人材開発支援助成金には7つのコースがあり、それぞれ支給要件、必要とされる書類が異なるため、受給したいコースの申請方法がわかりずらいという企業もあるでしょう。
それぞれのコースの支給要領をよく把握したうえで申請することが大切です。
そこで、この記事では人材開発支援助成金のうち、3つのコースにおける申請書類と、注意が必要な書類の記入例を紹介します。ぜひ申請時の参考にしてください。
目次
人材開発支援助成金とは
人材開発支援助成金とは、職務に関連する知識や技能の習得のために、雇用している従業員に訓練を実施した事業主に対し、かかった費用を一部助成する制度です。
人材開発支援助成金には、以下の7つのコースがあります。
- 人材育成支援コース
- 教育訓練休暇等付与コース
- 人への投資促進コース
- 事業展開等リスキリング支援コース
- 建設労働者認定訓練コース
- 建設労働者技能実習コース
- 障害者職業能力開発コース
この記事では7つのコースのうち、人材育成支援コース、教育訓練休暇等付与コース、建設労働者技能実習コースの申請書類や記入例について解説します。
また、人材開発支援助成金の各コースの概要や助成額・助成率は以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2023年最新】人材開発支援助成金とは?各コースを徹底解説
人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の申請書類と記入例
人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の主な申請書類の一覧や記入例を紹介します。
訓練計画届出時に必要な主な書類
人材育成支援コースの中にも、人材育成訓練、認定実習併用職業訓練、有期実習型訓練の3つがあり、どの訓練を実施したかによって必要な書類も変わります。
以下は、どの訓練メニューであっても共通して必要となる書類です。
事業主が訓練を実施する場合 | 事業主団体等が訓練を実施する場合 | |
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様式 |
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また、実施した訓練によって以下の書類を提出する必要があります。
有期契約労働者等に対して人材育成訓練を実施する場合 | 対象労働者に関する確認書(様式第17号) |
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有期実習型訓練を実施する場合 |
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この他にもeラーニングで訓練を実施したり、対象労働者が育児休業中であったりする場合には、別途提出が必要になる書類があります。また、様式だけでなく添付書類の提出も必要です。
支給申請時に必要な主な書類
支給申請時に必要な主な書類をまとめました。
事業主が訓練を実施する場合 | 事業主団体等が訓練を実施する場合 | |
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様式 |
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また、実施した訓練によって以下の書類を提出する必要があります。
有期契約労働者等に対して人材育成訓練を実施した場合 | 有期契約労働者等を対象とした訓練の実施状況(様式第4号別添様式) |
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認定実習併用職業訓練を実施した場合 |
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有期実習型訓練を実施した場合 |
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この他にもe-ラーニングで訓練を実施したり、対象労働者が育児休業中であったりする場合には、別途提出が必要になる書類があります。また、様式だけでなく添付書類の提出も必要です。
職業訓練実施計画届の記入例
職業訓練実施計画届(様式第1-1号)の項目のうち、記入すべき内容がわかりにくい項目について記入例を紹介します。
項目名 | 概要 | 記入例 |
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対象労働者の職務内容と訓練の関連性 | 助成対象労働者の職務と、訓練コースの内容の関連性を具体的に記入します。 | 新製品をつくるため、製造部門では〇〇という最新機材を用いた技術の習得が必要。 そこで、若手社員に〇〇の技術習得に向けて「〇〇応用コース」で講習受けさせることで、即戦力として新製品製造業務に従事させたい。 |
OJT実施状況報告書の記入例
OJT実施状況報告書(様式第9-2号)の項目のうち、記入すべき内容がわかりにくい項目について記入例を紹介します。
項目名 | 概要 | 記入例 |
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訓練の具体的内容(指導内容)及び訓練により身についたこと | 「指導内容」と「訓練により身についたこと」の両方を、受講者が具体的に記入します。 | 講義で習った射手成型機から金型交換作業について、指導員の作業を一通り見た後、自分でも作業を行った。 指導員から、作業の手順を覚えるように指導があり、自分で繰り返し作業を行い、手順を覚えた。 金型交換作業を行ったことで、構造の理解が進み、他の作業の時にも役立てられそうだと感じた。 また、一通りの作業の中で、清掃方法についても教わり、重点的に清掃する場所を理解できた。 |
人材開発支援助成金(人材育成支援コース)の申請書類や記入例の詳細は、以下の厚生労働省のホームページからご覧ください。
参考:厚生労働省「人材開発支援助成金」
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース)の申請書類と記入例
人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース)の主な申請書類の一覧や記入例を紹介します。
申請に必要な主な書類
教育訓練休暇等付与コースの申請に必要な書類を以下にまとめました。
- 制度導入・適用計画届(訓練休暇様式第1号)
- 事業所確認票(訓練休暇様式第3号)
- 事前確認書(訓練休暇様式第7号)
- 事業所の所在等を確認できる書類(ホームページの該当部分など)
- 制度を規定する前の就業規則または労働協約(写)
※常時10人未満労働者を使用する事業主の場合、事業主と労働者代表者による申立書の添付が必要 - 制度を規定した後の就業規則または労働協約の案(写)
- 長期教育訓練休暇制度に関する申告書(訓練休暇様式第5-4号)
- 事業内職業能力開発計画
事業内職業能力開発計画の記入例
事業内職業能力開発計画は、自社の人材育成の基本的な方針などを記載する計画です。作成する際には、従業員の職業能力開発について、企業の経営者や管理者と従業員が共通の認識を持ち、目標に向かって進めるような内容にすることを心がけましょう。
例えば、以下のような事項をつくり、理念や基本方針、目標などを記入します。
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○○株式会社
- 経営理念及び経営方針に関する事項
- 職業に必要な基礎的な能力の開発及び向上を促進するための措置に関する事項並びに職能力の開発及び向上を促進するための措置に関する事項
- その他の事項(雇用管理方針など)
・経営理念
<例>製品を通じて社会に必要とされる企業(法令遵守・品質経営・環境経営)であること。
・経営方針
<例>よりよいものをお客様に提供する。
・人事育成の基本方針や目標
<例1>自ら専門性を磨き、高い職務能力を持った人材を育成する。
<例2>品質向上のため、積極的に挑戦できる人材を育成する。
<例3>目標のため今何をすべきかを考え実践できる人材を育成する。
<例1>一人ひとりが、やりがいを持って職務に取り組めるよう、適正や要望を尊重して職務配置を行う。
<例2>職種や配置転換等を行う際は、必要な訓練を施すとともに転換後のフォローアップを行う。
参考:厚生労働省「人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース・人への投資促進コース)のご案内(詳細版)」
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人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)の申請書類と記入例
人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)の主な申請書類の一覧や記入例を紹介します。
計画提出時に必要な主な書類
建設労働者技能実習コースの計画提出時に必要な書類を以下にまとめました。
- 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース(経費助成)(賃金助成))計画届(建技様式第1号)
- 指導員・担当科目表(建技様式第1号別紙)
- 建設労働者技能実習事業費用分担計画書(建技様式第1号別紙3)
支給申請時に必要な主な書類
経費助成・賃金助成の支給申請に必要な書類を以下にまとめました。
- 人材開発支援助成金 建設労働者技能実習コース(経費助成・賃金助成・賃金向上助成・資格等手当助成)支給申請書(建技様式第3号)
- 受講者名簿及び人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース(経費助成・賃金助成))の助成金支給申請内訳書(建技様式第3号別紙1)
- 指導員・担当科目表(建技様式第3号別紙2)
- 事業所確認票(建技様式第3号別紙3)
- 時間外手当、割増賃金等支払い証明書兼休日(出勤扱・振替)証明書(建技様式第3号別紙4)
- 構成員内訳表(建技別様式第1号及び建技別様式第1号別紙)
- 下請建設事業主名簿(建技様式第2号)
- 技能実習委託契約書(参考書式)(建技様式第3号)
- 領収書整理票(建技様式第4号)
また、賃金向上助成・資格等手当助成の支給申請に必要な書類を以下にまとめました。
- 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース(経費助成・賃金助成・賃金向上助成・資格等手当助成)支給申請書(建技様式第3号)
- 人材開発支援助成金(建設労働者技能実習コース)賃金向上助成・資格等手当助成 確認シート(建技様式第3号別紙5)
この他にも事業主団体向けの書類や計画変更する際にはまた別の書類の提出が必要です。詳細は以下の厚生労働省のホームページをご覧ください。
参考:厚生労働省「建設事業主等に対する助成金申請様式ダウンロード(令和6年度)」
まとめ
この記事では、人材開発支援助成金の3つのコースの申請書類と記入例を紹介しました。
人材開発支援助成金には7つのコースがあり、それぞれ支給要件や申請に必要な書類も異なります。そのため、自社で申請を検討しているコースの支給要領をよく確認し、正しく手続きすることが必要です。
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