スポーツ事業を行うには、多額の資金や人手が必要になることが多くあります。費用の負担を軽減するには、さまざまな手段がありますが、返済不要で資金調達が可能な助成金・補助金の利用がおすすめです。
この記事ではスポーツ事業に利用できる助成金・補助金を紹介します。
目次
スポーツ事業に活用できる助成金と補助金の違いとは
助成金と補助金は、どちらも国や地方自治体が主導している返済不要な支援金です。両者の主な違いをまとめました。
異なる項目 | 助成金 | 補助金 |
---|---|---|
主導団体 | 厚生労働省 | 経済産業省 |
目的 | 雇用・労働環境の改善など | 補助金ごとに異なるが、経済・地域の活性化など |
受給条件 | 支給要件を満たす 法令を遵守している |
支給要件を満たす 審査に通過する |
助成金と補助金の違いやそれぞれの注意点などは以下の記事をご覧ください。
関連記事:補助金と助成金の違いとは?それぞれの流れや注意点、交付金や給付金との違いもわかりやすく解説!
【地域活性】スポーツ事業に活用できる助成金・補助金一覧
地域のスポーツ事業に活用できる助成金・補助金を紹介します。
キャリアアップ助成金
キャリアアップ助成金とは、パート・アルバイトや派遣社員などの非正規雇用労働者を対象に、正社員転換・処遇改善した事業主を支援する制度です。
取り組み内容により、以下の6つのコースに分かれています。
- 正社員化コース
- 障害者正社員化コース
- 賃金規定等改定コース
- 賃金規定等共通化コース
- 賞与・退職金制度導入コース
- 社会保険適用時処遇改善コース※令和8年3月31日まで
助成額は各コースにより異なります。
例えば中小企業が正社員化コースに取り組んだ場合、助成額は80万円(40万円×2期)です。
キャリアアップ助成金の各コースの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2024年最新】キャリアアップ助成金とは?各コースを徹底解説
人材確保等支援助成金
人材確保等支援助成金とは、魅力ある職場づくりに取り組む事業主を支援する制度です。スポーツ事業に利用できる可能性があるコースは、以下の3つです。
- 雇用管理制度助成コース※令和4年4月1日以降、新規受付を休止しています。
- 人事評価改善等助成コース
- テレワークコース
助成額はコースにより異なります。
例えば、人事評価改善等助成コースの場合には80万円です。
人材確保等支援助成金の各コースの詳細は、以下の記事をご覧ください。
関連記事:【2023年最新】人材確保等支援助成金とは?各コースを徹底解説
業務改善助成金
業務改善助成金とは、生産性向上や業務改善のために設備導入やコンサルティング依頼などの取り組みと、事業場内最低賃金の引き上げを行った事業主を助成する制度です。
助成上限額は、引き上げる最低賃金額や労働者数、事業者規模により異なります。例えば、事業者規模30人未満の事業者が、労働者1人の最低賃金を30円引き上げた場合には、60万円を上限として助成されます。
関連記事:【2023年最新】業務改善助成金とは?概要や目的、助成額を徹底解説
スポーツ振興くじ助成
スポーツ振興くじ助成とは、スポーツくじの販売により得られた収益を、以下のようなスポーツ振興を目的とした事業に支援する制度です。
- 大規模スポーツ施設整備助成
- 地域スポーツ施設整備助成
- 総合型地域スポーツクラブ活動助成
- 地方公共団体スポーツ活動助成
- 将来性を有する競技者の発掘及び育成活動助成
- スポーツ団体スポーツ活動助成
- 国際競技大会開催助成
参考:JAPAN SPORT COUNCIL「スポーツ振興くじ、スポーツ振興基金と助成事業」
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者が販路開拓や業務効率化などの取り組みを支援する制度です。以下の5つの枠に分けられています。
- 通常枠
- 賃金引上げ枠
- 卒業枠
- 後継者支援枠
- 創業枠
例えばフィットネスジムはサービス業、スポーツショップは小売業に該当するため、常時使用する従業員数が5人以下であれば対象となる可能性があります。
事業再構築補助金
事業再構築補助金とは、中小企業が新分野展開や事業転換などの思いきった事業再構築に取り組む企業を支援する制度です。以下の5つの枠に分けられています。
- 成長分野進出枠(通常類型)
- 成長分野進出枠(GX進出類型)
- コロナ回復加速化枠(通常類型)
- コロナ回復加速化枠(最低賃金類型)
- サプライチェーン強靱化枠
補助上限額・補助率は各枠により異なります。
例えば中小企業が成長分野進出枠(通常類型)に取り組む場合、補助上限額は3,000万円、補助率は1/2です。(短期に大規模な賃上げを行う場合、補助上限額は4,000万円、補助率は2/3です。)
補助対象経費には、機械装置・システム構築費、広告宣伝費などが含まれます。
参考:事業再構築補助金
「そもそも助成金って何?」「個人事業主でももらえるものなの?」という疑問をお持ちの方はこちら!助成金の制度や仕組みについてわかりやすく解説しています!
助成金とは?対象者や受給条件・申請の方法まで徹底解説【選手育成】スポーツ事業に活用できる助成金・補助金一覧
選手育成を主体としたスポーツ事業に活用できる助成金・補助金を紹介します。
スポーツ振興基金助成
スポーツ振興くじ助成とは、スポーツの競技水準の向上や、競技会の開催や講習会などのスポーツ人口拡大を図る活動を支援する制度です。以下の4つの助成に分けられています。
- スポーツ団体選手強化活動助成
- スポーツ団体大会開催助成
- スポーツ団体大会開催助成
- アスリート助成
助成対象額は、助成対象経費に2/3を乗じた額です。また助成対象は、諸謝金、旅費、借料及び損料、スポーツ用具費などの経費が挙げられます。
参考:JAPAN SPORT COUNCIL「スポーツ振興くじ、スポーツ振興基金と助成事業」
助成金・補助金を利用したスポーツ事業の事例
助成金・補助金を利用したスポーツ事業の事例を紹介します。
業務改善助成金(スポーツスクール)
令和4年度の事例のうち、秋田市にあるスポーツスクールはスクールバス用8人乗りワゴンを導入しました。
スクールバスによる生徒の送迎を2台体制にすることで、送迎時間が短縮。送迎状況管理係の管理時間の短縮にもつながっています。また最低賃金引き上げ額は860円→950円(+90円)引き上げました。
その結果、当時の制度で90万円が助成されました。
参考:厚生労働省秋田労働局「最低賃金引上げに向けた中小企業支援事業|令和4年度」
スポーツ振興くじ助成(公益社団法人日本ボート協会)
令和元年度の事例で、公益社団法人日本ボート協会が主導で管理する「2019世界ボートジュニア選手権大会」の開催に助成金が活用されました。
具体的には会場設営や警備運営、選手・関係者、観客用のシャトルバスなどの経費に活用されたとのこと。助成金額は、1億2,893万2,000円です。
参考:JAPAN SPORT COUNCIL「スポーツ振興くじ、スポーツ振興基金と助成事業|助成事業紹介【スポーツ振興くじ助成:公益社団法人日本ボート協会】」
スポーツ振興基金助成(全世界空手道連盟新極真会)
令和5年度の事例で、特定非営利活動法人全世界空手道連盟新極真会が主催した「第13回全世界空手道選手権大会」の開催に助成金が活用されました。
具体的には、大会運営やスタッフ・ボランティアの配置、大会PR・集客などさまざまな面に活用されたとのこと。助成金額は800万円です。
参考:JAPAN SPORT COUNCIL「スポーツ振興くじ、スポーツ振興基金と助成事業|助成事業紹介(令和5年度)」
まとめ
この記事では、スポーツ事業に利用できる助成金・補助金を紹介しました。
健康促進のために、スポーツの必要性は高まっています。そのため、スポーツそのものの振興のためや組織力の強化、環境整備などに利用できる助成金・補助金は多くあります。
しかし「自社に適した助成金がどれかわからない」「助成金の要件や申請方法に関するノウハウがない」という企業の方は、プロのコンサルに依頼することがおすすめです。まず以下から無料診断を試してみてはいかがでしょうか。