ISOマネジメントシステムに有効なマネージング手法 第10講座~問題の本質をひらくKJ法(2)~

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ISOプロ担当者

最終更新日: 2019年04月04日

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KJ法で事実を構造化する

KJ法で事実を構造化するとは、事実同士のお互いの関係を見出すことです。そのために書いたラベルをいろいろと操作します。そうやってラベルに記述された事実のデータに語らせるのです。
KJ法での構造化の最初の操作はグルーピングです。何人かで実施するときは広いテーブルを囲んで、チームリーダーがメンバー全員の書きとったラベルを集めて、トランプのようによく切り、手札として各メンバーに1枚ずつ全部を配ります。もし手札に自分が書いたラベルが配られたら、交換に出して手札の全てが他人の書いたラベルにします。
次に、各メンバーは配られたラベルを全部自分の前に広げます。そして、最低3回は各ラベルを読み、情景の浮かばないラベルがあれば、書いた本人に戻して情景が浮かぶまで書き直してもらいます。自分の前に広げられたラベルの情景を心に刻めたら、KJ法の次の操作に移ります。

グルーピングする

KJ法でのグルーピングとは、「同じ根っこ」のラベルをグループにすることです。リーダーは1枚目のラベルを読み上げます。メンバーは自分の前に広げたラベルの中に「同じ根っこ」のラベルがないかと、それぞれの情景を思い浮かべながらよく見て、そうと思われるものがあればテーブルの中心に出します。「同じ根っこ」とは、異質なもの同士の間の同じ意味の発見です。問題の本質に迫るカギです。結果に惑わされずに、原因の状況を理解することです。
このグルーピングが問題の本質を解明するラベル発想法(KJ法)の言わば天王山です。ここで類似性や既成観念、表面的な現象ではなく、「同じ根っこ」か、どうかを判断することがポイントです。言わんとしている事柄の「根っこ」が同じ事実のラベルを集めるということです。
一つのグループに4枚以上のラベルが集まったら、そのグループを見直します。2つに分けられないか、このグループにいることが本当にいいのか、それぞれのラベルに聞いてみます。類似性で分類すると多くのラベルが集まってしまいます。分類の禁止です。具体的にその意味が分かるまでそのラベルを読み込み、ここでも心を虚しくして、感性に任せて、意味を斟酌し、またメンバー同士で議論はしないこと、書いた人の問いたださないことです。

表札づくり

表札づくりとは、グループのラベルの内容を統合したラベルを書くことです。グループのラベルの全てを読み合わせ、元ラベルの言葉を活かしながら、グループの全てのラベルの内容を統合する表札のラベルを作り、そのラベルの上辺に赤の太マーカーでラインマークをつけて、そのグループのラベルの束の上に乗せてクリップで留めます。
この表札も、主観や評価、解釈を書いてはいけません。また複数のラベルの内容を単に倂記してつないで書いてもいけません。表現は抽象的にならないように、「どのようにして○○が○○した。」と、行為と行動を書くということです。ただし表札の場合はこの○○のところは一般的な表現で良いのです。表札の表現が具体的でない場合は、類似性や既成観念に陥っている時です。その場合はもう一度グループのラベルを見直し、書き直します。
これをグループごとに作っていきます。中にはどうしても他のラベルとグループを組まないラベルもあります。この一匹狼ラベルには上辺に赤の太マーカーでラインマークをつけておきます。

グルーピングと表札は、ラベルに記述された事実から、「なるほどこういうものなのだ。」と、行動のパターンを一般化して認知できるようにする操作です。行動のパターンを見えるようにすることですから、これは抽象化ではありません。分類や解釈に陥ると、情景と論理の間の「見えている」認知には至りません。
グルーピングはその上のレベルでも行い、グループ同士のグルーピングをします。グループのグループが出来たら、その表札を書きます。今度は青の太マーカーでラインマークを引きます。他のグループとグループにならないグループの表札には、青のポイントマークを付けます。
さらに上のレベルのグルーピングも行い、表札を書いて今度は緑の太マーカーでラインマークを引きます。他のグループとグループにならないグループの表札には、緑のポイントマークを付けます。

構造化の作図

構造化の作図とは、グルーピングして表札をつけたラベルの束を、模造紙の上に展開して、グループ同士の関係性を見極め、グループ相互の間にある因果関係を図にする操作です。
まず一つのグループの表札を読み、他の束の表札との相互関係を見ながら、模造紙の上の位置決めをします。グループ同士の位置決めが見えてきたら、最終の表札を別のラベルに書き写し、別の小さめの模造紙に配置して、相互関係を矢線、二重線、破線などで書いてみます。相互関係を見るときはやはり既成観念にとらわれないように、部分から全体を見、問題の大元の原因を発見できるように、虚心で見ることが必要です。この概略図に納得できたら、それぞれのラベルを大きな模造紙の上に開きます。表札をヘッドに、開いたラベルのそれぞれの島を作り、位置が決まったら貼り付けて、それぞれのレベルの色で囲みます。島と島との関係性を表す線でカラフルに描き、構造化の図を完成させます。

こうして見えるようにした事実の関係性から、分かったことを小さな模造紙に文章化します。最後に、問題の本質と思われることを一言でまとめる文章にし、構造化の図の上辺にタイトルとして書きます。
以上がラベル発想法=KJ法の手順とポイントの概略です。

ISO9001:2015規格8.3.1 一般には「組織は,以降の製品及びサービスの提供を確実にするために適切な設計・開発プロセスを確立し,実施し,維持しなければならない。」とあります。ラベル発想法を設計・開発のプロセスの市場分析に活かしてヒット商品を生み出している組織もあります。

この記事の著者
清水正敏(ISO マネジメントシステム構築運用コンサルタント /ISO 品質システム&食品安全システム審査員)
平成15年ISO品質システム審査員登録、平成20年からQMS 審査員としていくつかの審査機関の審査に従事。システム論と問題解決技法とを統合したマネジメント手法によるマネジメントシステム構築と運用の支援を標榜し、コンサルタント及び研修講師、審査員を勤める傍ら、取材・文筆など多方面で活躍。主な著書は『竹輪の頭はどっち?!』(メタブレーン)『ISO 審査革命』(オンブック)など。

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