構築したISOを社内組織に浸透させるためにどのようにすれば良いのか?
ISO 規格 のマネジメントシステムがいかに有効で、良いものであったとしても、それが組織に浸透せずに「存在するだけのISO」となってしまっては、意味がありません。マネジメントシステムは、組織を効率的に指揮するためのツールのようなものです。つまり、しっかりと組織の構成員に理解され、実行されなければ、意味がないのです。
今回は、構築したマネジメントシステムを組織にどのようにして浸透させるのかということについて解説していきたいと思います。
そもそも浸透しない理由は何なのか?
マネジメントシステムが組織に浸透しない理由として、最も多いのが以下のようなパターンです。
- 従業員の意識が低く、マネジメントシステム関連の業務を煩わしいと感じている
- 「認証維持」を最重要項目として捉えてしまっている
- 日常業務に手一杯になってしまい、本業に落とし込むことができない
こういったケースでは、マネジメントシステム関連の業務の重要性が組織の構成員に理解されていないことが多いです。こういった問題を解決するためには、以下のような解決策を実行すると良いでしょう。
目標を全員で共有する
そもそもですが、組織とは、「共通の目的を持った人々の集まり」です。そして、「顧客満足」というのは組織の目標を達成するためには必須の事項とも言えるでしょう。
つまり、品質 方針や品質目標を組織内で共有し、どのような考え方で目標を掲げたのかということを組織の全構成員に共有する必要があるのです。これは、もちろん生産部門だけでなく、様々な部門の構成員に共有する必要があります。
現場参加型のマネジメントシステムの構築
マネジメントシステムは、組織を指揮する仕組みだからといって管理部門だけの業務としてはいけません。品質を高めるために本当に必要なことは、管理部門ではなく現場が握っていることは多いですし、管理部門が把握しきれていないこともあります。
社内のあらゆる部門から人を集めて直接話しを聞く機会を設けたりして、マネジメントシステム構築後は今まで以上に現場との連携を取るようにしましょう。
生産・開発部門と顧客との接点を増やす
次に、生産部門や開発部門との顧客や消費者との接点を増やすようにしてみましょう。生産部門や開発部門は普段は消費者・顧客との接点を持たないかもしれませんが、マネジメントシステムへの積極的参加を促すためには、このような機会を設けることも重要です。
もしそれが難しい場合でも、顧客の声を実際に知ることができる機会を多く設けてあげるなどの処置を取り、できるだけマネジメントシステムへの積極的参加が行いやすいような体制を構築してあげましょう。
現場の状況を理解する
マネジメントシステムの具体的な業務は、生産部門などに押し付けてしまいがちですが、生産部門がどのような状況にあるのかということをしっかり理解した上で、各部門が歩み寄ってマネジメントシステムに参加できるようにしましょう。
例えば、繁忙期には業務が煩雑になってしまい、マネジメントシステムへの参加どころではなくなってしまうかもしれません。マネジメントシステムを一つの部門に押し付けるのではなく、サポートしあってマネジメントシステムを運用していく体制を構築することも管理部門の業務なのです。
内部監査への参加
内部監査員 は、ISO担当者が行うことが一般的ですが、各部門から内部監査員を数名ピックアップして参加させることで、マネジメントシステムへの理解が深まるかもしれません。どのような目的でマネジメントシステムを構築し、それが最終的にどのようなことを実現することができるのかということを各部門にイメージしてもらうことで、マネジメントシステムは徐々に浸透していくことになるでしょう。
まとめ
今回は、構築したマネジメントシステムを組織に浸透させる方法について解説してきました。上記で紹介したような方法が必ずしも正解ではないため、「浸透しない原因が何なのか?」ということを明確にした上で、対応策を講じるようにしましょう。
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