少子高齢化が進む日本において、ますます必要性が高まっている社会福祉施設。高齢者や子ども、障がい者が快適に過ごせるように、設備投資や整備が欠かせません。しかし、資金調達が難しく、なかなか思うような投資ができないという施設も多いのではないでしょうか。
そこで、この記事では、社会福祉施設が利用できる助成金をご紹介します。
目次
助成金・補助金とは
助成金・補助金とは、おもに国や地方自治体が管轄している公的資金です。どちらの制度も原則、返済不要であるため、安心して申請することができます。まずそれぞれの基本的な概要を紹介します。
助成金とは
助成金には従業員の健康や労務に関する取り組みを支援するものが多くあります。
受給要件さえ満たしていればほぼ助成されることから、申請に対するハードルは低いといえるでしょう。
助成金の概要はこちらで詳しく解説していますので、是非ご覧ください。
関連記事:助成金とは?注意点など知っておきたい基礎知識をわかりやすく解説!
補助金とは
受給要件は補助金の種類によって異なりますが、経済や地域の活性化、事業の研究開発費などを支援するものが多くなっています。
受給要件を満たしていても審査によって落選する可能性もあるため、助成金に比べると受給難易度は高いといえるでしょう。
助成金と補助金の違いについては以下の記事をご覧ください。
関連記事:補助金と助成金の違いとは?それぞれの流れや注意点、交付金や給付金との違いもわかりやすく解説!
【全国】福祉施設で利用できる助成金・補助金一覧
全国の福祉施設で利用できる助成金・補助金を紹介します。
社会福祉施設整備補助金
高齢者や障がい者、子どもなどに福祉サービスを提供している社会福祉施設において、日常生活の支援や技術の指導といった整備を行うことで支援される補助金です。
【対象施設】
- 保護施設:救護施設、厚生施設、医療保護施設、授産施設、宿所提供施設
- 児童福祉施設:助産施設、乳児院、母子生活支援施設、児童発達支援センターなど
- 障がい者施設:障がい者厚生施設、障がい者授産施設、生活施設、地域利用施設
- その他の施設
【支給額】
原則として、以下の支給額が施設設置者に対して支給されます。
- 国は整備費の1/2を補助
- 都道府県(指定都市・中核市を含む)は、整備費の1/4を補助
社会福祉施設整備補助金の詳細については、各都道府県のホームページ、もしくは福祉担当の窓口にて確認してください。
雇用関係助成金
雇用関係助成金は、複数の助成金をまとめて呼んでいるもので、従業員の雇用や人材育成に関する取り組みにおいて利用できる制度です。
福祉施設では人材確保が課題となっている施設も多いでしょう。そのため、以下のような助成金を活用することで、経営面の負担を低減しながら事業活動を継続できます。
- トライアル雇用助成金
- 人材確保等支援助成金
- 通年雇用助成金
- キャリアアップ助成金
- 両立支援等助成金
- 人材開発支援助成金
上記の助成金制度の詳細は、以下のホームページをご覧ください。
参考:厚生労働省「事業主の方のための雇用関係助成金」
このうち、人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)は、介護事業主が介護福祉機器の導入をして、従業員の離職率を低下させた場合に助成される制度です。
【対象範囲となる介護福祉機器】
- 移動・昇降用リフト(立位補助器、非装着型移乗介助機器を含む)
- 装着型移乗介助機器
- 体位変換支援機器
- 特殊浴槽
【支給額】
- 対象費用:介護福祉機器の導入費用(利子を含む)、保守契約費、機器の使用を徹底させるための研修費用
- 支給額:上記費用の合計額の20%
※賃金要件を満たした場合は35%
※上限150万円
丸紅基金
丸紅基金は、丸紅株式会社や丸紅グループの役員、社員、元社員、その他関係者の寄付により運営されている制度です。全国の福祉団体への「社会福祉助成」として、設備や機器、車両など幅広い支援を実施しています。
助成対象は、原則としてNPO法人や社会福祉法人といった非営利法人であることなどが挙げられています。
詳細や最新情報については、以下のホームページをご覧ください。
参考:丸紅基金
上記で紹介した助成金・補助金以外にも、設備やDX導入によって受給できる場合があります。以下の記事もあわせてご覧ください。
関連記事:【2023最新】設備投資に利用したい助成金・補助金一覧を紹介
関連記事:【2023最新】DX推進に活用すべき助成金・補助金とは?DXに必要な要素や費用についても解説
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説【地方】福祉施設で利用できる助成金・交付金一覧
各地方自治体による福祉施設の助成金・補助金を紹介します。
SOMPO福祉財団 NPO基盤強化資金助成「組織および事業活動の強化資金助成」
この助成金制度は、国や地方自治体ではなく公益財団法人SOMPO福祉財団が実施しています。社会福祉活動を行う非営利団体を対象に、事業活動や組織の強化を助成する制度です。
2023年度の募集については以下のように予定されています。
- 募集時期:2023年9月~10月
- 地域:西日本地区
- 対象団体:社会福祉に関する活動を行うNPO(特定非営利活動法人)と社会福祉法人
- 助成金額:70万円(上限)
- 助成件数:15団体程度(総額1,000万円)
詳細や最新情報については、以下のホームページをご覧ください。
参考:SOMPO福祉財団
地域介護・福祉空間整備等交付金
地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金は、地方自治体が主体となり介護施設などの防災・減災対策を推進するためのものです。
地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金の対象例は、以下の通りです。
- 非常用自家発電設備・給水設備の整備
- 水害対策における施設の改修
- 感染症の感染拡大防止のための換気設備の導入
交付金であるため、地域介護・福祉空間整備等施設整備交付金の詳細や最新情報については、各都道府県のホームページを確認してください。
次世代育成支援対策施設整備費交付金
次世代育成支援対策施設整備費交付金は、児童福祉施設などの新設や修理、改造、拡張、整備を行うことを支援するものです。
次世代育成支援対策施設整備費交付金の補助の対象は、社会福祉法人、医療法人、NPO法人などを含む法人格を有する団体となっています。申請自体は法人格であれば可能ですが、採択は公益性の高い法人が優先されます。
次世代育成支援対策施設整備費交付金の対象となるのは、例えば以下のような取り組みが挙げられます。
- 既存施設における建物の耐震化を図るための改築や補強工事
- 既存施設の定員の増員を図るための整備や改築
- スプリンクラー設備の導入
- 防犯対策の強化のための整備
交付金であるため、次世代育成支援対策施設整備費交付金の詳細や最新情報については、各都道府県のホームページを確認してください。
まとめ
少子高齢化が深刻な問題となっている日本において、福祉施設における重要性はますます高まっています。
高齢者や障がい者、児童の快適な生活をサポートするために、国や地方自治体、福祉団体は社会福祉施設の設備投資や運営に活用できる助成金・補助金を用意しています。適した助成金・補助金を活用し、負担を低減しながら事業体制をより強化する組織も多くあります。
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