2015年版ISO経営で企業は変わる 第4講座~規格適合の基本的な考え方~
存続、成功のための原則
組織や企業を存続させ、成功に導く基本には、系統的で目に見える方法によって運営管理をする必要性があります。とりわけ規格 適合の品質 マネジメントシステムを構築して運用することが基本です。
7つの原則という考え方
ISOには7つの品質マネジメントの原則という考え方があります。
- 顧客重視:現在及び将来の顧客ニーズを理解し予測して、顧客要求事項を満たし、顧客の期待に応えるよう努力するべきである。
- リーダーシップ:組織の目的、方向及び内部環境をひとつに纏め上げる責任と権限があるリーダーは、強い決意で臨む。
- 人々の積極的参画:全ての階層の人々が、全面的に参画して顧客満足のためにその能力を生かす。
- プロセスアプローチ:関連する経営資源と活動がひとつのプロセスとして運営され、より効果的に結果を生む。目標に対し、相互に関連付けられたプロセスからなるシステムを明確にして、理解し、運用して、組織の有効性と効率性に貢献する。
- 改善:永遠の目標は永続的改善である。
- 客観的事実に基づく意思決定:データ及び情報の論理的または直感的な分析によって意思決定をする。
- 関係性管理:組織及び供給者の価値創造力は互恵関係のよって高められる。
規格適合の経営者の決断
認証取得の動機は、取引や輸出に必要といった外部的要因と、社員の意識改革や社内の組織・文書整備・業務の効率化など内部的要因の二つがあります。企業全体で取り組む活動で、経営者の規格適合の決断次第と言えます。
決断とは次の3点を明らかにすることです。
- 規格適合の目的を明らかにする。
- 認証取得期日を明らかにする。
- 推進責任者を任命する。
事前のシステム水準チェック
事前のシステム水準チェックには5段階評価手法があります。
A)ISO規格適合を維持・改善の目標水準
→どれくらい有効で収益力などに反映されているか。
B)ISO規格適合に合格の水準
→システムとしてまとまりの良さ・美しさはあるか。
C)システムは合格であるが部分的に欠陥がある
→欠陥は軽微な不適合か、観察事項か。
D)システム未達成の水準
→システムが、首尾一貫しているか、まだ属人化しているか。
E)システム構築の意義を理解すべき水準
→勉強や意識改革の必要度。
- 企業の現状の評価
- 文書の完成度レベルの評価
- システム実施のレベル評価
- ISO9000シリーズ適合程度の評価
当然のことですが、導入の前はD)評価かE)評価、高くてもC)評価ですが、意外とC)評価が多いと思います。
品質問題の把握
品質問題に関するデータがあればそれを分析してみます。そのデータは極力現象を正確に記述したもので行います。
- データを集める。(なるべく多く、有為性が発生しないように)
- データをよく読み込む。
- 発生原因、解決策などテーマ別に分類する。
- 分類ごとに数の多い順に並べてみる。
- 枚数の多い順に、何が共通項か、どうすれば良いかを考える。
これらのデータは、品質マネジメントシステムを構築する際にその性格づけのバックデータとなります。
専任者を置くべきかについては、要員数が100人を超えるか否かを分岐点に考えます。しかし、100人を超えたら必ず置く、というものではありません。
現状システムの実態把握
自社業務の実態をチャートなど目に見える形に表わしてみるために業務分析を行います。このチャートやダイアグラムは基本文書に加えられます。
業務分析
(1)業務を大きくプロセスに分けて一覧表にする。実際の業務分析は各職場の責任者が参加して行います。
(2)各プロセスの中の基本作業を順番に記述し一覧表にする。
(3)プロセスと情報の流れを一体としたフローをダイアグラムにする。
(4)業務フローと同じ内容を入出力手順書として5W1Hで記述する。
(5)業務で使用されている帳票類名を記述する。
(6)問題点として以下の項目が認識されることが多い。
- 業務フローダイアグラムと実際の入出力手順との整合性がとれない。
- 業務フロー、入出力手順書に出てくる帳票類と実際が一致しない。
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