プライバシーマーク(Pマーク)を取得するためには、規格 要求事項に対応し、マネジメントシステム を構築することが必要です。

プライバシーマークの取得を目指す企業は、「取引先から認証取得を求められた」、「官公庁の入札案件の加点対象になるから」といった外部から要求を受けたことがきっかけになっていることも多いでしょう。しかし、この他にもさまざまなメリットやデメリットがあります。

そこで、この記事ではPマーク取得のメリット・デメリットをはじめとし、取得企業数、ISO27001 とどちらを取得すべきかについて解説します。

Pマークを取得するメリット

Pマークメリット

結論から言うと、Pマークを取得することで以下のようなメリットが得られます。

  • 取引先や顧客からの信頼度向上
  • 取引先の拡大
  • 官公庁案件の入札加点対象になる
  • 個人情報の流出によるリスクを低減することができる
  • マネジメントシステムの構築によって、余計な予算を使わなくて良くなる

これら一つ一つについて以下で解説していきましょう。

取引先や顧客からの信頼度向上

Pマークを取得するということは、個人情報保護マネジメントシステムを構築して第三者認証を受けるということですから、「しっかりと個人情報を管理し、自主的かつ継続的にセキュリティ水準を改善している組織なのだ」ということをアピールできます。

取引先の拡大

Pマークの取得が取引の条件になっている企業もあるため、Pマークを取得している組織は、取引先の候補として一歩前進できます。
競合他社との差別化にもつながるため、競争優位性の確保にも役立つでしょう。

官公庁案件の入札加点対象になる

官公庁案件の中には、特定の認証を取得している場合に入札加点対象となる場合があります。こういった案件の獲得を積極的に目指す場合はメリットとなり得るでしょう。

セキュリティリスクを低減できる

プライバシーマークは、個人情報保護に特化したマネジメントシステム規格であり、国内ではそれなりに評価を得ているものです。
手当たり次第にセキュリティ対策を行っている企業と比較すると、Pマークを始めとするマネジメントシステムを構築している企業の方が、効率良くセキュリティ体制を確立できるため、セキュリティリスクが低減します。

余分なコストの削減

Pマークにしたがってマネジメントシステムを構築することで組織は合理的な判断のもと、セキュリティ対策を施していくことができるようになるのです。

つまり、リスクをしっかりと評価した上で対応しなくて良いリスクは受容し、優先度の高いリスクに対して適切な対処を行うことになるため、余計な予算を使わずに事業の持続的発展を目指すことができるのです。

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Pマークを取得するデメリット

Pマークのデメリットには、以下のようなものが挙げられます。

工数や負担がかかる

Pマークを取得するには、Pマークの要求事項を満たす個人情報保護マネジメントシステムを構築・運用することが必要です。

全社的に個人情報保護に関するセキュリティ体制を見直すことが求められるため、多くの工数や負担がかかります。

費用がかかる

Pマークを取得するには、「審査費用」が必ずかかります。また場合によっては「コンサルティング依頼料」「設備投資費」なども必要になることもあるため、十分な資金の準備が必要です。

審査費用は事業規模により大きく異なり、約5万円~100万円です。大規模な企業であればあるほど、審査費用も高額になります。

Pマークにかかる費用については、以下の記事をご覧ください。

関連記事:Pマークの取得費用は?内訳や費用を抑えるポイントを解説

現状に合ったマネジメントシステムを構築できない可能性がある

Pマークは、認証範囲は原則法人単位(全社)で取得する必要があります。 また、Pマークは個人情報保護法をベースに制定されており、規格外の運用が認められていないため、柔軟性が低い規格です。 こうしたPマークの特徴から、自社の現状に合ったマネジメントシステムを構築できない可能性があります。

Pマークの取得企業数・取得事例

ここでは、Pマークの取得企業数や実際に取得した企業の事例を紹介します。

取得企業数

Pマークの取得企業数は、Pマークを運営しているJIPDEC(日本情報経済社会推進協会)のホームページから確認できます。

2024年7月21日現在、Pマーク付与機事業者数は17,668社と、多くの企業がPマークを取得しています。
国内規格であるため、取得企業はすべて国内に活動拠点をもっている事業者です。また取得が多いのは、サービス業を中心としたBtoC企業です。

参照:JIPDEC(日本情報経済社会推進協会)のホームページ(外部リンク)

取得事例

それでは、実際にPマークを取得した株式会社菜友の事例を紹介します。

株式会社菜友は、自治体の学校給食に関する業務をトータルサポートするコンサル業務を行う企業です。

もともと情報資産全般の保護を目指すISO27001を取得していましたが、お客様の増加に伴い、請負業務の要望において多岐にわたる個人情報を取り扱う機会が増えてきました。

その結果、安全な個人情報の取り扱い体制を構築する必要性を感じ、Pマークを取得したとのことです。Pマークを新たに取得してからはISO27001と異なる個人情報に特化したルールを設けたことで、従業員一同が個人情報の取扱いに対する意識がより向上しました。

株式会社菜友の取得事例の詳細は、以下の記事をご覧ください。

関連記事:「お客様のため」を突き詰めて。4規格を運用する給食コンサル会社
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PマークとISMS認証(ISO27001)はどちらを取得すべきか

PマークとISMS 認証(ISO27001)はどちらを取得すべきかについて解説します。

PマークとISMS認証の違い

PマークとISMS認証の違いを以下にまとめました。

Pマーク ISMS認証(ISO27001)
規格 JIPDECが運営する日本独自の国内規格 ISOが運営する国際標準規格
対象 個人情報 個人情報を含む情報資産すべて
取得範囲 原則、企業全体 企業全体や一つの部署、支店に限定するなど自由に決められる
要求事項 手順や作成文書が要求事項によって定められている 満たすべき事項は定められているものの、手順は定められていない
セキュリティ対策 画一的に定められている 自社の現状に応じて、ある程度の幅が設けられている
審査費用 一律で決められている 審査機関によって異なる

PマークとISMS認証の違いを詳しく知りたい場合には、以下の記事をご覧ください。

関連記事:PマークとISO27001取得するならどっちがいい?6つの項目を比較

PマークとISMS認証のどちらを取得すべきか

PマークとISMS認証のどちらを取得すべきか、という問いに対する明確な答えはありません。両者の特徴や違いを理解したうえで、自社に適した規格を取得すべきです。

以下に、どちらの規格の取得が適しているかについて、企業の特徴をまとめています。取得を検討する際の参考にしてください。

Pマーク取得がおすすめの企業の特徴 ISO27001取得がおすすめの企業の特徴
  • 現在かつ将来的にも、国内のみで事業を営む企業
  • サービス業のBtoC企業
  • 個人情報に関する取扱いが多い企業
  • 個人情報保護に特化したセキュリティ体制を構築したい企業
  • 現在(または将来的に)、海外での事業展開を行っている(行いたい)企業
  • 情報サービス(情報技術)業や金融業、人材派遣業のBtoB企業
  • 個人情報だけでなく、情報資産全般のセキュリティ体制を強化したい企業

まとめ

この記事では、Pマークの取得メリット・デメリット、取得企業数などについて解説しました。Pマークの取得を検討している場合には、ISMS認証と比較したうえで、自社に合った規格を選択しましょう。
Pマーク取得のデメリットを最小限に抑え、メリットを最大限享受するためには、プロのコンサルに取得サポートを依頼することがおすすめです。

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