• ISO27001(ISMS)の取得企業数は年々増えている
  • ISO27001(ISMS)は情報サービス業や人材派遣業などの個人情報や機密情報を取り扱う業種で取得が進められている

自社にとってISO27001 の取得の必要性に疑問を感じていませんか。ISO 27001は情報セキュリティマネジメントシステムの構築と運用をすることで情報セキュリティリスクから情報資産を守ることを目指しており、進化し続けるIT社会においても実用的な国際規格 となっています。

この記事では、ISO27001の取得企業数や取得が多い業種、日本国内の現状と、その必要性について解説します。

ISO27001(ISMS)の取得企業数


ISO27001を取得する企業は年々増加しています。情報漏洩などの問題が発生している昨今では、情報セキュリティの重要性が高まっているからです。

ISO27001の認証取得は、情報セキュリティシステムを構築する上で不可欠です。また、ISO27001の取得によって、企業の情報セキュリティへの信頼性を確保できます。

そのため、社会全体で情報セキュリティが重視される中で、ISO27001の取得企業数が増加している状況です。

ISO27001と似た意味を持つ言葉としてISMSがありますが、ISO27001は規格を指し、ISMSは情報セキュリティを管理する仕組みを指す言葉となります。これら2つの言葉の違いについては下記記事をご参照ください。

関連記事:ISO27001とISMS認証の違いとは?Pマークとの関係は?わかりやすく解説

最新の取得企業数

ISO27001の取得企業数を確認する場合には、ISMSを管轄する「情報マネジメントシステム認証センター」をチェックすると良いでしょう。2023年4月26日現在のISO27001取得企業登録数は7,315社、実際にISO27001の取得を公表している会社は6,917社となっています。

自社の業種におけるISO27001の取得状況を、都道府県や企業名から検索条件を絞ることで確認できます。競合他社におけるISO27001の取得数が多い場合は、業界全体において情報セキュリティの重要性が非常に高まっているといえるでしょう。

取得企業数の推移

ISO27001の取得企業数はこの20年間ほどで著しく増加しています。

2002年には約140社だった取得企業数は、2015年には約4,600社、そして2023年4月現在には約7,300社と、約20年間の推移を見ても、情報セキュリティの重要度の高まりを確認できます。

この取得企業数の増加傾向から考えるに、新規取得を目指す企業が多いだけでなく、取得後も更新し続けている企業が多いことが伺えます。更新には費用などがかかることから、ISO27001取得による効果を実感できていることが予測できます。

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ISO27001(ISMS)取得の必要性

ISO27001取得の必要性はさまざまな場面で高まっています。
例えば、行政機関の仕事を入札する際に、ISO27001の取得が入札条件になるケースがあります。

なぜISO27001が求められるかというと、システム開発や運用を依頼するにあたって、行政機関は情報漏洩などのセキュリティリスクを極力避けたいからです。ISO27001の認証を取得している企業であれば、国際レベルの水準で情報セキュリティ管理をしていることが一目でわかります。

リスクを避けたいのは、行政機関だけでなく顧客も同じです。
自分の情報資産を預ける際に、顧客は慎重に企業を選ばなければなりません。利用する企業がISO27001を取得しているならば、信頼して情報を提供できるのです。そのため、企業によってはISO27001を取得してほしいと顧客から要望を受ける場合もあります。

また、コロナウィルスの影響で、在宅勤務など新たなワークスタイルが増えています。
ISO27001の取得によりマニュアルを策定することで、出社時や在宅勤務時におけるセキュリティ対策のルールも明確になります。
最近では、テレワークのルールを厳格化することがトレンドになるなどワークスタイルの変化にかかわらず、情報セキュリティ管理を保つことが求められています。

臨機応変なワークスタイルの実現のためにも、ISO27001を取得する必要性が高まっているといえるでしょう。

ISO27001(ISMS)を取得している企業の特徴


ISO27001(ISMS)を取得している企業の特徴を解説します。情報マネジメントシステム認定 センターが2018年に公表している「ISMS適合性評価制度に関する調査報告書」で実施したアンケートによると、以下のような企業が取得している傾向にあります。

資本金 1,000万円以下:14.1%
1,000万円1億円以下:53.1%
1億円以上:28.8%
従業員数 50人以下:29.2%
50人~300人以下:41.6%
300人以上:29.1%
業種(上位4つを紹介) 情報技術:58.2%
建設業(エンジニアリングを含む):4.2%
卸売・小売業:3.8%
電気/電子機器・光学的装置製造業:3.1%
取得目的(上位3つを紹介) 顧客からの信頼を確保するため(81.0%)
組織の情報セキュリティ対策の強化のため(80.8%)
組織の情報セキュリティ管理体制の強化のため(80.4%)

これらをまとめると、情報技術関連の、ある程度規模が大きい企業にてISO27001の取得が進められていることがわかります。
ただし、従業員数が20人以下の中小企業が、ISO27001取得企業のうち、10.7%を占めているため、事業規模に関わらず、情報セキュリティ管理が必要な事業を行っている企業は取得を検討することがおすすめです。

出典:情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)「ISMS適合性評価制度に関する調査報告書」
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ISO27001を取得すべき業種


ISO27001を取得するべき主な業種について紹介します。一般的には、多くの個人情報や機密情報を取り扱う業種でISO27001を取得すべきです。

下記の3つが主にISO27001を取得すべき業種として挙げられます。

  • 情報サービス業
  • 人材派遣業
  • 金融業

ISO27001の取得割合が一番多いのは、情報サービス(情報技術)業です。

WEBサービスはシステム開発などでさまざまな個人情報や機密情報を取り扱うため、ISO27001の取得による情報セキュリティの信頼度の高さが求められます。また、人材派遣業もISO27001を取得すべき業種のひとつです。

人材派遣業では、人材紹介サービスを実施するために大量の個人情報を保有する必要があり、情報漏洩などの危険性が高い業種です。

金融業では、顧客のクレジットカードや個人情報など重要度の高いデータを取り扱います。サイバー攻撃を受ける可能性もあり、セキュリティ体制を万全にしなければなりません。情報の扱いが多くなる業種においては、顧客からの信用を得るために、ISO27001を取得しましょう。

ISO27001(ISMS)取得による対外的なメリット


ISO27001を取得すると、対外評価が高まるでしょう。
企業が経営を行ううえで、対外評価の向上は必要不可欠なものです。口コミやレビューを参考にして商品を選ぶように、第三者からの評価は客観的な事実であり、良い評価は顧客の安心や信頼につながるためです。

ここでは、ISO27001取得による対外的な評価・企業への影響・評価される理由について詳しく解説します。

対外的な評価の向上につながる

ISO27001の取得によって、企業の情報セキュリティに対する信頼度やブランディングの向上が期待できます。

また、自社の強みとしてアピールし、競合他社との差別化を図ることができます。

情報セキュリティマネジメントの構築が、自社の評価を押し上げ、間接的に売上の拡大にもつながるでしょう。

対外的な評価につながる理由

そもそも、ISO27001の取得はなぜ対外的な評価につながるのでしょうか。理由はISO27001が国際的に認められた規格だからということだけではありません。

ISO27001は、認証取得するにあたって要求事項を満たすために、各セキュリティリスクを洗い出し、管理策を設定し、実行とチェック・改善を行うことで、マニュアルの作成や情報セキュリティの具体的な目標を設定する必要があります。その方針をもとに実際に社内で運用した後で、外部機関により審査されるのです。

つまり、ISO27001は「やっているふり」での取得ができないのです。ISO27001を取得できているということは、方針や実施方法が具体的に定まっており日常業務の中でも運用されている証明になります。

ISO27001の取得により、自社の内部環境を整えることができます。その結果、情報セキュリティ面での対外的な信頼につながり、新たな顧客獲得やブランディングの向上、行政機関からの仕事の入札条件を満たせるなどの良い影響を受けられる可能性があります。

ISO27001の取得によるメリットの詳細については以下の記事をご覧ください。

関連記事:ISO27001とは?取得メリットやISMS・Pマークとの違いを徹底解説!
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まとめ

ISO27001は、情報セキュリティ体制を構築するために取得すべきといえます。近年では、数多くの業種の企業に支持されており、取得企業数も増加傾向にあります。
ISO27001は、情報セキュリティのマニュアルや目標を設定するため、セキュリティ管理の効率的な運用が可能です。情報セキュリティシステムの構築は、取引先や顧客にとって信頼度が向上し、対外的な評価を高められます。また、対外的な評価の向上により、他社との差別化を図れて、新たな顧客の獲得に繋がる可能性があるのです。

ぜひISO27001取得の検討をしてみてはいかがでしょうか。

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