マネジメントシステムとは?第14講座~プロセスアプローチをブレイクスルー~

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プロセスアプローチとブレイクスルー思考

「『顧客志向』と『ものづくり』へのこだわり」が、「視野狭窄・思考停止に陥らせる罠」であり、「客を選べない」状況をつくり、企業存続の条件である「相応の利益」を得られなくなる――。

下請企業は、おそらく顧客の要請でISOの認証を取得している組織が多いと思います。こうした視野狭窄・思考停止のため、新たな顧客創造という「将来システム」が動いていなかったと言えます。

プロセスアプローチについては、「インプットをアウトプットに変換することを可能にするために資源を使って運営管理される一つの活動又は一連の活動は、プロセスとみなすことができる。」という定義が、2008年版規格0.2における定義でした。2015年版0.3項での定義は「インプットの源泉⇒インプット⇒活動⇒アウトプット⇒アウトプットの受領者、という図式で示されています。

「将来システム」を明示するブレイクスルー思考でも、システムのモデルとしてインプットを目的にしたがってアウトプットに変換するプロセスが示されていました。そしてその際に、処理する方法、処理する環境、ヒト、モノ、情報の媒体があるとされています。

プロセスのエレメントについて

この要素を手がかりに、プロセスの基本的な構成エレメントを上げると、システム化された処理には方法があり、そのための条件と判定などの基準があり、処理の手順があり、運営管理する責任体系があって、実施に関する記録があるということになります。処理を手順に沿って実施するのは力量のある要員=ヒトであり、実施に当たっては施設=環境と、設備、機器、道具など=モノによってインフラと作業環境が整備され、方法、条件、基準、手順を伝える情報が必要で、それが指示書や仕様書、設計図書、またはQC工程表だったりします。

プロセスはこうした一連のエレメントについて決定され共有されることで、その活動はシステム化され、これらが文書化されるとマニュアル、手順書または要領書となります。

「暗黙の了解組織」をシステム化

職人の「職人仕事」といわれる仕事は、たいていこのようなエレメントは決められています。しかし職人の場合、その職人個人の頭脳と体の中に体化しているのですが、明示化はされておらず、また同じような仕事をしている組織内の者同士で、同様に仕事をしているように見えても、必ずしも共通認識にはなっておらず、当然として言語化はされていないということもあります。それでも共通の目的のアウトプットは結果として出している、このような仕事の仕方の組織を私は「暗黙の了解組織」と呼ぶことにしました。

プロセスアプローチとは、「暗黙の了解組織」において個々の仕事の仕方を、明示化して形式知としてシステム化することです。つまりエレメントを全て明確にして組織内で共有することで、共有の形には文書化もあるということなのです。

規格で言う「プロセスを明確にする」とは、プロセスのエレメントを明確にするということで、それはプロセスの計画でもあります。私にとってブレイクスルー思考のシステムマトリックス8つの要素は、プロセスを計画するときに必要なエレメントを明確にしてくれるものでした。だからプロセスの中身を考えるときはこの8つの要素で考え、業務分析においてもこれをベースに解析をすすめています。

プロセスのインプット~アウトプットを解析

食品安全システムは、安全な製品の実現のために生産フローのハザード分析をし、食品安全ハザードを洗い出して評価し判定し、OPRP及びCCPを決定しなければなりません。

このハザード分析において私は、生産フローを大きく一次プロセスに、そしてその中を小さな二次プロセスに分解し、それぞれのプロセスについて8つの要素を全て書き出して行う方法で進めます。すなわちプロセスの目的(プロセス名)、プロセスへのインプットから、処理の方法・作業手順(基本作業)、処理の環境=施設・条件、処理する要員、処理のための設備・機器・道具、処理のための情報(基準を含む)、そしてアウトプット(再利用と廃棄物を含む)の8つです。

次に二次プロセスと基本作業のつながりをフローダイアグラムにし、さらにこれを入出力手順書にして、ハザードの洗い出しをする手順を確立し、2006年からこの分析手順を指導して、ハザード分析とシステム構築のコンサルティングをしてきました。

ハザードの洗い出しは、8つの要素のうちインプット、環境、ヒト、モノ、アウトプットに危害の源を、また入出力手順書からKYの手法で不安全状態と不安全行動を、あらいざらい書き出すことで漏れがない洗い出しをする方法です。

ISO22000でのブレイクスルー思考とタートル解析

ISO22000のハザード分析の方法を確立した後で分かったことですが、これは自動車関連部品製造の組織向けセクター規格ISO/TS16949で求められるFMEA=失敗(故障)モード影響解析のためのタートル解析と全く同じ考え方でありました。つまりタートル解析とブレイクスルー思考のシステム観は、ほとんど同じということでした。

おそらく別々の経緯で開発された分析方法でしたが、システムの分析という観点からきわめて類似した方法論に到ったのではないかと思われます。そんなわけでブレイクスルー思考は、結果としてタートル解析と同じレベルの分析法に、私を導いてくれたのです。

プロセスのタートル解析は、ISO/TS16949:2009において、プロセスを分析するのに有力なツールとして、インプットとアウトプットに関する2つの質問(頭と尾)とモノ・ヒト・方法・指標についての4つの質問(4足)で構成されます。六角形の亀の形に似ているので、タートル分析図あるいはタートルモデルと呼ばれています。

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