ISOのパフォーマンス評価と監査 第3講座~プロセス監査の進め方とパフォーマンス指標~

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プロセスの定義

プロセスの定義については、規格は序文で、プロセスアプローチを次のように定義しています。

インプットの源流⇒インプット⇒活動⇒アウトプット⇒アウトプットの受領者」

活動には、施設、要員、設備・機器・道具、指示・仕様などの特性情報、及び方法、条件、手順、基準、責任、記録が必要です。

「プロセスアプローチの適用により、要求事項の理解と充足、付加価値からのプロセスの検討、効果的なパフォーマンス、プロセスの改善が可能に」なります。

プロセス監査

プロセス監査での確認事項の質問ステップは下記のようになります。

  • 要求されるインプット及びアウトプットはどのように定められているのか?
  • インプットを目的に適うアウトプットに処理するのにはどのような活動が必要なのか?
  • プロセス内の活動の連携及び相互関係はどのようになっているのか?
  • それぞれの活動の計画がその通りに実施されているのか?
  • プロセスの管理項目、パフォーマンス、及びその監視・測定基準は明確になっていて、どのように実行しているのか?
  • 必要な資源が必要なところに適切に提供されているのか?
  • パフォーマンスについての分析・評価が行われているのか?
  • 問題が発生した場合には、適切に是正・予防処置がとられているのか?

プロセスのパフォーマンス評価

プロセスのパフォーマンス評価には指標が必要です。

組織は、プロセスのパフォーマンスを日常的に監視又は測定するためのパフォーマンス指標( Performance Indicator)を決定し、プロセスが適切に維持されているかどうか、又は改善の余地があるかどうかを判断するために、これらを監視又は測定しなければならないのです。

パフォーマンス指標とは、これらの指標でプロセスの活動が適切に実行されているかどうかを客観的に評価できますので、プロセスの活動状況及び成果を判断するための指標として、プロセスの機能を考慮して定めます。指標にはマネジメントシステムに関する指標もあります。

パフォーマンス指標の例には次のようなものがあります。

  1. プロセスに関するパフォーマンス指標の例
    • 設計プロセス:設計ミス件数、設計納期遅れ日数・・・
    • 生産プロセス:人的ミス件数、滞留平均個数、納期遅れ件数・・・
    •   

    • 設備保全プロセス:リスク発生件数、保全計画遅れ日数・・・
    • 購買プロセス:受入検査不適合件数、納期遅れ日数・・・
  2. マネジメントシステムに関するパフォーマンス指標の例
    • 顧客満足度、クレーム件数、コスト低減率、品質損失金額、納期達成率・・・
    • 市場シェア、製品ライフサイクル、利害関係者のニーズ・期待、事業計画、品質保証、コスト、生産量・納期、生産性、製品安全、環境影響、労働安全衛生、情報セキュリティ、などの経営要素に関する指標・・・

経営課題により、どのような指標を測定・監視するのかを決定します。

パフォーマンス評価の違い

パフォーマンス評価の違いの監査事例です。

A)一般的なQMS監査:製造現場でQC工程表に基づいて監査をしていたところ、作業標準には手順までは規定していなかったので、作業者Aの手順と作業者Bの手順が相違していましたが、適合と判断します。
⇒パフォーマンス評価のQMS監査:作業者Aの手順と作業者Bの作業プロセスが相違していましたので、やり方が違うことで問題が発生したことはないかを確認をとったところ、まれに発生したことがあったと説明がありました。
そのため、製品の品質に影響を与えているのであれば、改善する必要があると提言します。
B)一般的なQMS監査:出荷梱包作業の監査で、この作業を作業手順書で確認したところ手順どおりに、梱包に添付している表示のチェック5箇所を2名で行っており、適合と判断します。
⇒パフォーマンス評価のQMS監査:作業手順書の手順どおりでありましたが、なぜダブルチェックを行っているか確かめたところ、昨年チェックミスがあったためそれ以来ダブルチェックを行っていると回答がありました。
その後、問題が発生していないのかを確認したところ、問題は発生していないとのことでした。よって、ダブルチェックは効率性向上に反するので、1名でチェックできるようポカヨケを行ったほうが良いと提言します。

パフォーマンス評価の監査

パフォーマンス評価は、プロセスやマネジメントシステムの活動結果が、どのようなアプローチの結果なのかを、活動⇒計画⇒背景までトレースして確認することで可能になります。

トレースの結果、要求事項を満たしていなければ不適合ですが、要求事項を満たしていても、現在行っている手順があまり効果的でない、効率的でない、この手順で進めると上位方針や課題から見て将来問題につながる恐れがあると判断した場合には改善提案を行うことです。

改善提案のためには、まずはムダ、ムラ、ムリに着目します。このように監査員は経営的な視点を持ち、監査技術の力量が高くなければパフォーマンス評価につながる監査を行うことは難しいのです。

そのために

①パフォーマンス評価の目的を明確にします。

監査に何を期待しているのかを明確にするとともに、監査員の力量保証を行い、その意図を監査に反映させます。

目的の例:目標達成状況とその背景から改善すべき問題を検出し、プロセスの能力の改善と、パフォーマンスの継続的改善を図る。

②パフォーマンス評価に関する次のような監査員の力量が必要です。

a) 固有知・固有技術の理解
監査対象プロセスの基本的な固有知・固有技術を理解すること。
b) 管理技術の理解
監査対象プロセスに必要な構成要素と管理項目を理解すること。
c) 監査技術の研鑽
結果からプロセスを確認する技術(プロセス分析力)があること。
d) 監査経験による力量
現場での監査経験を積んだ質問力、想像力、着眼力を発揮すること。

このように専門性の高い監査になりますので、専門家にお任せください。

この記事の著者
清水正敏(ISO マネジメントシステム構築運用コンサルタント /ISO 品質システム&食品安全システム審査員)
平成15年ISO品質システム審査員登録、平成20年からQMS 審査員としていくつかの審査機関の審査に従事。システム論と問題解決技法とを統合したマネジメント手法によるマネジメントシステム構築と運用の支援を標榜し、コンサルタント及び研修講師、審査員を勤める傍ら、取材・文筆など多方面で活躍。主な著書は『竹輪の頭はどっち?!』(メタブレーン)『ISO 審査革命』(オンブック)など。

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