2015年版ISO経営で企業は変わる 第2講座~2015年版の改定~

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2015年版改定は経営戦略に関する要求事項を強化

2015年版の改定では、2000年版の序文にあった経営戦略に関する事項についてまで、要求事項として強化されました。2015年版では、まず8原則が7原則に改められました。規格の要求事項はこの原則を実現する方法論でありツールです。

  1. 顧客中心
  2. リーダーシップ
  3. 人々の力量と関与
  4. プロセスアプローチ
  5. 改善
  6. 情報に基づく意思決定
  7. 関係性マネジメント

そして2015年版では、すべてのISOマネジメントシステム規格の設計基準として、MSSの構造が以下のように決定されました。
序文(Introduction)

  1. 1.適用範囲(Scope)
  2. 2.引用規格(Normative references)
  3. 3.用語及び定義(Terms and definition)
  4. 4.組織の状況(Context of the organization)
    1. 4.1組織及びその状況の理解
    2. 4.2利害関係者のニーズ及び期待の理解
    3. 4.3 XXXマネジメントシステムの適用範囲の決定
    4. 4.4 XXXマネジメントシステム
  5. 5.リーダーシップ(Leadership)
    1. 5.1リーダーシップ及びコミットメント
    2. 5.2方針
    3. 5.3組織の役割、責任及び権限
  6. 6.計画策定(Planning)
    1. 6.1リスク及び機会への取り組み(Actions to address risks and opportunities)
    2. 6.2 XXX目的及びそれを達成するための計画策定
  7. 7.支援(Support)
    1. 7.1資源
    2. 7.2力量
    3. 7.3認識
    4. 7.4コミュニケーション
    5. 7.5文書化された情報
    6. 7.5.1一般
    7. 7.5.2作成及び更新
    8. 7.5.3文書化された情報の管理
  8. 8.運営(Operation)
    1. 8.1運営計画の策定及び管理
  9. 9.パフォーマンス評価(Performance evaluation)
    1. 9.1監視、測定、分析及び評価
    2. 9.2内部監査
    3. 9.3マネジメントレビュー
  10. 10.改善(Improvement)
    1. 10.1不適合及び是正処置
    2. 10.2継続的改善

追求し、目指す目標達成システムの姿

2015年版の構造を、佐藤允一による問題構造学の経営システムズアプローチのモデルに落とし込んでみると、2000年版よりもしっくりとはまりました。
企業は社会システムとして、置かれた社会状況の文脈(Context)の中で自らの目的と役割を決定し成就することが、社会システムである組織の使命です。そのあり方の維持と発展のための優れた経営ツールがISOマネジメントシステム規格であります。その中心核はリーダーシップによって追究される、成就すべき組織の目的・方針です。どんな価値を創出し、市場に、社会に提供するのか、それが企業の目的と事業ドメインを決定します。

これは経営理念・経営戦略そのものですが、こうした経営の上位概念から方針と目標は導き出されなくてはならないのです。この枠組の提供を規格は5.リーダーシップで求めています。従って各階層の年度単位目標は4.1の課題にリンクし、これを達成することによって目的・方針が成就される、そうした目標でなければならないということです。

実際に設定されている品質の方針と目標で最もありがちな、方針=品質第一、目標=不良品及びクレームゼロ。それは重要なことですが、これだけでは組織は発展しません。

トップは環境の変化に応じて戦略として活動ドメイン=顧客、提供する価値、チャネルの設定を検討し、変更し、組織の目的を再定義しなくてはなりません。それに従って製品アイテムも、方針も目標も変わります。マネジメントシステムはこのプロセスがあって初めて創造性のエンジンがかかるのです。

環境分析⇒ドメインの再定義⇒目的の再定義⇒経営理念、これはCI=コーポレートアイデンティティ作成でのMI=マインドアイデンティティ構築プロセスです。

普段はドメインや目的の再定義、経営理念の再検討はあまり行いません。しかし、経営者は常に目的の再定義を考えていなければ、環境の変化に対してタイミングを逸してしまう恐れがあります。逃すと大変な危機に直面する事態もあるのですから、それに備えることが重要なのです。2015年版は、4.組織の状況で、5.リーダーシップのために、組織の置かれている状況とニーズ及び期待の理解を求めます。

CIの視点と同じく2015年版でも、サービス提供、製品実現、品質保証などの計画実行は下部システムです。トップは組織の将来ビジョンとミッションを確立して方針で示し、目標の整合性と達成計画、その結果を吟味して枠組を見直します。この流れが4.組織の状況、5.リーダーシップ、6.計画策定、9.3マネジメントレビューの流れです。方針によるマネジメントはここが源流です。

マネジメントシステムは方針⇔目標⇔達成のシステムです。末端の個々の目標を達成し、その積み重ねによって全体の方針を実現し、社会システムである組織の目的を実らせ、意図した成果を達成してトップの想いを満たす、それが存続と発展の方程式です。

この記事の著者
清水正敏(ISO マネジメントシステム構築運用コンサルタント /ISO 品質システム&食品安全システム審査員)
平成15年ISO品質システム審査員登録、平成20年からQMS 審査員としていくつかの審査機関の審査に従事。システム論と問題解決技法とを統合したマネジメント手法によるマネジメントシステム構築と運用の支援を標榜し、コンサルタント及び研修講師、審査員を勤める傍ら、取材・文筆など多方面で活躍。主な著書は『竹輪の頭はどっち?!』(メタブレーン)『ISO 審査革命』(オンブック)など。

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