SMPQCDで成果を出す

SMPQCDは成果を出す管理ポイントです。Sは安全、Mはモラール、Pは生産性、Qは品質、Cはコスト、Dは納期のSMPQCDです。
マラソン大会の管理ポイントをSMPQCDで整理しますと、
S:安全でよく整備された
Q:良いコースが造られ
M:選手の士気を高めるバックアップが行なわれ
D:計画されたプログラムにしたがって運営がなされて
P:新記録などの良い成績が出されて
C:運営コストが工夫して抑えられれば
結果として大会は成功だったと評価を受けます。
組織におけるリーダーは成果を出すために、こうした管理ポイントの管理を日常業務において行っていかなければなりません。

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SMPQCDを詳しく定義します。

S(safety)
作業における、部下やその他の人の安全の確保であります。危険な作業のある仕事場の場合には特に必要ですが、事前に作業場の危険を予知して、その予防策を講じておくという訓練、危険予知訓練(KYT)が有効です。

M(moral)
仕事に熱心に取り組むように動機づけを行います。部下の意見を聞き、部下が上げた成果を褒め、あるいは犯した失態は叱り、次には成果を挙げられるように叱咤激励をし、結果への評価に対応したアクションを実施します。価値観の基準を示し、行動規範を設定します。

P(productivity)
一人当りの生産性を高めるために、部下の能力・技術・力量の向上を図り、またプロセスの改善を工夫し、さらに新しい知識・技術の習得・開発を促します。またOJT・内部コミュニケーション・マニュアル・手順書・要領書などを利用して、作業レベルの標準化を図って、個人による生産性のばらつきを減らします。

Q(quality)
蓄積できた知識・知見・ノウハウを、部下に公開して教育を行い、仕事の品質を保ち向上させます。また部下同士の知識や知見、ノウハウの相互伝達も促し、必要に応じて文書化し、品質の維持と向上のため情報の共有化を図ります。

C(cost)
全体の生産性を高め利益を確保するために、コストを管理し、無駄な出費やエネルギー及び資源の浪費を減らします。労務管理も行い、労働コストの提言も図ります。

D(delivery)
決められた納期に製品が納まる、あるいは期限までに作業が完了する、そのために仕事のやり方を決め、部下に何をすれば良いか、指示を与え、プロセスを管理し、さらに納期を短縮するためにプロセスの改善も工夫します。

ではこれを建築工事の電機配線工事を請け負う業務について、例えば5人の部下を持つ現場職長の場合を例にして整理してみます。

S:配線工事のその日の現場について、まず危険予知(KY)を実施して、不安全状態があればこれを改善するように指示をし、作業に当たって危害を及ぼすかもしれない状態を、そのリスクを除去もしくは低減する対策を講じます。さらに、そのほか作業に当たって気をつけなければならない箇所を相互に指摘させるなどして、作業中の事故を未然に防ぎます。


M:部下それぞれの力量 と作業の技術レベルを把握し、技術の向上や作業のスピードアップがあればこれを褒め、一方で作業上のミスを犯したときは部下を冷静に理知的に叱責し、叱咤激励して次に同じ失敗を繰り返さないようにOJTまたはOFFJTでポイントの急所を教え直し、熱心に取り組むように気持ちを前向きにさせて士気を高めます。


P:部下に現場作業のほとんどを任せて、自分は作業の品質維持と向上、そしてスピードアップを監督しながら、他の工事との調整などを行う中で、無駄のない人員配置を心がけて、現場の作業生産性を高めます。また部下の作業技術向上のためには、新しい工具や機械を検討し、必要なら上司に調達を具申したり、新しい作業技術についても研究をしたりして、必要なら開発または導入を促し、作業水準の付加価値の向上にも腐心します。


Q:配線作業の品質維持に関わるポイントに重点をおいて、作業分解をして作業のマニュアルまたは要領書を作成し、部下にその技術を伝え、監督し、品質の維持を図ります。


C:全体の生産性を高め利益を確保するという意識で、現場のコストを管理し、作業の失敗によるムダをなくすように部下を指導し、残業を減らして労働コストも抑え、利益管理のできる現場にします。


D:作業のスピードアップを図るポイントを重点的に、作業分解をして作業改善を検討し、また作業のコツを部下に教え、督励し、作業のスピードアップを図ります。


現場の職長は、まず現場で、現場をよく見て、現場で発想し行動することを基本に、自分自身の仕事への価値観を持ち、それを部下に伝え、褒め、叱り、教え、意見を言わせ、そんなコミュニケーションを通じて部下に影響を与えて、部下の資質を向上させ、部下を通して現場で成果を出し、会社全体の目標の達成、目的の成就に貢献することが任務です。「現場ではトップである」という意識を持って良いのです。

ISO 9001:2015規格 8.1 運用の計画及び管理には「組織は,次に示す事項の実施によって,製品及びサービスの提供に関する要求事項を満たすため,管理しなければならない。d) b) の基準に従った,プロセスの管理の実施」とあります。この管理にあたって、SMPQCDの手法は有効です。

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