【HACCP対応施設 第5講座】ケータリング施設について

投稿日:

ISOプロ担当者

最終更新日: 2019年08月02日

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第4講座までは食品製造のHACCP対応施設の設計と運営についてでしたが、この講座からはISO/TS22002-2「ケータリング」に沿ってその条件と事例を説明します。ケータリングとは、主調理場または副調理場における、消費のための食品の調整、保管、及び必要に応じての配送を含む業務のことです。ケータリングの範疇には、ケータリングのほか、航空機や鉄道のケータリング、給食などの大量調理場、宴会場、ホテル、レストラン、コーヒー店、食堂・蕎麦・ラーメン・ファストフード・お惣菜・パンなどの食品サービス、スーパーマーケットを含む食料品店が含まれます。

ケータリング施設の条件には、食品製造と同じ項目もありますが、調理調整をして消費されるまでの時間がおよそ6時間以内というケータリング施設の特性から、厳しさにおいて異なりますので、その差異を読み取ってください。

構内の配置

ケータリング施設のインフラストラクチャについては、事業所や施設構内は堅牢な構造で、良い状態を保ち、材料は良くない物質を食品に移行させます。また、地下水による汚染の恐れのある場所や、有害生物の侵入を受け易い場所から離れていることが望ましいとされます。
さらに、ケータリング施設の各作業場に適した機能特性、場所、配置であるように設計し建造して、業務は適切な衛生条件下で実施します。

ケータリング施設の建物の構内の配置は交差汚染を防止し、衛生的な業務とは両立しない区域から隔離し、製品の流れがワンウエイになることが望ましいとされます。

作業空間

ケータリング施設の作業空間については、各区域は交差汚染を避けるような配置ができるように設計し、物理的・機能的に識別し、表示しなければなりません。全ての区域は業務、清掃・洗浄、保守が容易にできるように、適度の作業空間を備える設計にして、材料の受け入れは清潔な区域で実施しなければならず、その受け入れの区域を持つこと、そこでは全商品が衛生的な管理ができること望ましいのです。交差汚染を避けるために食べられる状態の物は、生または未処理の物と分離するなどしなければならず、生の製品は別室または食べられる状態の物の調理の区域とは別の区域で加工することが望ましいとされます。

食品取扱区域は、壁、床、天井の表面は隙間のない、防水性で、非吸収性であり、水洗いできる材料で、床は滑らない材料でなければならず、床と壁の接合部は必要ならアールをつけ、ドアは非吸収性で耐久性があり、表面は無傷で滑らかでなければなりません。特に、皿・調理器具・機器を洗浄する区域など、大量の業務・人・機器の出入りが絶えない区域には、排水システムを設けます。窓、その他の開口部は汚れの溜らない構造にし、開閉するものには防虫スクリーン(網戸など)を付けます。スクリーンは清掃洗浄のために簡単に取り外し可能で、良い状態を保たないといけません。内側に窓台がある場合は棚として使えないように傾斜をつけて、ドアは滑らかで表面は非吸収性であり自動でぴったり閉鎖するものでなければなりません。

食品製造のような、清浄度による完全なゾーニングの必要はありませんが、作業場に入る全ての物と人の動線は混合または交差汚染が起きないように設計し維持するための、清浄区域と汚染区域のある程度の区分、例えばエアカーテンかビニールカーテンによる仕切りなどは必要です。壁やドアで完全に仕切るまでの厳しさは求められません。

照明及び換気

全ての区域は適切で食品に悪影響を与えない照明システムを備えるように設計します。照明器具は、壊れた時に材料、製品、機器が汚染されないもの、また衛生的な作業ができるものでなければなりません。

特定の工程または製品に、適切な換気システムを設計し、その求められる温度・湿度を維持し、気流の方向は清浄区域から汚染区域に向かうものにします。全ての開口部は汚染を防ぐため、層流・エアカーテン、必要であれば二重ドアなど保護装置を備えなければなりません。

高い熱負荷や蒸気を効果的に拡散させるための換気を備え、工程で生成される蒸気を除去するための清掃洗浄が容易な排気フードを付けます。

個人用衛生施設及びトイレ

個人用衛生施設を近い位置で利用でき、明確に表示し、次のことを行えなければなりません。

  1. 衛生的な手洗い・乾燥・消毒の、必要な数・場所・手段の提供
  2. 手洗い専用シンク、蛇口は足・肘・膝・センサーで作動、食品用シンクや機器清掃洗浄ステーションから分離
  3. 生産・包装・保管区域と直接に開放されないこと
  4. 更衣室を設けること
  5. 作業衣の清潔さを保って生産区域に移動できる場所に配置
  6. 手洗いの水は飲用水の基準
  7. 食品加工区域の内と外に設けること

保守

保守については、建物、機器、調理器具、その他施設内は、排水システムを含み適切な保守の状態と条件を保ち、意図したように機能し、汚染の原因とならず、保守作業の間も食品安全が影響されないようにします。予防保守プログラムは整っていて、食品安全ハザードのモニターと管理に使用する全ての装置を含まなければなりません。

是正保守は隣接ラインや機器の汚染リスクがないように、もしある場合はその加工を中断して汚染を防ぎ、食品安全を優先しなければならず、応急修理も同様で、恒久修理の交換は保守スケジュールに含めます。製品と接触のリスクがある場合は潤滑剤・熱伝導流体は食品グレードでなければなりません。

保守作業は地域の要求事項に適用し、要員は食品安全ハザードの教育訓練を受けます。

この記事の著者
清水正敏(ISO マネジメントシステム構築運用コンサルタント /ISO 品質システム&食品安全システム審査員)
平成15年ISO品質システム審査員登録、平成20年からQMS 審査員としていくつかの審査機関の審査に従事。システム論と問題解決技法とを統合したマネジメント手法によるマネジメントシステム構築と運用の支援を標榜し、コンサルタント及び研修講師、審査員を勤める傍ら、取材・文筆など多方面で活躍。主な著書は『竹輪の頭はどっち?!』(メタブレーン)『ISO 審査革命』(オンブック)など。

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