トライアル雇用助成金は、職業経験や技能、知識の不足などにより就職が困難な求職者をトライアルとして雇用する事業主に対して助成される制度です。雇用側は人材の業務への適性を見極めながら、人件費を抑えた雇用が実現し、労働者は未経験からの就労体験が可能です。人手不足に悩む個人事業主にとっては、助成金を得ながら人材確保に結び付けられるチャンスといえます。ここではトライアル雇用助成金のコースや利用方法について詳しく解説していきます。

トライアル雇用の目的

トライアル雇用の目的は、職業経験の不足や生活環境などが原因で就職が困難な求職者について、適性を判断し、常用雇用へのきっかけを提供することです。原則として3か月の短期雇用契約を結び、契約が完了したあとの判断は雇用者側に一任されます。
そのまま正社員として採用することも可能ですが、雇用に関する強制はありません。トライアル期間中に労働者の適性を確認できるため、助成を受けながら業務にマッチングする人材を見つけ出すことができます。

トライアル雇用助成金

■一般トライアルコース
生活保護受給者やひとり親家庭の親、日雇労働者、季節労働者などを含む、職業経験、技能、知識の不足などから安定的な就職が困難な求職者について、ハローワークなどを通じて一定期間試験的な雇用を行う事業者に助成されます。

■障害者トライアルコース
障害者の早期就職の実現や雇用機会の創出を目的とし、継続雇用する労働者としての雇入れを希望している事業者に対してハローワークなどを通じて障害を持つ求職者が紹介されます。常用雇用を視野に、一定期間試験的な雇用を行う事業者に助成されます。

トライアル雇用助成金には一般、障害者をそれぞれ対象とする、2種類のコースがあります。
いずれのコースも、通常の求職活動では仕事を見つけにくい環境にある求職者に対し、職業への試行の場を提供するものです。これを活用する事業者は、トライアル雇用後の継続雇用の意識をもって労働者の適性を判断しながら、対応していく必要があります。
この記事では障害者以外を対象とする、一般トライアルコースについて解説していきます。

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助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説

トライアル雇用助成金の対象者

  • 既にトライアル雇用期間中でない人
  • 紹介日時点で、就労経験のない職業に就くことを希望する人
  • 紹介日時点で、学校卒業後3年以内で、卒業後、安定した職業に就いていない人
  • 紹介日の前日から過去2年以内に、2回以上離職や転職を繰り返している人
  • 紹介日の前日時点で、離職している期間が1年を超えている人
  • 妊娠、出産・育児を理由に離職し、紹介日の前日時点で、安定した職業に就いていない期間が1年を超えている人
  • 生活保護受給者、母子家庭の母、父子家庭の父、日雇労働者、季節労働者、中国残留邦人等永住帰国者、ホームレス、住居喪失不安定就労者などの就職の援助を行うに当たって、特別な配慮を要する人

トライアル雇用助成金を受給できる条件

  • 常用的な雇用を希望し、トライアル雇用について理解している
  • ハローワーク、地方運輸局または職業紹介事業者によって職業紹介を受け雇用する
  • 原則として3か月のトライアル雇用を行う
  • 1週間の労働時間が他の勤務者と同程度である

支給対象事業主の要件はこのほかにも詳細にわたりますが、基本的にはトライアルであっても、雇用保険をつけるなど正規の雇用契約であることが求められます。トライアル雇用助成金によって一時的に人手を補うのではなく、常用雇用の意図をもって労働者を正当に評価しなければなりません。

トライアル雇用助成金の支給額と支給期間

トライアル雇用助成金の支給額は、対象者1人につき月額4万円です。ただし対象者がひとり親家庭の母親、または父親の場合には月額5万円となります。
支給期間はトライアル開始日から最長3ヵ月で、助成金は各月額の合計額が1回に支給されます。
トライアル雇用の対象期間内に規定された理由で退職、または正社員に移行した場合には、実際に労働者が就労した期間と計画されていた就労日の割合を算出し、それに基づいた額が支給金額となります。

トライアル雇用助成金の申請方法

  1. 管轄のハローワークや職業紹介事業者などに「トライアル雇用求人」の提出を行います。
  2. ハローワーク、職業紹介業者からトライアル雇用の対象となる労働者が紹介されます。
  3. 3か月の期限付きで雇用契約を結びます。
  4. 雇用開始から2週間以内に紹介を受けたハローワーク、職業紹介業者に「トライアル雇用実施計画書」を提出します。その際、雇用契約書など労働条件を明記した書類の添付が必要です。「トライアル雇用実施計画書様式」などの必要となる書式は、厚生労働省のサイトからダウンロードできます。
  5. 3か月のトライアル終了後、2ヵ月以内に受給申請を行います。

まとめ

トライアル雇用助成金は正規の就職活動では就業が難しい労働者と、人材確保にあまり経費をかけられない事業主とのマッチングを図る制度です。試用期間内3ヵ月分の助成がされるため、万一適性が一致しない場合でも、事業所側の負担は最小限にとどめられます。実際に働いてもらえば、業務や職場との相性もわかって安心です。人手は欲しいが雇い入れたあとに不安があると考える個人事業主にとっては、利用価値の高い制度といえるでしょう。

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黒沢晃
黒沢晃(助成金コンサルタント)
商社にて新卒採用の人事を担当した後、人材コンサルタントとして企業の人事戦略を支援。2016年から中小企業や個人事業主を対象として助成金を活用した経営サポートに従事。現在は年間100社以上をサポートする。