2015年版の目標達成のための、4.組織の状況から5.リーダーシップ、6.計画策定までの方針によるマネジメントにはどんな方法論があるのでしょうか。

それはトップの目標達成の想い、まだ明示されていない未来への強い意欲から始まります。トップは目標達成の意思を強く表明しなければなりません。目標達成の想いは言葉にしなければ明示されません。組織の中で力を持つ言葉を収穫することは、想いを実現する上で重要なことです。その言葉が、組織の目的であり目標達成のための方針です。

目標達成の方針はどのように創られるべきでしょうか。それはトップによる知の結集と止揚です。様々な知識を結集し、事実に基づき吟味し、直観を働かせ判断して、自らが率いる組織の将来の方針を決め、それを言葉に表わします。

この方針策定プロセスのために「方針によるマネジメント展開シート」を作りました。トップとしての価値創造への想い、社会と市場の環境における文脈認識、シーズ・ニーズ・期待、組織の固有知・強みと弱み及び競合関係、活動ドメイン=顧客・チャネル・提供する価値、10年後及び5年後のビジョン、組織の目的・方針/役割、中期的経営展望=機会・計画・リスク対応 までを整理する創造的マネジメントのためのシートです。

私のコンサルティングでは、このシートの項目に沿ってトップインタビューを実施し、そこで紡ぎ出された創造性のあるトップの言葉から、経営戦略を表現する経営基本方針と、これをブレイクダウンして品質 方針と重点課題を私が作成して提供しています。

このシートは、その方針、目標設定の枠組みである当面の重点課題、各部門が設定し承認した目標、その進捗状況、未達成の場合の立てられた対策まで記述する、「目標管理表」につながります。
知を結集し、目的と方針を作成し社会的な役割を措定する、創造的マネジメントのプロセスをトップが主導し目標管理のリーダーシップを確立するプロセスの方法論です。

企業がその目的と方針を設定するプロセスの結果は、さまざまな思いを込めて知を結集し止揚して収穫した、言葉を紡ぎ織りなしたものになります。組織の目的、ビジョン、ミッション、方針は、経営者のリーダーシップのアウトプットとして生み出されるということです。その創造的マネジメントのお手伝いをしています。

「方針によるマネジメント展開シート」から明らかになるトップが意図した結果=経営理念、ビジョン、これを達成するために必要な組織としての能力、その能力に影響を与える内部・外部の課題を明確にしなければなりません。

「組織能力の課題抽出シート」は、意図した結果を達成するための経営計画について、それを実行するために必要な能力に影響を与える、内部・外部の課題を抽出するシートです。このシートにより、実行しようとしているマネジメントシステムによる計画に関する、内外の課題が示され、どのような能力が必要で、どんな問題を解決しなければならないかが明確にできます。

これらの課題解決のための方針であり、各部門の目標の枠組みとなるということです。方針と重点課題が目標設定の枠組みという意味です。こうして「組織能力の課題抽出シート」は、「目標管理表」につながります。

利害関係者 とそのニーズ及び期待のマトリックスシート」は4.2の要求事項について記述するシートです。ニーズとは顕在化した必要性です。期待とはそのニーズが満たされた結果がもたらす状態のことです。ニーズを満たさせて期待に応えさせるために、顧客から明示された求める事項が要求事項です。マーケティングを考えると、ニーズの前に潜在的な必要性、つまりシーズも考慮するべきでしょう。このシートは利害関係者のシーズ、ニーズ、期待、要求事項を随時メモし、整理しておくシートです。

2015年版6.1には、「リスク(Risks)及び機会(Opportunities)への取り組み」があります。
その本文には、「6.1.1品質マネジメントシステムの計画を策定するとき,組織は,4.1 に規定する課題及び4.2 に規定する要求事項を考慮し,次の事項のために取り組む必要があるリスク及び機会を決定しなければならない。」とあります。

ところが、ある審査機関のギャップ分析では、自然災害も交通事故もこのリスクとして取り組むべきものだという説明をしたと聞きました。拡大解釈も甚だしいと言わざるを得ませんが、書店に並ぶ解説本もそのような説明がされているそうです。あくまでも「4.1からのマネジメントシステムによる計画を保証するために対処の必要がある、リスクと機会(好機)を決定」するのであって、自然災害や交通事故まで対象になるものではありません。

それは、4.1の「組織の目的及び戦略的な方向性に関連し,かつ,その品質マネジメントシステムの意図した結果を達成する」ことを可能にするため、また望ましくない影響を防止し減らすため、さらに継続的な改善を達成するため、さらに革新の好機を逃さないためです。

そして企業は、「これらのリスクと機会(好機)に対処するための活動を計画し、その取組みをマネジメントシステムプロセスへ統合して、実施し」なければなりません。

「望ましくない影響を防止し減らす」のはリスク(危険)対応ですが、「意図する成果を達成することを可能にするため」には機会を捉えて期待よりもさらに好ましい方向へと乖離させることも必要です。そのためには組織に内在する創発の知識それに能力をさらに豊かにし高め積み上げておく必要があります。機会を捉えて新たな価値を創造する力を、現場に内在する創発の知識を結集して生み出し、これをさらなる高みへ導くような目標の設定と計画策定が求められている、ということです。

「計画とリスク及び機会抽出シート」は、マネジメントシステムによる計画に対するリスク及び機会を、達成の確信、望ましい影響を増やす、望ましくない影響を減らす、改善を達成、に関して特定して目標設定の枠組みに示唆を与えます。これによって目標の設定は、リスク及び機会への取り組みとリンクし、4.1と4.2とを考慮した、つまりこれは、組織能力の課題と利害関係者のニーズ及び機会にリンクした目標の設定という、体系的な計画策定に導くツールです。

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