ISO45001におけるトップマネジメントの役割とは
労働安全衛生マネジメントシステム の認証 規格 である ISO 45001。この規格は労働安全衛生を継続的に改善していくための枠組みを提供しています。これはISO規格に共通することですが、トップマネジメントの役割というものは複数あります。
今回は、ISO45001におけるトップマネジメントの役割について解説していきたいと思います。
目次
リーダーシップ及びコミットメント
トップマネジメントは、最高位で組織を管理する個人又は人々の集まりのことですが、トップマネジメントはOSHMS においてリーダーシップを発揮する必要があります。また、規格内ではコミットメントをすることも要求しています。
具体的には、以下のような事項によってリーダーシップ及びコミットメントを行うことが求められます。
責任及び説明責任の全う
トップマネジメントは、労働に関する負傷及び疾病を防止し、安全で健康的な職場と活動を提供することに対する全体的な責任を持つ必要があります。――これは当たり前のことかもしれませんが、例えば人事部などに完全に委託してしまうのではなく、トップマネジメントが責任を負い、また負傷や疾病などが発生した際には説明責任を負うことが規格では求められます。
労働安全衛生に関する計画を策定する
ISOのマネジメントシステムではおなじみですが、方針・目標・計画は上下関係にあります。計画は目標を達成するために策定されるものであり、目標は方針と整合性を保ったものである必要があります。
ISO45001では、労働安全衛生方針、労働安全衛生目標 を確立し、組織が進むべき方向性を示すこともトップマネジメントの役割なのです。
規格要求事項と組織の事業プロセスの統合
ISO45001を取得する場合は要求事項を満たす必要がありますが、この要求事項の統合を確実にすることもトップマネジメントの責任です。計画がうまくいっていないからといって、すべての責任を現場に負わせてはいけません。
トップマネジメントが認証取得に関するコミットメントを行う必要があるのです。
マネジメントシステムの確立・維持
マネジメントシステムを構築したらトップマネジメントの役割が終わるわけではありません。マネジメントシステムをしっかりと確立し、それが正しく実施され、維持されているかどうかということをトップマネジメントはモニタリングし、コミットメントする必要があるのです。
また、マネジメントシステムの有効性を保つために、働く人 を指揮し、支援することもトップマネジメントの役割であります。マネジメントシステムが有効な状態とは、効果を発揮できる状態にあるということですが、これは継続的改善を確実にすると言い換えることもできます。
組織内に伝達を行う
トップマネジメントはキックオフ宣言、労働安全衛生方針、労働安全衛生目標などといった、組織的な決定を全従業員に伝達して組織内で労働安全衛生マネジメントシステムの意図した成果を支援する文化を組織内で形成することが求められます。
マネジメントシステムはトップマネジメントによってのみ形成されるわけではありません。組織の構成員全員の協力が不可欠となります。こういった協力を得るためにも、規格適合の重要性やマネジメントシステムの有効性を組織内に伝達し、理解を得る必要があるのです。
マネジメントレビュー
トップマネジメントはマネジメントシステムが有効に機能し、規格に適合した状態であることをレビューしなければなりません。このレビューは、内部監査の結果などをもとに行う必要があります。
まとめ
これはISO45001に限った話ではありませんが、ISOのマネジメントシステム規格ではトップマネジメントのリーダーシップとコミットメントが求められます。「キックオフ宣言さえすれば良い」というマネジメントシステムは存在せず、やはり組織を牽引することが規格内では求められるのです。
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