ISOマネジメントシステムに有効なマネージング手法 第5講座~組織人の責任・期待・役割・機能~

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ISOプロ担当者

最終更新日:2019年04月04日

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組織人としての責任は何ですか

目的・方針・目標を達成する上での組織人としての責任は何かを定義します。仕事を進めていくとマンネリ化の中で自分の本当の責任を見失うことがあります。既に使命を失っているにも拘わらず、その空洞化した責任にしがみついていることもあります。組織人としての社員は組織の中の責任を担うことで、組織の目的と目標を成就し、自分の目標も達成することができるのです。だから「責任は何ですか?」と問います。組織人としての責任がなければidentity=組織人としての自分自身であり続けることは成立しません。
組織人としての社員個々人の役割は組織の目的に一致してはじめて機能します。社員個々人の役割は組織の目的と一体であらねばなりません。したがって社員個々人の責任は組織の目的に対する組織人としての「責任」です。だから組織は責任のネットワークと言うことができます。組織は役割のネットワークであると言い直すこともできます。

組織人として関係者から、何を期待されていますか

社員個々人の責任は組織の目的と一体でなければなりません。したがって組織人としての社員は常に組織の目的・方針・目標を自覚していなければなりません。しかもこの組織の目的・方針・目標は不変とは限りません。極めて流動的です。ということは個々人の役割も固定的なものではなくて常に流動的なものなのです。
その自覚の有無が組織問題のテーマでもあります。目的・方針・目標は環境に大きく影響を受けます。となると、組織の目的・方針・目標を自覚するためには、政治、経済、文化、技術、法律、同業他社、ライバル、そして何よりも顧客の変化、つまり市場のニーズや期待を常に察知してその動向を自覚していなければならないということです。
その中には組織の多くの利害関係者も含まれます。そうした関係者からの「ニーズ及び期待」を常に把握していなければ、組織人としての役割認識は不十分なものになります。そこに「問題意識(自覚)」という言葉が出てくる背景があります。そうした問題意識を磨きながら、期待・役割と現状とのギャップを捉えると、それが「目標課題」になります。だから期待は課題と言い換えることができるのです。課題が生き生きとした責任・役割の源泉であることをくれぐれも自覚したいものです。

組織人としての役割は何ですか。どのような働きをすべきでしょうか

組織の目的と方針・目標を自覚しながらもう一度、個々人の役割を再定義します。役割が再定義されることによってidentityが高まります。あるいは高次の目的・方針・目標、真の目的に気付くことが一層仕事への動機づけになります。こうした高次の役割認識が、高次のニーズ・期待を持った顧客満足を形成することになるのです。
その役割をどのようにして果たすか。それが働き=「機能」です。課題を整理し、計画を立て、費用要件や行動要件、すなわち制約条件をよく認識して役割を果たすべく個々人が機能します。またその推進過程において発生する様々な問題を、予測し、対処し、フィードバックして問題を解決して推進します。そのプロセスにおいて、教育訓練も必要になります。

やるべき課題、解決すべき課題は何ですか

必ずしもその機能は期待通りに働きません。それは管理スタイル、あるいはリーダーシップスタイルに問題があるからかも知れません。機能が不十分だとすると、何故できないのか、またその原因は何かを問います。そこでその管理スタイルやリーダーシップの見直しが必要になります。それが「マネジメント課題」です。
目標課題とマネジメント課題が活性化の鍵です。この二つを計画的に解決する、これがマネジメント力開発のねらいです。目標課題は会社の目的・方針・目標をしっかり把握することから始めます。マネジメント課題は「自分原因説」で進めることが素直なやり方です。
マネジメント課題は組織の目的を達成するための各個々人の自己変革課題です。これは個々人の責任・期待・役割・機能を明確にし、上司としっかりと面接をして、組織の方針をブレイクダウンしていく、それが中心的な作業になります。

行動方針をスローガンにすると真の目的に

スローガンは、部署目標・自己目標の概念化です。方向付けです。役割への動機づけです。スローガンの作用は「本質」的な意味合いを持ちます。組織の真の目的を理解し、個々人の「責任」「期待」「役割」「機能」を確認することが「マネジメント力」開発の基本です。

マネジメントの役割は組織としての仕事ぶりと成果をあげることにある。
P.F.ドラッカー

ISO9001:2015規格5.3 組織の役割,責任及び権限には「トップマネジメントは,関連する役割に対して,責任及び権限が割り当てられ,組織内に伝達され,理解されることを確実にしなければならない。」とあります。この責任の割り当てにあたって、この手法は有効です。

また、7.3 認識には「組織は,組織の管理下で働く人々が,次の事項に関して認識をもつことを確実にしなければならない。c) パフォーマンスの向上によって得られる便益を含む,品質マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献」とあります。この手法は自らの責任・期待・役割・機能を明確にし、自らの貢献のあり方を認識するためにも有効な手法です。

マネジメントシステムの有効性に対する自らの貢献のあり方を、自己変革計画によってさらに高めることにより、組織の方針は確実に成就する力強いベクトルを得ることができます。

この記事の著者
清水正敏(ISO マネジメントシステム構築運用コンサルタント /ISO 品質システム&食品安全システム審査員)
平成15年ISO品質システム審査員登録、平成20年からQMS 審査員としていくつかの審査機関の審査に従事。システム論と問題解決技法とを統合したマネジメント手法によるマネジメントシステム構築と運用の支援を標榜し、コンサルタント及び研修講師、審査員を勤める傍ら、取材・文筆など多方面で活躍。主な著書は『竹輪の頭はどっち?!』(メタブレーン)『ISO 審査革命』(オンブック)など。

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