飲食業でPマークを取得するときのポイント
飲食業においてPマークの取得は、個人情報の取り扱いを厳重に管理する証にもなります。そのため近年では個人情報を取り扱うお店でも取得申請が増加しており、顧客や取引先へのアピールとして利用しているのです。なかには個人情報を扱わない飲食店もありますが、どのようなメリットがあるのか確認しておきましょう。
飲食業でプライバシーマークを取得する必要性とは
まずはPマークを取得している業種について見ていきましょう。一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)が平成29年に発表したデータによると、サービス業の数が多く11,398社となっており、割合が高いことがわかります。
一方で、卸売、小売業、飲食店は859社です。サービス業に比べると割合は少なくなっていますが、個人情報を取り扱う飲食店では対応が求められるポイントがあります。
今後飲食店でもPマークを取得する数が増えると考えられています。理由のひとつは2015年8月の個人情報保護法の改正案可決です。今までは、個人情報の取り扱い件数が過去6ヶ月以内のいずれの日においても5,000件を超えない者は適用外となっていました。
しかし、今回の改正によりこの枠はなくなり、小さな飲食店や商店街なども適用対象となってしまったのです。うちには関係がないと思っていた飲食店で、万が一個人情報の漏えいが起これば個人情報保護違反となるのです。
もうひとつ影響してくるポイントがマイナンバーの制度です。マイナンバー法によれば、5,000件以上の個人情報の取り扱いに関わらず、違反すれば罰則の対象となってしまいます。どのような小さな飲食店でも、1人や2人は従業員を抱えることになり、さらに従業員の家族のマイナンバーを取得する可能性もあります。
これらの要素によりどのような飲食店でもPマークの取得の必要性が高まってきているのです。
Pマークのメリットは自社ホームページ、名刺、パンフレット等にも使用でき、顧客や取引先に対しイメージアップとなることです。デメリットは取得にかかる費用や手間もあり、毎年の教育体制の維持など管理を続けていく必要があります。
飲食店で個人情報の数がまだ少ない場合や、管理に手間を感じない場合は無理に取得する必要はありません。
飲食業でプライバシーマークを取得するときの流れ
Pマークの取得は自社で担当者を認定 し進めていく方法と、コンサルティング会社に委託するやり方があります。自社でやる場合はマネジメントシステム原則に基づいた計画の作成、実施、点検、見直しのサイクルで実施する必要があります。
申請書には専用の様式を用いることができます。プライバシーマーク付与適格性審査申請チェック表、代表者印の捺印があるプライバシーマーク付与適格性審査申請書、会社概要、個人情報を取り扱う業務の概要、すべての事業所の住所地及び業務内容、個人情報保護体制、個人情報保護マネジメントシステム(PMS )文書(内部規程・様式)の一覧、JIS Q 15001要求事項 との対応表、教育実施サマリー、監査実施サマリー、事業者の代表者による見直し実施サマリーです。
ほかにも投棄事項証明書、定款、あるなら会社パンフレット、個人情報保護マネジメントシステム(PMS)文書一式です。個人情報管理台帳は任意提出となります。
申請までにかかる作業は、社内で取り扱う個人情報をすべて洗い出し、リスク分析をおこなって規程を作成しましょう。
その規程に従い社内で運用し見直しを経て申請をおこなうことができます。申請後受理されると、書類審査、現地審査、改善報告、判定会議となり、晴れて認定になるのです。調査から認定までのポイント期間はおよそ6ヶ月を考えておく必要があります。
プライバシーマークの申請費用は自治体から補助金が出る場合も
小さな飲食店が自社のみでPマークを取得しようとすると、多くの準備や作業が必要となり、用意する書類も多く大変な場合が多いでしょう。そのようなケースではコンサルタント業者に依頼する費用負担が問題となることがあります。費用の問題が申請への足かせとなっているなら、自治体で補助金の支給がないか確かめておきましょう。
たとえば2016年での対象例では、東京都の港区、江東区や、神奈川県横須賀市、千葉県千葉市などがあります。それぞれの地域で上限が定められており、20~130万円程度までと地域により差が見られています。
対象地域や補助額の詳細は、希望する地域の管轄する自治体へ直接お問い合わせください。補助金は毎年見直しがおこなわれ、その年は助成が打ち切りになる地域や、逆に新たに設けられる地域もあります。
なお補助金の申請には対象条件に満たされる必要があります。指定地域に本社を有する法人であること、事業税や住民税を滞納していないこと、過去に同一の助成金を受けていないなど、地域で定める条件を確認してください。
募集件数や募集時期にも限りがあるため、申請時期とタイミングがあうようなら活用することをおすすめします。
飲食店でPマークを取得すべきか迷う場合もあるでしょう。今後は中小企業でも取得の必要性が出る背景もあるため、本当に必要か検討してみるとよいでしょう。ポイントを押さえればきちんと取得することができるはずです。金銭面で問題を抱える場合は、補助金が利用できないか調べてみてください。
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