管理体制強化で変化するニーズに対応!高みを目指し続けるサンシーズ
クライアントプロフィール
- サンシーズ株式会社
- 代表取締役 中川大輔 様
- 課題
- 取引先からISO9001を求められていた
- 業種
- 食品製造業
- 規模
- 21~50名以下
- 規格
- ISO9001
今回のISOプロが訊くは神奈川県の『サンシーズ株式会社』様にリモートインタビューを行ってきました。サンシーズ様は食用油の瓶詰めなどの食品製造を行っています。最近では第二工場を新設したりと今まさに勢いのある企業様です。ISOプロを活用してISO9001の認証取得したのちに、食品安全をより強化するためにISO22000への切り替えに向けて取り組んでいらっしゃいます。
インタビューではサンシーズ様がどのような背景でISO9001の認証取得を行い、なぜISO22000へ切り替えを行おうとしているのかを詳しく伺ってきました。
食用油の瓶詰食品製造業のサンシーズ様
--サンシーズ様の事業内容についてお聞かせください。
中川様:
弊社は主に食用油の瓶詰めをしている会社で、創業して約6年になります。食用油の中でも健康油やエゴマ油、アマニ油をメインに取り扱っており、瓶詰めした商品を全国のスーパーマーケットに卸しています。昨今では某スーパーマーケット様のプライベートブランドの案件もお受けするようになりました。
--最近第二工場を新設されたと伺いましたが、どのような背景があったのでしょうか?
中川様:
テレビで健康油を取り上げていただく機会が増え、ありがたいことに急な注文を多くいただくことがあります。その際に第一工場だけではキャパがオーバーする恐れがあるので、余裕を持たせるために第二工場を新設しました。
高い品質要求に応え続け、大型案件の受注へ
--ISO9001はどのような理由で取得されたのでしょうか。
中川様:
取引先様からの品質要求の水準が年々上がる中で、取引先様の高いニーズに自信を持って対応できる会社となるべくISO9001を取得しました。「ISO9001の認定工場」として品質向上に努め続けたことで、プライベートブランドの案件をいただけるまでに至りました。
--ISO9001を取得してから実感している効果はございますか。
中川様:
社内の組織体制や製造工程を見直したことで、原料受入から製品出荷までの各工程で規格基準を設けました。今まで以上に徹底した品質管理が行える体制を作ることができたと感じています。この徹底した体制が今取り組んでいるISO22000の構築をスムーズにしてくれているんだと思います。
ISO9001からISO22000への移行
--現在ISO9001からISO22000への移行に向けて取り組んでいらっしゃるとのことですが、どのような経緯があったのでしょうか?
中川様:
プライベートブランドを引き受けている内の1社からISO22000の取得を求められたのが移行に取り組み始めたキッカケです。
--フードチェーン全体を考えなくてはならない食品大手の会社様と取引があると取得を求められるケースも少なくないようですね。
中川様:
そうですね。私たちも食品に関わる企業として、食品の安全を守る重大な責任があると考えています。先方からの要求はあくまでキッカケで、食品安全のための管理体制を更に強化するためにISO22000を新規取得する決断をしました。
--ISO9001からISO22000への切り替えにあたって、ハードルの高さなどは感じていますか?
中川様:
特にハードルが高いという感覚はありません。現在のISO9001のマネジメントシステムをベースに、HACCPの管理手法を組み込むことでスムーズにISO22000認証の取得を行えるだろうと考えています。
--いまお話に出たHACCPは、今年の6月より完全制度化を予定していたかと思いますが、その対応も兼ねての取得だったのでしょうか。
中川様:
そうですね。取引先様からの要求に“HACCP”の導入はありませんでしたが、食品製造業である以上、当然無視できないと考えておりました。ISO22000導入にあたってはHACCPの手法を取り入れる必要があります。今回のISO22000取得で制度化にも対応できますので、取得に向けて進めております。
--ISO22000の認証取得に向けて動いている中で、ISO22000に期待していることなどをお聞かせください。
中川様:
ISO22000を認証取得することで、まずは食品安全の管理体制の強化に繋がると思います。お客様の内の1社からのご要望でスタートしたISO22000取得の取り組みですが、食品安全を強化する意味でもとても良いキッカケだったと思っています。
新しいお客様へも弊社の食品安全に対する姿勢や取り組みを、ISO22000認証という形で示すことができると考えています。社内の管理体制強化だけでなく、新規のお客さまを増やすツールとして機能することへも期待しています。
海外展開を見据えて
--ISO9001認証取得をしたことで新たに始まった社内での取り組みについて教えて下さい。
中川様:
朝礼などでISOの目標や結果などを従業員に周知する体制を整えました。社全体で一つの目標に向かうため、ISOの浸透とともに一体感が生まれ始めている印象です。
従業員が主体的に取り組むことで、ISO9001を“自分事”のように捉えてくれているのだと思います。
--今後の展望について教えて下さい。
中川様:
今後の展望としては、FSSC22000など更に上位の認証を取ることで海外輸出なども視野に入れていきたいです。そのための最初のステップとしてISO9001の認証取得を行いました。次のステップとして、現在ISO9001から切り替える形でISO22000の認証取得を目指しており、食品安全を更に追求していきます。品質や食品安全の管理体制の強化を進めていくことで、海外も視野に入れた新規のお客さまの開拓に繋げていきたいと考えています。
--本日はお忙しい中、インタビューいただきありがとうございます。
まとめ
食品や製品に関わらず、製造業の企業様であれば取引先からISO認証取得を求められた経験は少なくないと思います。サンシーズ様も取引先からの要求を受け、ISO22000の取得に向け取り組み始めています。ISO9001を取得した際に構築した品質マネジメントシステムは、原料受け入れから製品出荷までの各工程を徹底管理するものでした。この徹底した仕組みが強固な基盤となり、2021年6月から制度化されるHACCPの手法を取り入れたISO22000取得に向けた取り組みをスムーズにしています。
サンシーズ様は取引先からの要求をひとつの「キッカケ」として、より強固な体制づくりや新たな事業展開を見据えて進み続けています。
取引先の要求に応えることだけを目的とし、まずは取得をする企業様も多いと思います。当然、事業を続ける上でその選択は間違っている訳ではありません。しかしISOが求めていることは「継続的な改善」であり、全従業員が一丸となり取り組む必要があります。従業員に浸透しないISOを運用し続けることで、形だけの運用・従業員の負担になる「重いISO」へと変貌し、返上する企業様も少なくありません。
従業員へ浸透させる仕組みづくり、一丸となって品質向上と食品安全の強化に取り組む姿勢は、ISO取得を検討する企業様がISOを活用するための参考になるのではないでしょうか。
会社情報
社名 | サンシーズ株式会社 |
---|---|
設立 | 2015年6月12日 |
資本金 | 800万円 |
所在地 | 神奈川県足柄上郡中井町井ノ口2927-34 |
URL | https://sunseeds.co.jp |
記事掲載日:2023年08月24日