ファイナンシャル・リスクマネジメント 第8講座 ~退職給付会計と連結決算~

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退職給付会計

退職給付会計では、社内積立か外部積立かを問わず、退職給付に関わるあらゆる資産・負債及び費用などを統一的に把握して、同一の会計処理をすることになりました。

特に、それまではオフバランスであった社外積立に関わる債務が、年金数理計算を行うことを前提に、貸借対照表に計上されるようになりました。つまり、将来払うべき退職給付を一定の割引率で現在価値に置き換えた、時価評価の退職給付債務を基準に、退職給付引当金を計上します。また、年金資産は原則として退職給付債務の控除項目となり、期末時期の公正な時価を求めることが必要です。

時価評価に使う割引率が重要なファクターとなりますが、このほかに予定脱退率、予定昇給率、加入率、死亡率などの基礎率の影響を受けることになります。会計上の影響だけでなく数十兆円を超えるといわれる多額の退職給付に関する積立不足の隠れ債務が顕在化し、大きな影響を及ぼしました。

新会計基準では、退職給付債務について「従業員の退職の事由に基づき、退職後に支給されるものを退職給付債務といい、割引計算により測定する」と定義しています。つまり、一時金支給見込み額と年金支給見込み額とを合算した企業が負担すべき総額を、実際に支給するまでの期間をもとに時価で評価した「退職負債総額の時価評価額」ということで、予測給付債務=PBO:Projected Benefit Obligationの考え方を採用しています。

連結決算

連結決算では、財務諸表の開示主体が個別から連結へと変わり、開示内容もかなり変更になりました。例えば、それまでの資金収支表が廃止される、連結キャッシュフロー計算書、または、キャッシュフロー計算書が基本財務諸表の1つとなる、偶発債務や後発事象などリスク情報も連結ベースで記載する、等々です。

この時、連結の範囲も変更されました。新たに支配力という概念が導入され、議決権の割合だけでなく支配と重要性のある子会社は連結子会社とされるようになりました。非連結子会社は、重要性のない小規模会社、一時支配もしくは利害関係を著しく誤解させる恐れのある会社に限られました。

連結決算での諸条件

連結会社間で会計処理の諸条件が異なる場合や決算日が異なる場合は、原則として会計処理を統一しなければなりませんでした。同一環境下での同一取引等について、統一することが原則で、親会社、子会社どちらかの採用する会計処理及び手続きに統一するということです。なんらかの事情で統一がなされていないときは、連結決算手続き上で修正を行わなければなりません。決算日が異なる場合は、親会社の決算日に正規の決算に準じる合理的な手続きによって決算を行います。但し3ヶ月を超えない場合は例外として、連結子会社の正規の決算を基礎に、調整が行えます。

連結決算での貸借対照表

連結決算での貸借対照表は、親会社と子会社の貸借対照表から、①同じ項目の金額を合算、②集団内部での取引先から生じる項目を相殺して作成します。例えば親会社から子会社に商品を販売した場合とか、子会社の資本の60%が親会社の持分の場合とか、親会社が仕入れた商品を子会社に卸してそれを子会社が販売した場合とか、また子会社の期末在庫は本来親会社の仕入れたものであるとか、さまざまな場合の計算方法があります。

なお、連結決算書には、個別の損益計算書にはない法人税の期間配分調整額、少数株主利益、連結調整勘定当期償却額、持分法による投資損益が計上されます。

連結子会社の範囲

連結子会社の範囲は次のように決められています。
  1. 他の会社の議決権を事故の計算において所有している会社。
  2. 他の会社の議決権の100分の40以上、100分の50以下を自己の計算において所有する会社であって、かつ次の要件のいずれかに該当する会社。
    1. 自己の計算において所有している議決権と緊密な関係がある者及び同意している者が所有している議決権と合わせて、他の会社の議決権の過半数を占めていること。
    2. 役員もしくは使用人である者またはこれらであった者が、当該他の会社等の取締役会等の構成員の過半数を占めていること。
    3. 他の会社の重要な財務及び営業または事業の方針決定を支配する契約等が存在すること。
    4. 他の会社の資金調達額(負債に計上されているもの)の総額の過半について融資(債務保証を含む)を行っていること。
    5. その他、他の会社の意思決定機関を支配していることが推測される事実が存在すること。
  3. 他の会社の議決権の100分の40未満しか自己の計算において所有していない会社であっても、自己の計算において所有している議決権と緊密な関係のある者及び同意している者が所有している議決権と合わせて、他の会社の議決権の過半数を占めており、かつ②の1~5までのいずれかの要件に該当する会社。

<参考>議決権所有の割合の計算式

議決権の所有割合=所有議決権数÷行使可能議決権総数

行使可能議決権総数は、発行済株式総数から単位未満株式数及び自己株式並びに株式相互持合における4分の1超の株式の所有によって生じる議決権を有しない被所有株式を除いて算出される。

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