エゴグラムテスト

ここでもネットに公開されているエゴグラムテストの説明を引用して、その概要を紹介します。
エゴグラムテストは、5つの自我から自分を観て、自分のタイプを知る手法です。
あなたは今の自分の自我の状態=エゴグラムを知っていますか。さて、自我の状態とは何でしょうか。
心理学の交流分析では形成された人の自我状態には3つの側面があり、その時の状況に応じて3つのうちの1つが主導権を握って、その状況でのその人の反応として表れるとしています。エゴグラムはこの自我の状態をよりはっきりと把握するために、開発された方法です。
人は自分の各自我状態のそれぞれのエネルギー量を知ることで、それぞれの性格の主導権を握っている自我がどの側面の自我であるかを知ることができます。これをテスト化して回答を数値化、グラフとして状態を視覚化したものがエゴグラムテストです。

3つの自我状態とは、P(Parent)親の自我状態、A(Adult)大人の自我状態、C(Child)子供の自我状態の3つで、さらにPはCP(Critical Parent)批判的な父親の自我状態と、NP(Nurturing Parent)養育的な母親の自我状態に、またCはFC(Free Child)自由な子供の自我状態と、AC(Adapted Child)順応した子供の自我状態に分けて考えることができます。

P(Parent)親の自我状態

P(Parent)親の自我状態とは、幼い時に成長の過程で、父母やそれに準じる人たちが感じたり、考えたり、行動したりしたことがメッセージとして取り入れられたものです。つまり、Pはその人の心そのものというよりも、親やそれ以前の世代から引き継いだものが、心に根付いたものと解釈してもよいものです。Pには批判的(critical)な父親的な側面と、養育的(nurturing)な母親的な側面とがあります。
CP(Critical Parent)父親的な自我状態とは、理想、良心、責任、批判などの価値判断や倫理観など、父親的な厳しい部分を主とします。創造性を抑え、懲罰的で厳しい面が多いのですが、社会的な秩序の維持能力や理想追求という面も持っています。
NP(Nurturing Parent)母親的な自我状態とは、共感、思いやり、保護、受容などの子供の成長を促進するような、母親的な部分が主となります。他人に対して受容的であり相手の話しに耳を傾けようとします。親身になって世話をし、親切な言葉で相手を快適な気分にします。

A(Adult)大人の自我状態

A(Adult)大人の自我状態とは、事実に基づいてものごとを判断し、冷静に計算して推測し、意思決定をする部分です。現実を客観視し、あらゆる角度から情報を収集します。知的論理的であり、ある意味でデータ処理のコンピュータのようでもあります。

C(Child)子供の自我状態

C(Child)子供の自我状態とは、子供の持っている生まれたままの自由(free)な姿がひとつの側面で、本能的な欲求や感情などの生命の原点でもあります。それとともに人生の早期体験から学んで、周囲へ順応した(adapted)対応様式の側面も含まれます。
FC(Free Child)自由な子供の自我状態とは、親の影響をまったく受けていない、生まれながらの部分です。自由奔放である反面で、協調性に欠ける場合もあります。
AC(Adapted Child)順応した子供の自我状態とは、人生早期に周囲の育ててくれる人たちの愛情を失わないために、子供なりに身につけた処世術の部分です。周囲に合わせるという協調性はありますが、自分自身の感情を抑圧して、本来の自分が欲するところを主張しない場合もあります。

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肯定的な側面と否定的な側面

どの自我状態においても、肯定的な側面と否定的な側面とをあわせ持っています。健全な状態では肯定的な側面が、また不健全な状態では否定的な側面が、それぞれに応じて表れると言えます。例えば、健全なときの理想を追求するというCPの肯定的な行動パターンは、逆に不健全になると理想の追求ではなく、偏見に凝り固まるという否定的な行動パターンになるということです。
自分の現在の自我状態のエネルギー量を知れば、否定的な低い自我状態を健全な状態に高めるように自分を導きことも、また逆に、高い自我状態も行き過ぎて不健全な側面が出ないように自分をコントロールすることも、可能になるということです。
例えば、NP母親的自我の比較的低いときは、相手をまず認める、意識して共感する、相手を保護・育成するという意識を持つ、相手の心情に同情する、相手を受容する意識を持つ、といった面が少ないので、この面を意識して行動するように心がける、という具合です。
また、CP父親的自我が比較的高いときは、偏見を持つ、何事にも批判的、支配的、排他的、独断的といった面が強く出ないように注意して行動や言動をするということです。
これがエゴグラムテストによる自分成長のきっかけづくりです。エゴグラムのエネルギー量は環境や心理状態、置かれた周囲の状況によって変化するので、半年とか1年に一度といった頻度でテストを受けて、自分診断をしてみると自分をコントロールでき、自分のマネジメントに役立つと思われます。

自我状態を高めるための態度や行動の処方箋

CP

  1. 最後まで譲らないものを一つ持つ。
  2. 目標を立て最後まで努力する。
  3. 自分はこれでいいのだろうかと振り返る習慣をつける。
  4. 生活の時間割を作りそれを守る。
  5. 間違いについては厳しく律する。
  6. ルールを作りルール違反をしないようにする。
  7. 自分の尊敬している人物が見ていたら何と言うか考えてみる。

NP

  1. 家族や友人に些細なものでもプレゼントする。
  2. 相手の気持ちになって考えてみる。
  3. 人の長所を見つけ褒める。
  4. ボランティア活動に参加してみる。
  5. 相手のネガティブな言葉や行動に対して反応しないようにする。
  6. 落ち込んでいる人を励ましたり慰めたりする。

A

  1. 日記をつけてみる。
  2. 言いたいことややりたいことを文章にしていく。
  3. 感情に押し流されないで客観的事実を確認するようにする。
  4. 結末を予測して状況全体を把握する。
  5. 物事をよく考え分析する。
  6. 物事を分析しそこに何らかのルールやパターンがないかを調べる。
  7. 先を見通して今何をするのが良いのかを考える。

FC

  1. 「!」のついたしぐさやせりふを多く使う。
  2. 冗談を言ってみる。
  3. 芸術・娯楽を楽しむ。
  4. 短い空想を楽しむ。
  5. 何か夢中になれる趣味を楽しむ。
  6. 不愉快な気持ちを引きずらないようにする。
  7. 楽しい気分にひたる。
  8. 友達とよく遊ぶようにする。
  9. 友達との会話を楽しむ。
  10. 幼児と遊ぶ。

AC

  1. 話の聞き手にまわる。
  2. 相手の話に相槌を打つ。
  3. 上手に甘えてみる。
  4. 友達や目上の人の言うことを素直に聞くようにする。
  5. 少し遠慮や妥協をしてみる。
  6. 相手を立ててみる。
  7. 相手がどう感じたか聞いてみる。(参考文献 芦原睦著:自分がわかる心理テスト)

ISO 9001:2015規格7.1.4 プロセスの運用に関する環境には「組織は,プロセスの運用に必要な環境,並びに製品及びサービスの適合を達成するために必要な環境を明確にし,提供し,維持しなければならない。注記 適切な環境は,次のような人的及び物理的要因の組合せであり得る。b) 心理的要因(例えば,ストレス軽減,燃え尽き症候群防止,心のケア)」とあります。組織における心理的環境を改善する手法としても有効です。

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