Pマークを取得済みの会社がテレワークをする方法は?実施手順を解説

近年、働き方の多様化や社会情勢の変化を背景に、テレワークを導入する企業が増えています。しかし、個人情報を扱う企業にとっては、情報漏えいのリスクが懸念されるため、導入に踏み切れないケースも少なくありません。
特に、Pマーク(プライバシーマーク)を取得している企業では、「テレワークを実施しても問題ないのか」「審査に影響はないのか」といった疑問を抱く担当者も多いでしょう。適切な管理体制を整えることで、テレワークと個人情報保護の両立が可能です。
この記事では、Pマーク取得企業がテレワークを導入する際の考え方や具体的な手順、審査時のポイントについて分かりやすく整理します。
目次
Pマーク(プライバシーマーク)を取得済みの会社はテレワークできる?
Pマークを取得している会社でも、適切な管理体制を整えていればテレワークは実施できます。プライバシーマーク制度では、業務を行う場所よりも「個人情報を安全に取り扱う仕組み」が重視されます。安全管理措置が適切に機能していれば、在宅勤務やリモートワークの実施自体が制限されるものではありません。
一方で、自宅やカフェなどオフィス外の環境では、のぞき見や端末紛失、不正アクセスといったリスクが高まりやすい点には注意が必要です。こうしたリスクに対応するためには、事前のリスク分析と社内ルールの整備、従業員への周知徹底が欠かせません。
Pマーク取得企業におけるテレワークは実現可能ですが、個人情報保護の観点から、より慎重な運用が求められると言えるでしょう。
Pマークを取得済みの会社がテレワークを実施する手順
Pマーク取得企業がテレワークを実施するには、個人情報保護を前提とした段階的な手順の整備が不可欠です。テレワークでは業務環境が社外に広がるため、従来のオフィス前提の管理だけでは不十分です。リスクの特定から対策、運用確認まで一連のプロセスを継続的に実施することが求められています。
ここでは、実務担当者が押さえておきたい具体的な手順を順に解説します。
取り扱う個人情報を把握する
テレワーク導入では、まず取り扱う個人情報の範囲を正確に把握することから始めましょう。テレワーク環境で扱う情報を明確にしないまま運用を開始すると、重要度に応じた管理ができず、情報漏えいのリスクが高まります。たとえば、営業担当者が自宅で顧客リストを扱う場合、どの情報が持ち出し対象となるかを事前に整理する必要があります。
対象となる個人情報の種類と取り扱い方法を明文化し、業務ごとに整理することで、適切な管理水準を設定できます。
テレワークのリスクアセスメントを行う
テレワークでは、想定されるリスクを事前に洗い出し評価することが大切です。オフィス外の環境では、家庭内ネットワークの脆弱性や端末の紛失・盗難、不正アクセスなどのリスクが増加します。たとえば、自宅のWi-Fiが初期設定のまま使用されている場合、不正侵入のリスクが高まります。また、ノートPCの持ち出しにより、物理的な紛失リスクも無視できません。
さまざまなリスクを洗い出し、発生可能性と影響度を評価した上で優先順位を付けることで、実効性の高い対策を設計できます。事故対策を社内ルールとして定める
次に、リスク分析の結果を踏まえ、具体的な事故対策を社内ルールとして明文化します。Pマーク制度では、安全管理措置を文書化し、組織全体で統一的に運用することが求められます。口頭での指示だけでは運用が属人化し、統制が取れなくなるためです。
たとえば、「公共Wi-Fiの利用禁止」「端末の画面ロック義務」「個人情報の持ち出し制限」など、具体的な行動基準を規程として定めます。さらに、クラウドサービスを利用する場合は委託先管理の観点から、利用条件や監督方法も明確にしておきましょう。
ルールを文書化し、誰でも同じ基準で判断できる状態にすることで、テレワーク環境でも安定した運用が可能になります。使用端末や通信環境にセキュリティ対策を施す
テレワークでは、端末と通信環境のセキュリティ対策が情報保護の要となります。技術的対策としては、ウイルス対策ソフトの導入やOSの最新化、ディスク暗号化、VPNの利用などが挙げられます。社内システムへアクセスする際にVPNを経由することで、通信内容の盗聴や改ざんのリスクを低減できます。また、端末にパスワードや多要素認証を設定することで、不正ログインを防止できるでしょう。
端末とネットワークの両面から対策を講じることで、テレワーク環境における情報漏えいリスクを大幅に抑制できます。
従業員にルールを周知する
定めたルールは、従業員に確実に理解させることで初めて効果を発揮します。Pマーク制度では、教育・訓練の実施が必須要件とされており、単なる規程整備だけでは不十分です。実際に研修やeラーニングを活用し、テレワーク時の注意点や禁止事項を周知します。画面ののぞき見防止や、業務データの私用端末への保存禁止など、具体的な行動レベルで従業員に理解させることが求められます。
継続的な教育を通じて、従業員一人ひとりのセキュリティ意識を高めることが、事故防止につながります。
テレワークの導入後も定期的なチェックを行う
テレワークは導入して終わりではなく、運用状況を継続的に確認することが大切です。Pマークでは、定期的な運用確認や内部監査の実施が求められており、ルールが守られているかを検証する必要があります。セルフチェックシートの提出や管理者によるヒアリング、社内アンケートなどを通じて、運用実態を把握しましょう。その結果、問題点が見つかればルールの見直しや追加対策を行います。
定期的なチェックと改善を繰り返すことで、テレワーク環境でも継続的に個人情報保護レベルを維持できます。
テレワークを導入した場合のPマークの審査
テレワークを導入しても、Pマークの審査は従来どおり「文書審査」と「現地審査」の両方が実施されます。Pマーク審査では、個人情報の管理体制が適切に構築・運用されているかが確認されます。テレワークの有無に関わらず審査の流れは変わりませんが、個人情報を取り扱う場所に応じて現地審査の実施場所が異なる点が特徴です。
一部在宅勤務の場合、総務や経理など個人情報を扱う業務がオフィスで行われていれば、通常はオフィスで現地審査が行われます。そのため、該当業務の担当者は審査時に出社して対応が必要です。一方で、在宅環境で個人情報を扱う業務がある場合は、自宅が審査対象となるケースもあります。
完全在宅勤務の場合は、個人情報を取り扱う拠点として代表者の自宅などが現地審査の対象となることがあります。オフィスが存在しないため、実際に業務が行われている場所で管理状況が確認されます。
テレワーク導入企業は、個人情報の取り扱い場所と管理体制を明確にし、どの拠点でも審査に対応できる状態を整備することが大切です。
まとめ
Pマークを取得している企業であっても、適切な安全管理措置を講じればテレワークの導入は可能です。大切なのは、単に制度を取り入れるのではなく、個人情報の取り扱いリスクを踏まえた上で、ルール整備や技術的対策、従業員教育をバランスよく進めることです。
また、テレワークは導入して終わりではなく、定期的なチェックや見直しを行い、運用の実効性を維持することが求められます。Pマークの審査では、実際に個人情報を取り扱う場所ごとの管理体制が確認されるため、オフィスだけでなく在宅環境も含めた準備を行いましょう。
テレワークの普及が進む中で、継続的に改善を重ねながら、信頼性の高い個人情報保護体制を構築していくことが企業の価値向上につながります。
ISOプロでは月額4万円から御社に合わせたISO運用を実施中
ISOプロではISO各種の認証取得から運用まで幅広くサポートしております。
また、マニュアル作成など御社に合わせたムダのない運用を心がけており、既に認証を取得しているお客様においてもご提案しております。
サポート料金においても新プランを用意し、業界最安級の月額4万円からご利用いただけます。

























こんな方に読んでほしい