SDGsという言葉を耳にする機会が増えてきました。政府やメディアでもSDGsについて情報発信に力を入れ始めているようです。しかし、多くの企業がSDGsに積極的に参加する中、SDGsは義務なのか、罰則などはないのかと不安に思う経営者もいるのではないでしょうか。

そこで本記事では、SDGsは企業において義務にあたるのかを中心に解説します。

SDGsになぜ企業が取り組む必要があるのか?

世界的に必要性が高まる中、そもそもなぜ企業がSDGsに取り組む必要があるのでしょうか。政府や経団連の方針から企業が取り組むべき理由を理解し、自社で実施する場合の方向性を考えましょう。

SDGsの17の目標

SDGsには17の目標があり、企業活動にも関係する目標が多く設定されています。

【SDGsの17の目標一覧】

  • 1、貧困をなくそう
  • 2、飢餓をゼロに
  • 3、すべての人に健康と福祉を
  • 4、質の高い教育をみんなに
  • 5、ジェンダー平等を実現しよう
  • 6、安全な水とトイレを世界中に
  • 7、エネルギーをみんなに。そしてクリーンに
  • 8、働きがいも経済成長も
  • 9、産業と技術革新の基盤を作ろう
  • 10、人や国の不平等をなくそう
  • 11、住み続けられるまちづくりを
  • 12、つくる責任、つかう責任
  • 13、気候変動に具体的な対策を
  • 14、海の豊かさを守ろう
  • 15、陸の豊かさも守ろう
  • 16、平和と公正をすべての人に
  • 17、パートナーシップで目標を達成しよう

このように17の目標を見てみると、どれも企業に関係した内容といえるでしょう。企業活動は雇用を生み、製品やサービスにより地球社会を発展させ、地球環境にも影響を及ぼします。SDGsは、ビジネスにおいても誰もが関わるべき指針なのです。

日本政府の方針

日本政府も主要な国連加盟国のひとつとして、積極的にSDGsに取り組んでいます。
国連でSDGsが採択された翌年の2016年5月に政府は「SDGs推進本部」を設置しました。総理大臣を本部長、官房長官、外務大臣を副本部長とし、全閣僚を構成員とする部門です。この体制により、国内実施と国際協力の両面でSDGsに率先して取り組む体制を整えました。

さらに、この本部の下、行政や民間など幅広いステークホルダーによって構成される「SDGs推進円卓会議」における対話を行いました。最終的には2016年12月に、今後の日本の取組の指針となる「SDGs実施指針」を決定しています。
この指針のもと、毎年「SDGsアクションプラン」を策定するとともに、優秀な事例に対して表彰する「ジャパンSDGsアワード」を開催し、企業のSDGsへの取り組みが活発になるように支援を行っています。

経団連の方針

政府方針のもと、経団連でもSDGsを推進しています。
経団連では、Society 5.0の実現を通じてSDGsを達成する、「Society 5.0 for SDGs」を推進する取り組みが行われています。この取り組みは、企業のイノベーションを通じてSDGs達成に貢献するものです。経団連のSDGs紹介ホームページでは産業革新を推進しながらも、地球社会に貢献する取り組みを積極的に紹介しています。

SDGsは、日本政府や経団連でも企業が取り組むべき課題として方針を打ち出しています。企業のSDGs活動により対外的な評価につながるのは、社会的意義があるためだけでなく、日本や世界の方針に賛同することを打ち出せるためでもあるのです。

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なぜSDGsに取り組む企業が増えているのか?

SDGsが採択されて以降、日本や世界の方針に従い、SDGsに取り組む企業が増えています。どのような背景が企業を後押ししているのでしょうか。

投資家など対外的なイメージの向上

SDGsの目標達成を目指すことは、単なるボランティア活動ではありません。近年ではESG投資といって、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の観点から中長期的な成長を志向する企業に投資家の資金が集まる仕組みが整えられています。

ESG投資は、アメリカの格付け会社であるMSCI社によって格付けが行われており、SDGsに取り組むことで格付けを上げることができるのです。格付けが上がれば、投資家に対するイメージアップにつながるほか、企業の顧客にもよいアピール材料となり得ます。

SDGsをビジネスチャンスとして捉えている

SDGsは巨大なビジネスチャンスでもあります。大手コンサルティング会社であるデロイト社の試算によれば、SDGsの17の目標のうち、最も大きな市場となり得るもので800兆円規模、最も小さい市場でも70兆円ほどの市場が生まれるとされます。また、週刊ダイヤモンドによれば、脱炭素関連でも3,000兆円規模のマネーがESG投資や企業のビジネスにより生みだされるとされるほどです。このように、SDGsはビジネスチャンスとなるため、積極的に取り入れる企業が増えているのです。

SDGsは企業にとって資金調達の選択肢が増えるとともに、ビジネスチャンスでもあります。

現在、SDGsに罰則や義務はない

日本政府や経団連が積極的にSDGsを推進し、企業においても活動の広がりが活発になっています。一方で、SDGsを実施しないことで何か罰則があるのでしょうか。

実は2022年4月現在、SDGsに取り組まないことで、企業に罰則を科せられることはありません。

SDGsはあくまでも「達成すべき目標」

SDGsは国連で批准された目標です。2015年に国連加盟国の全会一致で決定された目標であるため、地球上のほとんどの国が目標達成に合意しているといえます。一方でその具体的な取り組みは国連加盟国に委ねられています。

義務ではないものの、地球市民なら取り組むべき

SDGsは各国に委ねられた活動であるため、義務はありません。しかし、地球社会全体で達成すべき目標として国家、企業、個人などすべての地球市民が取り組むべき課題です。

地球社会を見渡してみると、近年、大きな課題がたくさんあることに気づきます。
分かりやすい例では、海洋ごみ問題があります。海にはプラスチックごみが海流などによって削られて微細化したマイクロプラスチックが大量に浮かび、生態系に深刻なダメージを与えています。
また、テクノロジーが進化した現代社会でもいまだに貧困問題や人種差別の問題が絶えません。

地球社会における人類の活動には企業が大きく関与しています。SDGsへの取り組みは義務ではありません。しかし、地球社会の持続可能性を考えるなら、企業も地球市民として積極的に取り組むべき活動なのです。

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SDGsに取り組まないとどうなる?

世界の進むべき方針となっているSDGsではありますが、義務ではなく罰則もないため、取り組むべきかどうかは企業の自由です。しかし、取り組みをはじめる企業が増えているのも事実です。そんな中、もしSDGsに取り組まない場合にはどのような可能性があるのでしょうか。

企業イメージの低下

最も大きな影響として考えられるのが、企業イメージの低下です。
例えば身近な例では、プラスチックごみの削減が挙げられます。近年ではプラスチックごみ削減のために、ストローを紙製のものや生分解性プラスチックに変更する取り組みが行われています。

すでに多くの飲食店で同様の取り組みが当たり前のように行われており、多くの消費者がプラスチックごみの有害性について理解がある状況です。もし、この流れに逆行し、プラスチック製のストローや容器を採用し続けると、「あのお店は地球に配慮していない」という消費者のイメージダウンにつながる可能性があるのです。

企業イメージの低下を避けるためにも、SDGsへの取り組みを何か始めるべきではないでしょうか。

ビジネスチャンスを逃す

SDGsは単なる企業イメージ向上の手段ではありません。企業にとって大きなビジネスチャンスなる可能性があるのです。
SDGsによって大きな市場が生まれている中で、SDGsのいずれかの目標に取り組むことで、新たなビジネスチャンスにつながるかもしれません。しかし、SDGsに取り組まなければこうしたビジネスチャンスを逃すことにもなり得ます。

投資家や銀行などから資金調達が難しくなる

近年では、投資家や銀行もSDGsに注目しています。
投資家や銀行は、企業に資金を供給していますが、SDGsに積極的に取り組む企業に対しては別枠で投資や融資を行う仕組みがスタートしています。また、反対に地球社会に有害な側面をもつ企業に対しては、段々と資金の供給が難しくなる可能性もあり得るかもしれません。。SDGsに無関心を貫くことは、資金調達の機会を逃しかねません。

SDGsへ取り組み始める前に、専門家に相談するのもひとつです

全世界でSDGsへの取り組みが行われています。SDGsは、誰もが取り組むべき事業戦略上でも重要な課題です。

SDGsは義務ではありませんが、将来的に何らかの規則ができる可能性もゼロではありません。さらには、近年のトレンドとしてSDGsを実践しないことでイメージダウンになるだけでなく、企業の事業存続が難しくなる可能性もあるかもしれません。
地球や社会にとって、有害になる側面をもっている事業を行う企業であれば、SDGsが求められている今こそ改善に向けて動き出すチャンスといえます。
SDGsに取り組むことで企業イメージ向上につながるほか、機関投資家のESG投資を受けられるなど企業の経営にとってプラスに働く可能性も高くなるでしょう。

自社にとっての適切な取り組みを知るためにも、まずは専門家に相談してはいかがでしょうか?

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