企業がSDGsに取り組むメリット・デメリットとは?
- SDGsは社会貢献活動にあたるため、取り組むことで対外的なアピールに
- SDGsに安易に参入するとデメリットが大きくなる可能性がある
SDGsへの取り組みは、企業イメージの向上や売上高拡大などさまざまなメリットをもたらします。一方で、SDGsの目的に適していない施策や、自社に合わない施策を実施していると、必要以上に従業員の負担が増えたり、コストがかかったりするなどのデメリットもあります。SDGsへの取り組みにおけるメリット・デメリットとはどのようなものなのでしょうか。
この記事では、SDGsのメリット・デメリットについて解説します。
目次
SDGsとは?全世界で取り組むミッション
SDGsとは、国連で決定された17の目標からなる「持続可能な開発目標」です。
英語のSustainable Development Goalsの略で、頭文字をとってSDGs(エス・ディー・
ジー・ズ)と呼ばれています。
SDGsは国連に加盟する全ての国々で批准されており、「誰一人とりのこさない」をテーマ
に世界的に取り組むべき目標として定められています。日本でも政府がSDGsへの取り組
みを表明しています。各企業でも取り組みが活性化してきており、地域の自治体での取り
組みも増えてきました。
このように、SDGsは、国やセクターを越えて、企業を含めた全員が取り組むべきミッシ
ョンなのです。
企業のSDGs参入を各団体が支援
政府・経団連・日本商工会議所などさまざまな団体がガイドラインの発行や制度を設けるなど、企業のSDGs参入を支援する取り組みを行っています。
補助金・助成金
・地域まちなか活性化・魅力創出支援事業費補助金
経済産業省が民間企業を対象に給付する補助金で、中心市街地を活性化するため、波及効果の高い複合商業施設等の整備等を支援します。
中小企業・SDGs ビジネス支援事業
独立行政法人国際協力機構(JICA)が提供する助成金です。
開発途上国でのビジネス展開のための基礎調査、案件化調査、普及・実証、ビジネス化事業についてJICA による支援(上限金額はスキームにより異なります。)が受けられます。
キャリアアップ助成金
厚労省が条件を満たした企業に提供する助成金です。
非正規雇用労働者の正社員化、処遇改善の取組を実施した事業主に対しての助成金制度です。「正社員化コース」、「賃金規定等改定コース」など、7 コースがあり、事業主の申請に対して、審査が行われます。
表彰制度
・ジャパンSDGs アワード
首相官邸と外務省が主体となって実施しており、SDGs関連では最も格式のある表彰です。SDGsの達成に向けて優れた取組を行う企業・団体等を、すべての国務大臣からなるSDGs推進本部が表彰する制度です。
・環境 人づくり企業大賞
環境省の主体により、国内の企業を対象に表彰を行うものです。地球環境と調和した企業経営を実現するため、環境保全や社会経済のグリーン化を牽引する人材、つまり環境人材を自社で育成するための優良な取組を行う企業を表彰するものです。
・青少年の体験活動推進企業表彰
文部科学省により、社会貢献活動の一環として、青少年の体験活動に関する優れた実践を行っている企業を表彰する制度です。
登録制度
・エコマーク
有名な登録制度に「エコマーク」があります。
エコマークは、公益財団法人日本環境協会エコマーク事務局が主体となって実施しています。さまざまな商品(製品およびサービス)の中で、「生産」から「廃棄」にわたるライフサイクル全体を通して環境への負荷が少なく、環境保全に役立つと認められた商品に「エコマーク」のラベルをつけることができる登録制度です。
・地方創生SDGs 登録制度
内閣府地方創生推進室が主体となって実施しており、SDGs に取り組む民間企業を登録・認証する制度です。
・健康経営優良法人認定制度
経済産業省が主体となって認定している制度です。
健康増進に取り組む企業を対象としており、認定されると、ロゴマークの使用が認められるほか、金融機関などからの融資優遇等のインセンティブ、自治体等の融資優遇や保証料減額や表彰など、さまざまなメリットがあります。
SDGsに参入することで、支援を受けられる可能性があります。また、国や経団連などもSDGsを推進していることは、企業が参入するにあたり、大きな後押しになるでしょう。
企業がSDGsに取り組むメリットとは?
企業がSDGsに取り組むことは、どのようなメリットがあるのでしょうか。
事業の拡大
SDGsは巨大なビジネスチャンスでもあります。特にカーボンニュートラル領域は、週刊ダイヤモンドの調査によるとグローバルで3,000兆円もの巨大市場になると言われています。ほかの領域でも、例えばその他、働き方改革や健康経営の推進など、さまざまな事業の可能性があるでしょう。そのため、SDGsへの参入は事業を拡大することにつながります。
企業イメージの向上
SDGsは世界中で推進すべき目標として定められており、その活動は、社会貢献につながるため、企業イメージの向上につながります。また、企業イメージが向上することはブランディングにつながり、売上の向上や従業員のモチベーション向上にまで影響する可能性も含んでいます。
ESG投資の評価につながる可能性
資金調達がしやすくなるというメリットが挙げられます。
近年は投資家もESG投資に注力するようになっており、ESGにおいてスコアの高い企業は資金調達がしやすくなる可能性があるのです。
SDGsに取り組むことで起こり得るデメリットとは?
メリットが大きいSDGsへの取り組みですが、デメリットとしては、どのようなリスクがあるのでしょうか。
従業員の負担の増加
企業がSDGsに取り組む場合、新たな業務の発生によって活動のための経営資源を割く必要が出てきます。
懸念事項としては、従業員に対する負担です。
人材不足が問題視されている現代では、メインとなる事業活動とSDGsのバランスをとる必要もあり、場合によっては人員配置や新規採用なども視野に入れる必要があるでしょう。
SDGsの活動は非常に多岐にわたります。範囲を見誤ることも従業員の負担につながるため、自社が取り組むべき活動の長期的な計画を立てることが大切です。
コストの発生
新規ビジネスに取り組むコスト、商品・サービスの開発におけるコストや社員への理解度を深めるために、研修費などの人件費などのコストが発生したりする場合があります。
また、金銭的なコストだけでなく、SDGsの計画策定や見直しなどの、作業工数や時間的なコストが発生すると考えられます。SDSsへの取り組みは、企業によってはコストに見合わない可能性もあり得ます。
本業の売上や利益の減少
SDGs施策を実施することで、社会貢献につながります。しかし、そちらを重視しすぎるあまり、本業に割くべき社内リソースをSDGs施策に費やすことで、本来得ることができたはずの本業の売上や利益が減少し、会社経営に支障が出る可能性があります。
SDGsは持続的な発展を掲げています。そのため、自社で実施可能な範囲を見極めることが必要です。デメリットはできるかぎり最小限に、その上でメリットを受けられるようにするために、計画的な実施を心がけましょう。
SDGsビジネスを成功させるために、まずは専門家に相談を
世界中でSDGsへの取り組みが行われています。
SDGsは、誰もが取り組むべき事業戦略上でも重要な課題として、国連は「誰一人取り残さない」と宣言しています。
世界中の国々が取り組む課題として、企業にもその取り組みが強く求められています。しかし、継続的な発展を実現するためには、自社に適した取り組み方で実施することが必要といえます。そのため、SDGsにはメリット、デメリットがあることを理解するのがとても重要です。
メリット・デメリットを正確に理解し、自社に適した形を見つけるためには、専門家のサポートを受けることがおすすめです。
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