でしかありません。ところが作業中の場所の近くにスズメバチの巣があった上に作業者が黒の服装だったら、スズメバチは黒を襲撃する習性により、偶然性はかなり下がり可能性は大になります。こんな感じです。
危険源の洗い出しと可能性の評価の結果、可能性の高と中を危険源として特定します。可能性の小となしの危険源は危険源としての特定から外します。但し可能性を小とした危険源が、本当に特定から外していいものかは充分に検討しておくことが必要です。
次の危険源リスクの評価は、特定した危険源のリスクが発生する頻度です。頻度という評価には、過去に発生した類似発生事象のヒヤリハット報告のデータや、外部からの類似発生事象のデータが有効です。
もう一つの危険源リスクの評価は、特定した危険源の危害発生による影響度及び重篤度の評価です。この評価には外部からの類似発生事象の結果のデータと、発生事象の影響の広がりと深さの想定が有効です。ヒヤリハットや外部からの類似事象のデータがない場合は、起こりやすさと及ぼしそうな結果を可能性の検討内容を参照して判断します。想定外がないように、想像力を働かせて最大の結果を予想して、影響度と重篤度を確実に評価します。
そのうえで以下の事項について記述します。
作業編成、社会的要因(作業負荷・時間、虐待・ハラスメント・いじめ)は?それは定常活動にあるのか?非定常活動にあるのか?関連発生事象はないか?外来者を含むのか?人的要因
はあるのか?職場
外に起因するのか?外部へ派生するのか?提供の設備、機器、材料は何か?活動または材料の変更はあったのか?マネジメントシステムの修正・運用はあるのか、その影響はどうなのか?法的義務はあるのか?管理基準
は何か?
この記述には、プロセス解析表とフローダイアグラムの情報が有効です。
以上の評価結果をもとにして、管理策の決定に進みます。
全体の設計はどのようか?適切な管理策はa)除去 b)代替 c)工学的な対策 d)教育訓練を含む管理的な対策 e)PPE(個人用保護具)、の優先順位のどれになるか?
適用範囲は?タイミングは?管理策の実施後の残存リスクは?その科学的で客観的な受容根拠は何か?
以上の評価と決定、及び管理策実施の監視手段の選択によって
リスクアセスメント
結果表が作成できます。
危険源の洗い出し、リスクの評価、管理策の決定、管理プラン作成までのプロセスはこのような流れで進めて行きます。
※この方法には著作権がありますので、書式等の無断転載及び使用を禁止します。
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