ISO 規格に求められるものは時代とともに変化するため、定期的な改訂が行われています。つまり、改訂を組み込んだ最新の規格に組織側も対応する必要があるのです。

ここでは、ISO規格の改定・移行に伴う必要事項と、移行時期の作業において理解しておかなければならない「マネジメントの共通要素」と「追加要求事項」についてまとめました。「移行となった場合に、急いで知識を詰め込まなければならない」というリスクを負わないためにも、事前に読んでおきましょう。

ISO規格の改訂とは?

ISO規格は、社会から求められる管理体制を代弁したものなので、その内容は時代とともに定期的にその基準を変化していきます。

ISOは、原則として最長5年ごとに内容を見直し、必要があれば都度内容が改定されます。ただし、5年という期間はあくまで「原則」であり、状況によってはその限りではないことをご理解ください。

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ISO規格の移行とは?

ISO規約は定期的に見直されますが、ISO規格が改定された際、それまで運用されていた旧版は、一定の「移行期間」を経たのち失効し、新版に則った仕組へと変更が促されます。

この期間中に見直しが行われない場合、登録が取り消されてしまうことがあるので注意しましょう。ちなみに、ISO規格の改定作業は定期的に開催される各国加盟機関、専門委員会(TC)、分科委員会(SC)の幹事によって「提案段階」「作成段階」「委員会段階」「照合段階」「承認段階」「発行段階」の6段階の工程を経て正式なISO規格となります。

改訂でよく聞く「マネジメントの共通要素」とは?

ISO規定の改定においては、「ISOマネジメントシステム共通要素」という言葉を理解しておく必要があります。「ISOマネジメントシステム共通要素」とは、複数の企画官の整合性を向上させることを目的に制定されたもので、導入することにより章立てや用語の定義が統一されます。

すでに情報セキュリティ(ISO27001 )、ISO9001やISO14001などのISO規格で採用されており、多くの実績があります。ちなみに、2012年2月以降に新規制定または改定されるISO規格は「ISOマネジメントシステム共通要素」の採用が義務付けられています。

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改訂でよく聞く「追加要求事項」とは?

いくつかのISO規定では、章の構成だけでなく、旧事項の中に新たな項目が追加されたり文章や文言が削除されたりしています。

追加といっても、「新しい項目が加わる」わけではなく、『用語』や『序文』の章、個別の「品質マネジメント8原則」など、すでに記載されていた項目が要求事項として明確に記されるようになります。

ISOの移行審査までの道のり

では、ISOの移行審査までにどういった工程が存在しているのか。その道のりを説明していきましょう。まず、移行に当たって組織側の担当者は以下のようなことを行います。

ステップ1 新しい規格についての理解を深める

新しく追加された要求事項を正確に理解します。

ステップ2 過去の規格とこれからの規格の差分を理解する

現行のマネジメントシステムと、改訂される企画とのギャップ分析を実行します。

ステップ3 内外の課題を整理する

利害関係者からヒアリングした要求事項を考慮し、マネジメントシステムの見直しを行います。

ステップ4 新しい企画移行スケジュールを策定する

移行審査の時期を決めいつまでに何をするかというタスクを洗い出します。

ステップ5 マニュアル・手順書を改定する

新しい要求事項を盛り込んだ各種文書を作成します。

ステップ6 関係各所へ周知

ここまでが運用以前の作業工程です。

ステップ7 改訂されたマニュアルでの運用をスタートする

改訂したマニュアルや手順書に沿って、運用・監視・測定などを実施します。

ステップ8 内部監査を実行する

全ての要求事項を網羅し、新しい要求事項への取組みやパフォーマンス評価に関して明記します。

ステップ9 マネジメントレビューを実行

マネジメントシステムの有効性を確認します。

ステップ10 移行審査を受ける

移行審査は、通常の定期審査・再認証と合わせた実施が可能です。

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まとめ

ここまでで、ISO規格の改定や移行期間のこと、またそれに伴い覚えておくべき用語である「マネジメントの共通要素」と「追加要求事項」をご理解いただけたのではないでしょうか。

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