PEFC認証とは?種類・費用・取得の流れをわかりやすく解説

FAQPEFC認証に関するよくある質問
PEFC認証とは、各国が定めた森林認証制度をPEFC(PEFC森林認証プログラム)が相互に承認する国際的な枠組みです。適切に管理された森林から生産された木材や紙製品であることを、第三者認証を通じて確認します。
日本ではSGEC(緑の循環認証会議)の森林認証制度がPEFCの相互承認を受けています。そのため、SGECの認証材は、適用される規格やCoCの要件を満たす範囲でPEFC認証材として国際的に流通させることが可能です。
取引先から「PEFC認証材を使ってほしい」「PEFC認証に対応できますか」と求められ、森林認証について調べ始めた担当者の方も多いのではないでしょうか。FSC認証との違い、自社に必要な認証、費用や取得手順など、確認すべき事項は複数あります。
この記事では、PEFC認証の仕組みからSGECとの関係、FSC認証との違い、認証の種類とマークの表示ルール、取得にかかる費用と取得までの流れまでをわかりやすく解説します。自社が確認すべき認証範囲と、次に進めるべき手順を整理する際にご活用ください。
目次
PEFC認証とは?各国の制度を相互承認する国際的な枠組み
PEFC認証とは、各国が策定した森林認証制度をPEFCが評価・承認し、国際的に認め合う仕組みによって、持続可能な森林管理と認証材の流通を支える制度です。森林認証は、大きく2つの領域で成り立っています。1つは森林そのものの管理を評価する森林管理認証(FM認証)、もう1つは加工・流通の過程で認証材を適切に管理しているかを確認するCoC認証です。
製品上にPEFCラベルを表示して認証製品として流通させる場合は、認証材がサプライチェーンの各段階でCoCの要求事項に沿って管理されている必要があります。木材や紙を仕入れて加工・販売する企業では、主にCoC認証が関係します。
なお、PEFC認証は法律で一律に義務づけられた制度ではなく、企業・組織が自主的に取得する第三者認証です。実際の認証審査は、PEFC本体ではなく、所定の要件を満たした審査機関が行います。
PEFC(PEFC森林認証プログラム)とはどのような組織か
PEFCは、1999年6月30日に欧州の小規模・家族経営の森林所有者を中心として発足しました。当初は「Pan-European Forest Certification」として始まり、その後、各国の森林認証制度を承認する国際的な仕組みへと発展しています。
PEFCは、各国・地域の森林事情や法制度に応じて策定された認証制度を尊重しながら、国際的な基準への適合性を評価する点が特徴です。森林所有者だけでなく、木材・紙製品の加工、流通、販売に関わる事業者もCoC認証を通じて制度に関わります。
PEFCの「相互承認」と他の森林認証との立ち位置
相互承認とは、各国が自国の森林事情や法制度に合わせて策定した森林認証制度をPEFCが評価し、PEFCの要求事項を満たしていると認めた制度を承認する仕組みです。承認された制度の認証材は、PEFC認証材として国際的な流通に活用できます。
ここがFSC認証との大きな違いです。FSCは国際的な共通規格を設け、その規格に沿って森林管理や加工・流通過程を認証します。一方、PEFCは各国の森林認証制度を国際的な要求事項に照らして承認する仕組みです。
どちらが優れているというものではありません。取引先が求める認証、販売先の市場、原材料の調達先などを踏まえ、自社に必要な制度を判断する必要があります。
日本のSGECとの関係|2016年6月3日にPEFCと相互承認
SGEC(緑の循環認証会議)は、日本の森林事情に対応した森林認証制度です。SGEC森林認証制度は2003年6月3日に発足し、2016年6月3日にPEFCとの相互承認が正式に認められました。
これにより、SGECの認証材は、PEFCの相互承認の枠組みのもとでPEFC認証材として国際的な流通に活用できます。国内で森林認証に取り組む企業は、取引先が求めているのが「自社での認証取得」なのか、「認証材の調達」なのかを最初に確認する必要があります。
自社で認証製品を加工・流通し、PEFCの主張やラベルを使用する場合には、CoC認証や商標使用に関する要件の確認が必要です。一方、認証材を購入して社内で使用するだけの場合などは、求められる対応が変わります。
PEFC認証の種類とマーク|取得すると何ができるようになるか
PEFC認証では、森林管理認証とCoC認証という役割の差異を理解し、自社がサプライチェーンのどこに位置するかを確認する必要があります。取引先の調達基準への対応や、責任ある森林資源の利用を対外的に示す目的で森林認証を活用する企業があります。
環境関連の認証を取得している企業を対象とした調査では、取得理由として「環境リスク管理や法規制対応(33.9%)」が最も多く、「競争力強化や新たなビジネス機会(31.6%)」「社内の環境意識向上や採用ブランディング(30.8%)」が続きました。
森林管理認証(FM認証)とCoC認証の違い
森林管理認証は、森林を所有・管理する事業者などが対象です。管理計画や実際の施業が、適用される森林管理規格の要求事項を満たしているか審査されます。
一方、CoC認証の対象は、木材や紙などの森林由来原材料を加工・流通させる事業者です。原材料の受入から加工、保管、出荷までの過程で、認証材に関する情報を適切に管理し、追跡できる状態を整えます。
| 認証の種類 | 対象となる事業者 | 主に確認される内容 |
|---|---|---|
| 森林管理認証(FM認証) | 森林所有者、森林組合など森林を管理する事業者 | 森林管理計画や施業が適用される規格の要求事項を満たしているか |
| CoC認証 | 木材・紙を加工、流通させる事業者(製紙、印刷、木材加工、卸売など) | 認証材に関する原材料情報を適切に管理し、記録・追跡できるか |
製品上にPEFCラベルを表示する場合は、対象製品が認証範囲に含まれているか、使用する原材料がCoC規格上の要件を満たしているかを確認する必要があります。
自社が加工や流通を担っている場合は、まずCoC認証の対象となるかを確認すると整理しやすくなります。
PEFCマークの種類と表示ルール
PEFCのマークやラベルは、認証を取得すれば無条件に使用できるものではありません。PEFC GD 2001:2025では、製品上で使用する主なラベルとして「PEFC Certified」と「PEFC Recycled」が示されています。広告・広報など製品外でPEFC商標を使用する場合には、別途定められたオフプロダクトのルールが適用されます。
| ラベル | 主な使用条件 |
|---|---|
| PEFC Certified | PEFC認証材の含有率が70%以上で、リサイクル原材料が100%未満の場合など、規格の使用条件を満たす製品 |
| PEFC Recycled | リサイクル原材料を100%使用し、規格の使用条件を満たす製品 |
マークを使用する際は、認証範囲、原材料の構成、商標使用ライセンスなどを確認する必要があります。SGEC/PEFCジャパンの規格一覧では、PEFC ST 2001:2020「PEFC商標使用規則」に加え、2026年の技術的修正も公開されています。実際に表示する前に最新版を確認してください。
- 認証範囲に含まれる製品かを確認する
- ラベルごとの原材料要件を確認する
- 商標使用ライセンスと表示ルールを確認する
- 外部委託先にも使用条件を共有する
FSC認証との違いと自社に合う選び方
PEFC認証とFSC認証は、制度の成り立ちと認証の仕組みに差異があります。PEFCは各国の森林認証制度を国際的な要求事項に照らして承認する枠組みです。一方、FSCは国際的な共通規格を設け、森林管理と加工・流通過程を認証する制度です。
| 項目 | PEFC(日本ではSGEC) | FSC |
|---|---|---|
| 発足 | 1999年6月30日 | 1993年に設立総会、1994年に法人として発足 |
| 制度の考え方 | 各国の森林認証制度を国際的な要求事項に照らして承認する | 国際的な共通規格に基づいて認証する |
| 日本での位置づけ | SGECが2016年6月3日にPEFCと相互承認 | FSCの規格を適用し、日本向けの森林管理規格も運用されている |
| 主な認証 | 森林管理認証とCoC認証 | FM認証とCoC認証 |
選定時は、取引先の要求内容、販売先の市場、原材料の調達先がどの認証材に対応しているかを確認します。両制度の認証を取得している企業もあるため、優劣ではなく取引上の要件から判断するのが基本です。
PEFC認証の費用|取得時と継続時に分けて把握する
PEFC認証の費用は、全国一律の料金表で決まっているわけではありません。組織の規模、認証範囲、拠点数、製品数、審査工数、依頼する審査機関などによって費用は変動します。まずは認証範囲を整理したうえで、複数の審査機関から見積もりを取得する方法が現実的です。
費用を把握する際は、初回認証時と認証継続時に分けて整理すると比較しやすくなります。
| 区分 | 主な費用 | 発生するタイミング |
|---|---|---|
| 初回認証時 | 初回審査費用、必要に応じた外部支援費用、社内工数 | 認証取得までの準備期間と審査時 |
| 認証継続時 | サーベイランス審査、再認証審査、記録管理などの社内工数 | 認証を継続している期間 |
初回の取得費用だけで比較すると、継続段階の負担を見落とす場合があります。見積もりでは、初回審査だけでなく、サーベイランス審査や再認証審査にかかる費用も確認しておく必要があります。
取得時にかかる費用の内訳
取得時に想定される費用は、主に次の3つです。
- 初回審査費用:審査機関に支払う費用。認証範囲や拠点数、審査工数などによって変動する
- 外部支援費用:手順の整理、社内教育、審査準備などを外部へ依頼する場合に発生する
- 社内工数:担当者による規格確認、対象製品の整理、記録様式の整備、教育などに必要な工数
見積もりを取る前に、対象とする拠点、製品、原材料、仕入先、年間取扱量などを整理しておくと、審査機関へ認証範囲を説明しやすくなります。
認証機関を比較する際は、金額だけでなく、対応可能な認証範囲、同業種の審査実績、対応地域、審査日程なども確認してください。
取得後にかかる費用と注意点
PEFCのCoC認証は、取得後も継続的な審査と運用が必要です。PEFCのCoC認証に関する認証機関向け要求事項では、認証の有効期間は最長5年とされ、サーベイランス審査は原則として毎年実施されます。認証継続には、日常の記録管理と審査対応の工数も見込む必要があります。
維持段階の負担は、ISO認証でも課題として挙げられています。ISO認証取得企業への調査では、継続運用の課題として「ISO維持のためだけの業務増加(40.6%)」が最も多く、「審査費用などのコスト(36.6%)」が続きました。PEFCのCoC認証でも、原材料の受入から出荷までの記録を日常業務の中で管理する必要があります。
あわせて、次の点を事前に確認してください。
- 認証範囲外の製品に認証主張や製品ラベルを使用しない
- 受入、保管、加工、出荷の記録を継続して残せる運用にする
- 拠点や製品を追加する場合は、認証範囲変更の要否を審査機関へ確認する
出典:NSSスマートコンサルティング株式会社「【企業の信頼性やブランド力の維持に効果的な施策】6割以上が外部のサポートを活用―明暗を分けた「目的共有」と「制度運用」の差」(外部リンク)
PEFC認証の取得方法と取得までの流れ
PEFCのCoC認証取得は、自社の認証範囲を整理したうえで、対応する審査機関へ問い合わせるところから始まります。審査機関を選ぶ際は、自社の業種・製品への対応実績、認証範囲、審査スケジュール、料金体系を確認します。複数機関から見積もりを取得すると、条件を比較しやすくなります。
どの審査機関へ相談すればよいか判断できない場合は、森林認証SGEC/PEFCジャパンの公開情報を確認してください。
CoC認証取得の5つのステップ
CoC認証取得の準備は、次の流れで整理できます。
- 適用範囲を決める:認証対象となる拠点、製品、原材料、工程を整理する
- 管理方法と手順を整備する:認証材の受入、保管、加工、出荷の管理方法と記録を定める
- 社内教育と運用を開始する:担当者へ手順を共有し、実際の業務の中で記録を残す
- 審査機関による審査を受ける:手順、記録、担当者への確認などを通じて規格適合性の評価を受ける
- 認証書の発行と商標使用手続きを進める:認証後、必要に応じてPEFC商標の使用条件を確認する
準備の中心になるのは、管理方法の整備と実際の運用です。手順書だけを用意するのではなく、原材料の受入から出荷までの情報が記録としてつながり、必要な範囲を追跡できる状態を整える必要があります。
取得までの期間と社内で準備する内容
取得までの期間は、組織の規模、認証範囲、既存の管理体制、審査機関のスケジュールによって変動します。一律の期間を示すことは難しいため、見積もりを取得する段階で標準的なスケジュールを確認してください。
社内では、少なくとも次の内容を早めに整理しておく必要があります。
- 責任者と担当者を決める
- 対象製品と工程を洗い出す
- 認証材を扱う仕入先を確認する
- 記録様式と保管方法を整える
- 現場担当者へ必要な教育を行う
仕入先の認証情報も確認が必要です。原材料の主張や証明書類をどのように確認し、社内で記録するかを事前に決めておくと、認証審査に向けた準備を進めやすくなります。
PEFC認証の準備で意識したい記録管理の考え方
認証取得の準備では、文書を増やすことより、日常業務の中で必要な記録が継続して残る仕組みを整えることが大切です。PEFCのCoC認証では、仕入れた認証材の情報と、加工・販売した製品の情報を追跡できる状態が求められます。既存業務とかけ離れた管理方法を追加すると、取得後の運用負担が大きくなりやすいため、現在の業務フローを基に設計するのが現実的です。
既存の帳票やシステムを活用する
受入記録、在庫管理表、製造記録、出荷伝票など、すでに社内で使用している帳票やシステムを確認します。必要な項目を追加して対応できる場合は、新しい帳票を一から増やすよりも運用を定着させやすくなります。
ISOプロでも、ISO9001やISO14001の構築・運用支援では、企業の既存業務を確認し、必要以上に文書を増やさない運用設計を重視しています。PEFCのCoC認証でも、既存の管理方法を確認してから不足部分を補う考え方が参考になります。
取得後の担当者と記録タイミングを決める
認証取得後に記録が止まらないよう、「誰が」「いつ」「何を記録するか」を明確にします。審査前だけ記録を集める運用ではなく、日常業務の中で記録が自然に残る形を目指します。
担当者が一人で抱え込まないよう、仕入、製造、品質管理、営業、出荷など、認証材に関わる部門の役割を整理しておくと、認証継続時の負担を分散しやすくなります。
認証範囲を必要以上に広げない
取引先から認証対応を求められている製品や拠点が限られている場合は、その範囲から取得を検討する方法があります。認証範囲が広がるほど、管理する製品・工程・記録も増えるためです。
将来的に対象製品や拠点を追加する予定がある場合は、初回の見積もり段階で審査機関へ伝え、範囲拡大時の手続きも確認しておくと円滑です。
まとめ
PEFC認証は、各国の森林認証制度を国際的な要求事項に照らして承認する仕組みです。日本ではSGECがPEFCの相互承認を受けており、国内の森林認証と国際的な流通をつなぐ役割を担っています。
木材や紙を加工・流通させる企業では、主にCoC認証が関係します。費用は認証範囲や審査機関などによって変動するため、初回認証費用だけでなく、サーベイランス審査や再認証審査を含めた継続費用まで確認してください。
PEFC認証とFSC認証のどちらを選ぶかは、取引先・販売先の要求と原材料の調達状況を基に判断するのが基本です。まずは取引先が求める認証内容を確認したうえで、認証範囲を整理し、審査機関へ見積もりとスケジュールを確認する流れが適切です。
PEFC認証とあわせてISO14001などの環境マネジメント認証を検討している場合や、既存のISO運用との整理にお困りの場合は、ISOプロへご相談ください。
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