ISOのパフォーマンス評価と監査 第2講座~監査の基礎技術と有効性及びパフォーマンス~

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監査の基礎技術の内容

d) 記録の技術

監査の基礎技術のうちの記録の技術とは、監査員による質問に対する被監査者の回答や発言、確認した事実など、収集した情報を記録する技術です。現地監査で確認した情報を事細かに記述しておくことで、監査報告書や監査所見を作成する際に役立ちます。

監査所見は「収集された監査証拠を,監査基準に対して評価した結果」で、監査で見出した事実と評価を記述するものです。監査所見では、適合か不適合、観察要項などを判定しますので、その根拠の証拠となる収集した情報について入念に記述しておく必要があります。

さらに、監査では改善のネタ(根多)が数多く発見できた方が組織のマネジメントシステムの有効性に寄与しますので、監査では改善のネタについて積極的に記録することにも努めます。

e)  評価の技術

監査の基礎技術のうちの評価の技術とは、監査の中で監査基準と見出した事実の対照を行うことで適合・不適合・観察事項などを判断する技術です。監査基準は監査員の主観であってはならないのです。

監査基準は、ISO規格要求事項、組織が定めた要求事項、例えば品質マニュアル、環境マニュアルのようなマネジメントシステムの運営管理に関する取決め事項、法令・規制要求事項です。規格要求事項の各箇条の相互関連性についても理解しておくことは重要です。

f)  報告の技術

監査の基礎技術のうちの報告の技術とは、監査所見や監査報告書の作文の技術で、論理的な根拠を明確に、誰が見てもわかりやすく、理解しやすく記述する作成技術です。

  1. 1)監査所見は客観的事実と監査基準を記述し、基準のどこに対して不適合か、または問題があるかを明確にします。
  2. 被監査者側が監査者の意図したことと違う処置を行うことも、不適合報告書があいまいな場合には考えられるからです。
  3. 2)監査所見を被監査者側とレビューする時間を確保します。
  4. 3)改善の提案とは、要求事項は満たしているが仕組みを改善することにより、効果的で効率的になることが期待される提案です。改善について明確に示唆します。
  5. 4)証拠としての記録(監査メモ)を残し、監査所見の証拠を明確にしておきます。
  6. 5)対策の程度を考慮し、指摘事項は不適合、観察事項、改善提案などのようにカテゴリー別に明記します。
  7. 6)~について説明がなかった、~の確認が難しい、~を検討されたいなど、あいまいな表現をしません。事実が不明確になるからです。
  8. 7)監査基準が不明確、恣意的/監査証拠が不明確、根拠がない/要求にない手順書を要求する、のような指摘はしません。

監査技術、規格要求事項の意図、組織の固有技術・管理技術、等に関する知識など、監査には高度な知力が必要です。

有効性とパフォーマンス

有効性とパフォーマンスの定義

有効性とは:計画した活動が実行され,計画した結果が達成された程度。

パフォーマンスとは:測定可能な結果。

注記1 :パフォーマンスは,定量的又は定性的な所見のいずれにも関連し得る。

注記 2 :パフォーマンスは,活動,プロセス,製品(サービスを含む。),システム,又は組織の運営管理に関連し得る。方針,目標,その他の基準に関連する指標により判定可能な結果。

有効性評価とパフォーマンス評価の違い

a)プロセスの有効性評価とパフォーマンス評価の違い

プロセスの資源、活動、管理に関する計画された手順に基づいて作業を実施し、設定した目標に対して計画した結果が達成されていれば、この方法は効果的に機能していると言えます。

例:製造プロセスで、製品Aの作業手順を計画し、手順通りに作業を行い、不適合製品率の目標を0.5%以下として、その結果が0.4%であった場合には、製造プロセスは機能しており、適合と判定します。一方、結果が0.5%を超えていた場合には、この結果になった原因が計画にあるのか、実行にあるのかを被監査者側は明確する必要があります。これが製造プロセスに関する有効性評価の監査技術です。

しかし、結果が0.4%であっても、達成理由を追求して関連する指標を確認し、もしそこに上位の重点課題等の問題解決を脅かす傾向が認められる場合は、プロセス改善の提言をします。これがプロセスに関するパフォーマンス評価につながる監査技術です。

b)マネジメントシステムの有効性評価とパフォーマンス評価の違い

マネジメントシステムの計画に基づいてその通り実施し、マネジメントシステムの設定した方針と目標に対して結果が達成されていればこのマネジメントシステムの機能有効的と言えます。

例:マネジメントシステムの品質目標が顧客満足度80%以上であった場合に、マネジメントシステムの計画に従って活動を実施し、その結果が80%以上であった場合には、マネジメントシステムは有効に機能しているので、適合と判定します。一方、結果が75%であった場合には、この結果になった要因が計画にあるのか、実施にあるのかを明確にする必要があります。これがマネジメントシステムについての有効性評価の監査技術です。

しかし、結果が80%以上であっても、達成理由を追って関      連する指標を確認し、もしそこに組織目的と経営方針の実現を脅かす傾向が認められた場合には、システムの改善の提言をします。これがマネジメントシステムに関するパフォーマンス評価につながる監査技術です。

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