マネジメントシステムとは?第16講座~創造性コードのビフォー&アフター~

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規格に刷り込まれた創造性コードを引き出す

マネジメントシステムの規格には、はじめから知識創造の創造性コードが刷り込まれていることにも留意しましょう。創造性コードの<仕掛け1>は、状況の理解、利害関係者のニーズ及び期待の理解、方針、リスク及び機会への取り組み、目標、プロセスの監視及び測定、データ分析、是正処置、改善です。そして<仕掛け2>は、内部監査、マネジメントレビューです。

この二つの仕掛けは、内部コミュニケーションのネットワークを形成させ、組織学習の場を創造するはずです。それは知識変換を生み出す、知識創造の場となりえるものです。そしてそれは一方で仮説・実行・検証という科学性を持ちながら、他方で新規性と発展性を追究する創造性を併せ持ちます。

マネジメントシステム運営の創造性コード

刷り込まれている創造性コードがマネジメントシステム運営の中で実現しているものか、監査で確認しなくてはならなりません。そのために確認したい事項を列挙してみます。そして十分に実現していないときは、『気づき』を与える質問と指摘をします。

仕掛け1の確認

  • 方針はフィードフォワード型か。
  • 目標には原因要素を改善する具体性があるか。
  • どのプロセスを監視・測定し、その項目に原因要素は含まれるか。
  • 是正処置は真の原因を仮説として設定し、実行し、その効果を検証しているか。
  • 発生事象を事前に予測する分析は行われているか。
  • システムに失敗を事前に防ぐ視点があるか。

仕掛け2の確認

  • チェックシートには実態を把握するための問題意識はあるか。
  • 実施された内部監査はモニターされ改善されているか。
  • 内部監査の意識をフィードフォワード型にする方策はとられているか。
  • 現場での監査とトップインタビューに十分な時間が当てられているか。
  • 内部監査の意識は組織固有の問題にも向いているか。
  • 監査のパフォーマンスは問題解決型になっているか。
  • マネジメントレビューでは内部監査の報告はどのようにされているか。

コミュニケーション=組織学習の確認

  • 内部監査の場はコミュニケーションの場として意識され活用されているか。
  • 内部コミュニケーションでの意見交換はフィードフォワード型になっているか。
  • 立場にとらわれず自由に発言できる風通しの良い雰囲気か。
  • さまざまなレベルのコミュニケーションがマネジメントレビューに連結しているか。
  • マネジメントレビューには「悪い情報」も含めてありのままにインプットされているか。
  • 内部監査を含めてコミュニケーションの場は組織学習の場になっているか。
  • 知識創造はどのように行われたか。

このようなことを確認することで、規格に刷り込まれている創造性コードを気づかせ、この仕組みを有効に活用する方向に、要員の意識を向けることが可能です。

リスクを未然に防ぐフィードフォワード

フィードフォワードとはリスクの原因に事前に取り組むこと、予防処置のことで、経営の永遠のテーマであり、経営リスクを未然に防ぐための、財務管理、品質管理、労働安全衛生、製品安全、食品安全、プロセス環境活動、製品環境活動、不良品率低減、エネルギー管理、情報セキュリティなど、これらすべてはフィードフォワード型マネジメントシステムです。

方針・目標達成システムのPDCA

方針・目標達成システム、つまりマネジメントシステムの設計と構築にはFMEAが有効な方法ですが、失敗が起きないように事前に最善の処置をとるべく、計画あるいは現状の失敗の原因になりえる原因要素を洗い出して分析する方法だからです。そのうえでPDCAサイクルを回し、フィードバック型の運営をすることで、ビフォー&アフターが万全になるというわけです。

創造性コードから言うと、「まずフィードフォワードありき」の、マネジメントシステムなのです。だから、2015年版には予防処置の項目がないのです。

システムマトリックスで確認したように、マネジメントシステムでの基本システムの目的は顧客満足です。それは将来システムの顧客創造につながる、未来志向を持っていなければなりません。「明日の顧客満足」を達成するための方針と目標が設定されていること、それがその組織に内在する暗黙知によって具体化する方向でなくてはなりません。

「あるべき姿」のPDCAチェックシート

マネジメントシステムの「あるべき姿」のPDCAについて述べておきます。

PDCA経営環境の変化に即応した未来志向の経営戦略からパフォーマンス評価までの一連の方針によるマネジメントが機能し、各層において何らかの新規性を追究している。
Pトップマネジメントによるマネジメントシステムの計画及び運用へのコミットメントが明確で、中間管理者層との意思疎通も十分である。
D部門ごとのあらゆる情報はトップマネジメントまで上がり、逆に指示情報は内容に応じて末端まで伝達されている。
Dマネジメントシステム支援の文書化は、規模や複雑さに応じて適切であり、必要最低限である。
D主体的な問題解決手法を含めた教育・訓練が体系的に行われ、要員の自律性に立脚した学習を定着させ、必要な知識を獲得し能力開発が実施され、知の共有化が進んでいる。
D顧客とは常時双方向で、情報の性格に応じて確認できる仕組みがあり、将来の満足=ニーズやシーズの情報も収集しており、顧客重視の経営姿勢が顧客からも評価されている。
CA-P業務改善と知識創造及び開発、さらに新製品又は固有技術の開発が自己完結的で、成果が明確に認識されている。
Cプロセス及び製品の監視又は測定の情報が予防処置及び改善活動に反映されている。
C内部監査は組織固有の問題にまで範囲を拡大して展開できており、組織学習の場として定着させている。
C全体の動向を確認できるデータが体系的に加工されており、効果的に活用されている。
CA問題発生の前兆を早期に発見し、不適合の発生を未然に抑えている。
A-P有効性の改善結果が組織の存続と発展の鍵となっている。

この「あるべき姿」の記述は、JISQ9006:2005「質マネジメントシステム‐自己評価の指針」を参考にしています。

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