今回のテーマは「不適合品管理」です。

本テーマの不適合管理では、内部監査での不適合指摘を「組織全体にかかわる指摘」と「被監査部門にかかわる指摘」に大別し、さらに「被監査部門にかかわる指摘」のうち、製品品質 に直接影響のある製造・生産管理プロセスを中心に取り上げます。

また、ISO 9001:2015では、不適合に関して「8.7不適合なアウトプットの管理」と(10.改善)「10.2 不適合および是正処置 」を要求していますが、本テーマではISO 規格 の観点からではなく、現場目線で不適合管理の実情を捉え不適合再発防止となる是正措置(不適合指摘)を要求できるよう考察します。

以下に、一部になりますが、不適合の事例をご紹介します。
不適合事例を参考に、内部監査で不適合に関する確認事項としてどのような点に留意する必要があるのか、不適合ごとにシチュエーションを考察してみると良いでしょう。被監査部門(現場)が適切に不適合管理できるよう指導することは内部監査員の役割の1つです。

その他、以下の点についても確認しましょう。

  • 是正内容とその効果の確認
  • 過去に講じた是正対策の効果が、現在も継続しているか
  • 是正対策が、新しい作業担当者にどのように引き継がれているのか、教育体制があるか

不適合事例の紹介

品質マネジメントシステム の運用では、PDCAサイクルで様々な不適合が発生します。

≪不適合事例≫

a.文書(記録)管理関連

  • 最新版の管理文書が、部署に適切に配布されていない
  • 管理文書に発行日・識別・保管期間・承認印などがない
  • 手順書において相互の整合性がとれていない
  • 管理文書はコピーコントールされておらず、廃棄すべき文章がそのまま残っている
  • 社内規定などが改訂担当者のコンピューターに保存され、一元管理されていない
  • 品質記録など誰でもその内容を訂正・削除でき、管理が不十分

b.力量管理関連

  • 教育/訓練の年間計画はあるが実施記録がなく、計画通りに実施されているかて評価不可
  • 個別に力量管理基準が設定されておらず、力量評価記録のみ存在する
  • 教育/訓練の年間計画の実施記録はあるが、管理部門長(あるいはトップマネジメント)の承認を受けていない

c.運用の計画および管理関連

  • 製造開始時点で仕様や生産計画が明確になっていない
  • 製品合否判定基準が不明確(都度、合否を決定)
  • 生産計画に対し、進捗管理が不十分

d.製品に関する要求事項に関連して

  • 受注契約時の注文記録がなく、コミュニケーション方法が不明確
  • 受注契約時に、受注内容について明確にしていない(納品先、納品日、支払い方法等)
  • 受発注契確認の記録を品質記録して保管していない
  • どの部門で契約内容を確認するのか不明確

e.製品設計・開発関連して

  • 開発計画に対し、設計・開発の進捗具合が反映されていない
  • 製品要求事項(要求定義)に対し、仕様など変更記録がない
  • 設計など仕様変更時、管理責任者等の承認を受けていない
  • 製品合否判定基準が曖昧、もしくは基準がない
  • 製品検査内容が不明確
  • 製品完成品の品質が製品あるいは顧客要求事項を満たしていない
  • 旧・新図面が混在、最新版の管理が不十分

f.外部業者に関する不適合

  • 外部業者の評価・委託選定基準が不明確
  • 外部業者の評価記録がない
  • 外部委託業者に対し品質基準が不明確
  • 顧客支給品/購入製品に対し、受入検査を実施していない
  • 外部委託業者の納品記録がない
  • g.部材/製品保管に関連して

    • 製品の取り扱い手順、保管場所が明確になっていない
    • 部材/製品に識別がない、製品ロット番号・保管情報等の表示がない
    • 顧客要求あるいは部材メーカーの要求事項に従って温度管理されていない
    • 有効期限の切れた劣化材を使用している
    • 劣化材の管理基準がない

    h.製品検査関連

  • 校正されていない(あるには有効期限が切れた)測定器で検査を実施
  • 校正機器において、校正の有効期限の表示がない
  • 校正機器の台帳管理が不十分
  • 測定器の校正に関する規定が適切に改訂されていない
  • 校正機器の台帳管理が不十分
  • 校正実施記録が不十分(トレーサビリティ体系図がない等)
  • 同測定器において、校正機器と非校正機器が混在して管理されている
  • 過去の校正記録が紛失している
  • 検査記録が手元になく、トレースできない
  • 検査記録に品質保管理責任者の承認印がない
  • 出荷記録に不備があり、管理責任者が不明確
  • i顧客または外部提供者の所有物の不適合

  • 顧客から治具や測定器、図面、仕様書など貸与されることがありますが、貸与日・貸与者(顧客名)・有効期限(精度管理が必要な場合)・貸与期間・返却予定日など貸与情報が管理されておらず、顧客または外部提供者の所有物であることが識別できない。
  • 顧客満足情報など製品品質・サービスに反映させる方法が用意されていない
  • j.内部監査関連

  • 過去の内部監査結果を考慮した監査プログラムが策定されていない
  • 内部監査員の力量管理がされていない
  • 監査員が自身が所属する部署およびの担当業務について監査を実施している
  • 内部監査結果についてマネジメントレビューを受けていない
  • k.不適合製品の管理

    不適合管理の中でも不適合製品と是正処置については、ISO規格では「8.7なアウトプットの管理」と「10.2よび是正処置」で要求しており、不適合製品に対して厳重な管理が必要です。
    不適合製品が発生した場合には原因を究明し、是正措置および再発防止策を講じ、記録を残さなければなりません。2つの要求事項は対セットとして処理する必要があります。

    不適合製品の外部流出(顧客に納品)、適合製品の誤使用を防止するため不適合製品に「不適合」の識別を表示し、保管場所も適合製品と分離します。また、不適合製品を補修して使用する場合は、一般的には顧客指示や規定に従い、上長承認を得て、再検査で合格した場合に限り使用が可能となりますが、その判断・規定等は組織によって異なりますので確認が必要です。

    ≪事例≫

    • 不適合に対して、原因調査、または是正処置・効果が不十分
    • 不適合の再発予防策、または類似不適合発生防止策が取られていない
    • 不適合製品の保管場所が適合製品と同じ場所で、区別されていない
    • 不適合製品の識別が不鮮明
    • 不適合是正処置記録に各担当者のサインや、品質管理責任者の承認印がない
    • 補修した不適合製品が再検査されていない

    品質マネジメントシステムの運用例-2

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