本稿は、「コミュニケーション」というテーマの中で、ISO 9001規格 におけるコミュニケーションに対する要求事項という形で「ISO9001 :2015 7.4コミュニケーション」について解説します。

コミュニケーションの必要性

コミュニケーションは、あらゆるシーンで必要になりますが、仕事においても円滑に業務を進める上で欠かせません。特に営業や外注管理などでは対外的業務力が要求されますが、社内・社外問わずコミュニケーション不足が原因となるトラブルも増えており、コミュニケーション能力を重要視する企業が増えています。

例えば、担当業務を実施する際に作業ミスを失くす、効率良く処理するために、一般的には以下のような段取りで作業が進められます。

  • ①情報収集 ⇒要コミュニケーション
    作業指示の内容を確認し、作業に必要な情報を収集する。
  • ②事前準備  ⇒要コミュニケーション
    上記①で得た情報を基に、要員や設備機器・モノの手配、必要に応じて作業場所の確保、手順や注意事項・重要事項など事前に確認や承認が必要な手続きは済ませておく。
  • ③担当業務に着手~作業完了
  • ④上司への完了報告および必要であれば関係者に通知。 ⇒要コミュニケーション
  • ⑤社内教育が必要な場合は、随時、教育訓練計画を立て実施する。 ⇒要コミュニケーション

上記のように、一連の作業プロセス(①~⑤)では至るところで状況に応じたコミュニケーションが必要になります。さらに、担当業務の範囲が広くなる程、外部との接点が多くなる程、効果的なコミュニケーション力が必要です。コミュニケーション能力には、自己統制・表現力・解読力・自己主張・他者受容・関係調整の6つの構成要素がありますが、コミュニケーション成果を求めるのでしたら、まずは「話し上手」であることよりも「聞き上手」(読解力・他者受容・自己統制)であることが大切です。
身近なことからでも構いません。日頃からコミュニケーション能力の向上に取り組みましょう。

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外部・内部コミュニケーションの体制づくり

「7.4コミュニケーション」の要求事項とは?

ISO9001:2015「7.4コミュニケーション」では、組織が品質 マネジメントシステムを有効活用するために、外部への情報伝達や、社内での情報共有・情報交換が確実に行われるよう体制を整備するよう要求しています。

また、ISO9001要求事項では、「8.2.1製品及びサービスに関する顧客とのコミュニケーション」や、「8.4外部から提供されるプロセス,製品及びサービスの管理」でもコミュニケーションについての要求がありますが、本稿では要求事項「7.4」に記載されているように、品質マネジメントシステムに関連する社内や社外とのコミュニケーション方法に絞って記載するものとします。
※箇条「8.4」については、ISO9001: 2008では7.4.1購買プロセスに関する要求事項があり、外注業者から調達する資材や物品、業務委託等について触れています。詳細はISO9001: 2008要求事項でご確認いただけます。

■ISO9001:2015要求事項

7.4 コミュニケーション
組織は,次の事項を含む,品質マネジメントシステムに関連する内部及び外部のコミュニケーションを決定しなければならない。

  • a) コミュニケーションの内容
  • b) コミュニケーションの実施時期
  • c) コミュニケーションの対象者
  • d) コミュニケーションの方法
  • e) コミュニケーションを行う人

品質マネジメントシステムに関連して社外・社内コミュニケーションでやりとりされる情報は、組織や事業部門によって様々です。そこで、適切な情報の提供、円滑に事業/業務が遂行できるよう、マネジメントルールとしてコミュニケーションに必要なプロセスを明確にしておきます。

≪プロセスの明確化≫

  • a.社外・社内コミュニケーションで取り扱う情報(内容)
  • b.情報の提供時期を明確にし、迅速に、確実に情報を伝達・共有化
  • c.それら情報を伝達/共有する相手(対象者)
  • d.メールや電話、Web会議、オンラインストレージなど昨今コミュニケーションツールの選択肢も増え、対象者全体のIT環境等も考慮してどのような方法で情報伝達・共有化するか決める
  • e.伝達・共有化したい情報を管理する者(あるいは情報発信者)

≪注意事項≫

  • 情報の伝達や共有では、取り扱う情報によってタイムリーな情報提供、情報の鮮度が要求される場合もあります。要求事項b)実施時期を確実に遵守する仕組みも必要です。
  • トップマネジメントからのトップダウンや一般社員からもタイムリー且つ正確に報告ができる体制づくりも必要です。
  • 在宅勤務者とのコミュニケーション体制づくり

    新型コロナの感染拡大防止対策で都心の大手企業を中心にテレワーク化が推進されています。
    漸く新型コロナワクチンの接種も開始され、仮に半年・一年後に新型コロナが終息したとしても、働き方改革やペーパーレス化(コスト削減)など在宅勤務によるメリットもあるため、テレワークの新規導入・継続する企業は増加することでしょう。

    品質マネジメントシステムにおいても、「7.4コミュニケーション」という条項を拡大解釈し、在宅勤務者とのコミュニケーション体制を早急に見直していかなければなりません。

    社内コミュニケーションを円滑に行うためのツールとして活用できるものを一部紹介します。

    • 一般的には電話やメール、FAX
    • ビジネスチャットツール/グループウェア :
      slack, chatwork, LINE WORKS, WowTalk (ワウトーク)
      Trello(トレロ), Confluence(コンフルエンス), Baklog(バックログ), asana(アサナ)
    • Webオンライン会議: ZOOM, Microsoft Teams, WebEX
    •  

    • オンラインストレージを利用したファイルの共有 :
      Dropbox Business, Google Drive, OneDrive for Business, Fleekdrive(フリークドライブ)
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